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MBTIとストレングスファインダーの違いと組み合わせ方_PartⅠ(組織編)

ストレングスファインダーについて


ストレングスファインダー(現在はクリフトンストレングス®︎が正式)は、200万人を超えるハイパフォーマーへのインタビューから分類された34の成功に繋がる「資質」を、あなたがどういう順番で所持しているかを明らかにします。

資質はあくまで資質に過ぎず、上位資質に適切に投資することで「強み」として発揮されるようになります。

なので自分の資質を見て「これが私の強みだっ!」と早合点しないようにしてください。レベルアップしやすい資質を教えてくれるだけなので、そこに意識的に投資しなければただの「占い」で終わります。(MBTIもそうですが、「当たる」のは「当たり前」なんですよね、だって、自分で自分のことを回答してるんだから。)

それから、弱い資質を見てゲンナリするのも違います。資質の名前は、あくまでその資質自体が自分の意欲のドライブになっているだけです。例えば仕事では誰しも一定の責任感は必要だと思いますが、「責任感」の資質が低いから責任感が低いということではありません。「責任感」の資質が高い人というのは「責任を果たすこと」そのものが心のドライブになっているということ。「責任感」が低くても他の資質、例えば「共感性」が高い人は相手を助けたいという思いがドライブとなり、結果的に責任を果たすことができます。

MBTIとストレングスファインダーの違い

厳密ではありませんがそれぞれの違いをまとめてみました。
(MBTIの概要は過去記事を参照ください。)
https://note.com/kohakuru/n/n6a2ac12da48a

ビジネス界隈ではMBTIもストレングスファインダーも広義的にはチームビルディングや多様性促進の文脈で活用されますが、正しくはその使い方、意図するところがまったく異なります。

そもそもMBTIはユング心理学の実務的応用であるのに対し、ストレングスファインダーは統計分析であるため、頭からまったく違うものです。

MBTIはその人の能力的なことには一切言及していません。あくまで意識(自我)を超えた自分の無意識にある自己を発見していく手法です。人事評価や人材配置にMBTIを用いることは、大きな誤用であり厳禁とされています。

ビジネスにおいては成果との関係性が見えやすいほど好まれるので、経営者や人事の視点では、ストレングスファインダーの方が導入イメージがつきやすいのではないかなと思います。

ストレングスファインダーは皆で開示しあい、お互いの資質を理解しあい、協力関係を築いていくことが有効であると考えています。実際、各自の上位資質を社内名刺のように使っている会社もあります。

一方でMBTIは、もっと根源にある、その人の生まれ持った性格(キャラクター)を理解することにあります。その効果は即効性のあるものではありません。

例えば、会議で意見がぶつかり合意形成がなかなか進まないとか、あの人の説明の仕方は理解しにくいとか、部下に対して指示した意図がどうも伝わらないとか、こういったことは良くあると思います。これらは自分と相手の認知の違いを理解していないと、「能力的な問題」(つまり相手を下に見る)のように考えてしまいがちですが、必ずしもそうではないことがMBTIを学ぶと理解できてきます。

実体験を一つあげると、私は過去、部下に中長期的な目標を持ってほしくていつもそれを一緒に探ろうとしていました。私のタイプであるINTJは、というかN型(直観型)は、「あの向こうにみえる山に向かっていくこと」を大事にしがちです。一方でS型(感覚型)は、「これまで越えてきた山から見えてくる現在の景色」から自身の価値を定義したいと思う傾向があります。これを知ってからはインタビューの仕方を相手によって調整するように心がけています。

組織におけるMBTIとストレングスファインダーの組み合わせ方

もともとMBTIの思想的背景に感銘を受けた身としては、MBTIこそ新しい時代の言語の一つであると確信しているものの、一方で現実的には、ユング心理学の基礎知識を必要とするような小難しい概念を組織の「みんな」で使いこなしていくのは、ちょっと向いていないなというのが感触です。

大半の人にとってはユングはおろか心理学にも興味はないわけで、そういう方々にMBTIを展開しても、「なるほど、自分や他人は違うんだなぁ、ふむふむ、それで?」となってしまうでしょう。

なので私は組織全体として活用するのはストレングスファインダーとし、MBTIはマネジメントや会議体運営等の局面において、主にマネージャーやファシリテーターが無意識的に生じさせている偏見や先入観を排除するためのアドバイスツールとして活用するのがいいと考えています。

更に言えば、やはり経営者クラスにおいては、MBTIは英語よりもドラッカーよりも必須言語だと私は考えています。実際に米国では組織戦略に与えた影響としてドラッカーを上回る評価がされたこともあるようです。

MBTIは、なんちゃって多様性フェーズから真の多様性フェーズに移行した時代において再評価されるようになるでしょう。真の多様性フェーズとは、当たり前すぎてもう誰も「多様性」なんて言葉を使わなくなっている時代です。ちなみに私の小学生の子供たちの世界においては、多分、もう、そうなっちゃってますね。

個人としての活用

長くなったので個人がどうそれぞれを組合せて活用していくかについては別のパートにいたします。

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