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親しければ親しいほど大切なもの

リアルでもネット社会でも最近思うことなのですが、一時期親しくしていても人間関係は流動的なものでその関係性が変わることがあります。

人は親しくなるとだんだん本音で話すようになり、それによって信頼関係が積み上がっていく場合もありますが、逆に壊れてしまうことも。積み上げるのは相当の時間がかかりますが、壊れるのはあっという間です。

厄介なのは、そのラインが人によって様々だということ。そんな小さな事で...と思うのかは相手次第なわけで自分が決めることではないのが難しいところです。

親しかった人となぜ疎遠になってしまうのか。たぶんそこにはお互いに対する無理解や誤解もあるのでしょうが、原因の多くは相手を尊重しなくなることなのではないかと思うのです。最初は気を遣って丁寧に言葉を選んでいた相手でも、親しくなって遠慮がなくなると、出会った頃には決して言わなかった不快な言葉を冗談のように投げかける。発する側と受け取る側で言葉に対する感覚が違って、相手に自分を軽んじているのだなぁと思わせてしまったらその関係は危ういものになるでしょう。

ずっと変わらない関係が続いている大切な友人達を思い浮かべると、共通点が見えてきます。
それはこちらが不安に思ったり悩んでいたりした時に決してそれを煽るようなことをしないこと。話を聞いてくれるだけです。マイナスな同調もアドバイスもありません。彼らの言葉はいつも穏やかで、温かい気遣いを感じます。相手の気持ちを尊重して一定の節度を守っているからこそ、長く心地の良い関係が続いているのでしょう。

親しくなればなるほど大切なもの。あたりまえなのに慣れの中で見失いがちなもの。それは礼儀と思いやりのほかありません。でも私達は完璧ではないので、うっかり礼儀を欠くことはあります。それはあくまでうっかりであって故意ではありませんが、そこから生じる誤解はしかたのないもの、そこからはそのかたとのご縁なのだろうと思います。

うまくいかないと思う時は大抵自分の礼儀の在り方なのではないかとこれまでの自分をふりかえって感じます。

本当に人間関係は簡単に変わるものなので、あまり深く考えてしまわないよう割り切るのも、自分の心を守り穏やかに生きる方法なのかもしれませんね。

最後に『アンの青春』からアラン牧師夫人の言葉を。

〜真の友情は、頼りになるものです。
だからこそ、友情には高い理想を持ちなさい。
正直と誠意を欠いて、友情を汚してはなりません
         〜アンの青春 第15章〜

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