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あなたのコレクション 

今日は少し否定的なことを書く。と、前もって書いておこうと思う。

度々『X』(元Twitter)でアップされる、さる人物の『本棚?』を見かけるたびに心が曇る。
うず高く天井まで届きそうなくらいに積み上げられた本たち。一部屋はそのような本のかたまりで占領されている写真を定期的に出すのは自慢のコレクションなのだろう。

賞賛やいいねが多い中、私は1番下の本はどうなっているのだろうと考えてしまう。長らく読まれることもなく、押しつぶされかろうじて書物の一部として存在するもの。図書館に勤める自分にとって、本は守るべき大切なものであると同時に、重量のかさむものであるがゆえに重大な怪我を負うリスクをいつも身近に感じているものでもある。地震でなくても、何かバランスを失った時にあの蔵書の山は雪崩を起こし、人間はもとより無事ではない本たちも数多く出てくるだろう。

再三フォローを頂いたが、交流もなく、しばらくすると外すの繰り返し。本の感想を読まれてフォローされたわけではないようだ。

このかたにとって、フォロワーは本と同様、コレクションに過ぎないのかもしれない。どこにどんな本があるのか、誰がどんなことを呟いているのかよりも重視しているものがあるのだろう。

SNSは人それぞれなので自由にされれば良いけれど、本の悲鳴が聞こえてきそうなそのコレクションを私が目にすることはもうこの先ないと思う...


♪流れるまんま 流されたら
 抗おうか 美しい鰭で
壊れる夜もあったけれど 自分でいられるように

       スピッツ / 美しい鰭



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