こはる心理カウンセリング室

臨床心理士で公認心理師です。青年期・成人期の個人カウンセリングが専門です。ストレスケア…

こはる心理カウンセリング室

臨床心理士で公認心理師です。青年期・成人期の個人カウンセリングが専門です。ストレスケアを学校や企業、家庭など身近に取り入れてもらえるような活動に取り組んでいます。https://koharushinri.jimdofree.com/

最近の記事

ずっとそこにありました

いつかの休日 前から気になっていた 美術展に行きました 展示を巡り 画家の生き方や 創作物に出会う中で 見ているこちらの内側から インスピレーションが 湧き出してくるような とても嬉しく 満たされる時を過ごしました そして ミュージアムショップで 幾つか関連グッズを購入して 帰ったのでした それから数ヶ月後の平日 あんなに ワクワクして 買ったのに 棚に入れたままにしていました それを探してみました しまったはずの棚を 探しても見つかりませんでした 収納

    • リラックス 呼吸法

      自分のこころと身体のベースを作っているもの。 それが呼吸なのだ と改めて感じることが増えてきました。 先日参加した災害支援の研修では、 災害などで大きく動揺されている方に、 まず椅子に座ることや、 お水を勧めて、 ちょっと深呼吸してみましょうかと、 声をかけるロールプレイを体験しました。 あわせて、呼吸を整えるヨガの実践を学びました。 色々な呼吸法があるので、 ここでもご紹介していこうと思っています。 まずは、心を落ち着かせるための呼吸のキーポイントだけ書いておきます

      • 傷ついた心のケア エッシャーの思想

        こんにちは。 M.C.エッシャーの著書、 『無限を求めて』を読み終わりました。 魚が途中から鳥になったり、 階段を昇っていた人が、 気づけば下っていたり。 そんな不思議な作品を数多く残している エッシャーが自作について語っています。 版画の作成について 語ってはいますが、 やはり、 心理的にもとても興味深い内容が、 たくさん書かれていました。 人は、 追い詰められた時ほど 白か黒かと 二極化させて物を捉えてしまう 傾向が強くなります。 健康か病気か、 正常か異常か、

        • トラウマ反応 10:90反応

          トラウマとは、 広い意味では以下のように 言われています。 強いストレスから 心や身体が大きく傷つけられること、 そして、それが長く続くこと。 トラウマから生じる反応の説明として、 10:90反応 という考え方があります。 ふとしたことで 蘇ってくる恐ろしい感情や症状は、 過去のトラウマが再現したかのように 感じられます。 10:90反応は、 感情反応のうち 10%が現在から生じ、 90%が過去から生じている と捉える考え方です。 現在と過去を分けて捉え、 トラウマ

        ずっとそこにありました

          居るのはつらいよ ケアとセラピー 研修会報告

          先週末は、 教育や心理の分野で働く人たちと 「それぞれのイルツラ」 と題して語り合う会をしました。 参加者は、 小学校教員、 特別支援員、 施設職員、 大学教員、 精神科医、 作業療法士、 臨床心理士、 などなど多彩なメンバーでした。 臨床心理士である東畑開人先生の著者、 『居るのはつらいよ』の内容を振り返りながら、 私自身の心理臨床体験もお話し、 主にケアとセラピーについて それぞれの想いを語り合いました。 ただ、居る、だけ。 辛さ。 拠り所のなさ。 不安。 傷つき。

          居るのはつらいよ ケアとセラピー 研修会報告

          大切な人を失うこと 喪失感 悲しみ 痛み

          自分の心や生活そのものを 支えてくれていた 大切な人を失うことは、 とても受け入れがたい出来事です。 大切な人を失うことは、 自分自身の大切な部分を失うような、 奪われるような感覚に近いのではないかと思います。 精神分析家の小此木啓吾先生は、 著者『対象喪失」』の中で、 以下のように述べています。 ここで述べられている 様々な感情体験とは、 喪失感や悲しみ、 苦しみだけでなく、 妙に活発になったり、 あるいは何も感じなくなったり といった体験もあると思います。 また、

          大切な人を失うこと 喪失感 悲しみ 痛み

          コミュニケーション 市民講座

          暑い1日でしたね。 本日は、 一般市民の方々に向けた 講義を行いました。 主なテーマは、 気持ちが伝わるコミュニケーションや ゲートキーパーについてです。 4〜5人ずつに分かれて、 グループワークもしました。 参加者の方々の意欲的で、 なおかつ 優しい雰囲気に、 私も元気をもらいました。 この企画には、 年に一回のペースで 呼んでいただいています。 企画内容の相談や当日の運営まで、 いつも丁寧に関わってくださる 保健師さんたちとのご縁があって、 続けることができてい

          コミュニケーション 市民講座

          トラウマ 感情がわからない

          トラウマやPTSDについての研修会に 参加しました。 トラウマに関する研究と 臨床の大家と言われる医師が、 限られた時間の中で、 盛りだくさんの内容を お話しくださいました。 PTSDの生涯有病率は 1.3%であり、 トラウマとなるような 生命への脅威を感じる 出来事があっても、 状況が整えば、 自然に回復するケースも多いと おっしゃっていました。 一方で、 よくない状況が続き、 慢性化するケースもあると 語られました。 PTSDの治療の一つに、 感情調整をテーマとした

          トラウマ 感情がわからない

          対象恒常性 穏やかな日々を保つこと

          以前の職場で、 毎週一緒に グループワークを 担当していた 作業療法士さんが 「幸せを呼ぶ馬」 の刺繍入りの袋を 作ってくれました。 その作業療法士さんと 担当していたのは 「あじさい会」という 精神科急性期病棟の グループワークです。 入院されている方の中には 命や人生そのものが 大きく脅かされるような 危機に直面している方々が 多く見えます。 そういった方々にも 参加していただける グループワークとは何か? 作業療法士さんや 看護師さんとも 時々相談をして、 プロ

          対象恒常性 穏やかな日々を保つこと

          止揚-今までを振り返りこれからを考えること-

          私たちにまだできることがある 何をするのがよいかを 照らしてくれる言葉を昨年見つけた 止揚する 私たちは批判がうまくなった 足りない部分を見つけるのもうまい ここがだめだと ケチをつけるのは容易い 過去から学ぶことの本来の意味はどうだったか 過去の優れた見識を再発見し学ぶ そして、過去の過ちから学ぶ それは先人の云々ではなく 自らの過去の振り返りも 含まれているはずだ 止揚する 話題のニュースとして 戦争、事件、事故、汚職の映像が 流れるのを見ていて あるいは

          止揚-今までを振り返りこれからを考えること-

          パンの話 何でもないできごと

          いつも通り過ぎる駅で、 電車のドアが開くと、 ふわっとパンのにおいが する駅がありまして。 いつも通り過ぎるだけでも、 ほっこりしてました。 昨日はその駅に 降りる用事があって。 駅の構内にある、 パン屋さんを発見しました。 あー、ここだったんだ。 なんか、 いつもありがとうございます♬ そんな気分になりまして。 そんな、 何でもないできごとの お話でした。 (20190825記載)

          パンの話 何でもないできごと

          コラージュ療法 自由な表現

          コラージュ療法学会に参加しました。 感じたことを 残しておきたいと思いつつ、 時間が経ってしまいました。 しばらく経った今でも、 ヤネック・デュボスキー先生の 「心とアート」についてのご講義が とても印象に残っています。 明快さやスピードが 求められやすい世の中ですが、 先生のご講義というか、 ジェスチャーも含めた パフォーマンスからは、 想像する楽しさや喜びが あふれていました。 まさに、 プレイフルな姿でした。 特に印象的だったのが、 司会の先生とのやり取りです。 「

          コラージュ療法 自由な表現

          今のあなただからできる臨床がある

          精神科病院臨床を始めたばかりの頃、 ケースで悩んでいて、 他のベテランの先生に 担当を代わってもらったほうがいいのではと 相談したことがありました。 恩師は、 「今のあなただからできる臨床がある」と 励ましてくださいました。 あの時の言葉、 私の支えになりました。 T先生、 ありがとうございました。 (20190907記載)

          今のあなただからできる臨床がある

          万引き家族を観て 読書の秋も到来

          みなさま、こんにちは。 今日は映画と小説の話です。 『万引き家族(是枝裕和監督作品)』を観ました。 前に見た時よりも、 なぜかとても感情が揺さぶられ、 胸に迫ってくるものが強くありました。 映画に登場する人物たちが、 私の知っている あの人やあの子…、 と重なってみえて、 現実味が強く感じられたからかもしれません。 うまく考えや感想が頭でまとまらないので、 映画から繋がる世界にしばらく留まっていたいと思い、 『偸盗』を読みました。 芥川龍之介の小説です。 単純に、 万

          万引き家族を観て 読書の秋も到来

          自傷行為について 研修会報告

          みなさま、こんにちは。 昨日は、この本を紹介しつつ、 自傷行為について考える研修会を実施しました。 『自傷・自殺する子どもたち』 (松本俊彦 著 合同出版) 参加者は、 教員や療育施設職員、 精神科で勤務する臨床心理士、医師、作業療法士、 大学院生など、 多職種で話し合う機会となりました。 最初に、 一人の先生がこの本をベースに、 自傷や自殺についてミニレクチャーをしてくださいました。 その後、 自傷行為がみられる子どもたちとのかかわりを 事例を通して学び合う時間と

          自傷行為について 研修会報告

          精神科急性期病棟での心理士の仕事 研修会報告

          先日、 精神科急性期病棟での心理士の仕事 をテーマに研修会を実施しました。 私は、おやつ係り(笑)と 前職での経験の情報提供を担当しました。 精神科急性期病棟や救急病棟において、 心理士はどのような役割が果たせるのか、 どのような働きを期待されているのかについて、 実践的に考える機会になりました。 3名の演者から それぞれの職場での実践を元にした発表があり、 最後にクライシスプランについての講義があり、 半日研修でしたが盛りだくさんな内容だったと思います。 お一人目の

          精神科急性期病棟での心理士の仕事 研修会報告