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バッティングのパフォーマンスアップ    −上半身編−

■はじめに

noteをご覧いただきありがとうございます。

CI-Baseball育成メンバーの吉田 昂平 です!

今回はバッティングのパフォーマンスアップ第一弾となります。上半身編です。
第二弾体幹を北山さん第三弾下半身は津田さんに配信していただきますので、楽しみにお待ちください。

今回のパフォーマンスアップは、予防的観点も踏まえ記載させていただきますので、宜しくお願いします。


■バッティング動作とは

関節の伸展速度あるいはセグメントの回転速度のピークが膝から腰、上胴、肘の順に出現し、その大きさも緩徐に増していくことから、エネルギーが下肢から体幹、上肢、バットへと順次伝達されます。

よって、野球のバッティングにおいて、下肢はエネルギーの発生源であり、
生み出したエネルギーを体幹へ伝達させる役割を担っています。

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下肢・体幹からのエネルギー伝達を上半身へ上手く伝えるためには、
上半身自体の土台が必要と思われます。

土台がない状態であるために、手部・手関節の障害リスクが野球の
バッティング動作は多いと推測されます。


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手部・手関節の発症リスクが半分を占めています。

では、手部・手関節のどこで発症しやすいのか。なぜ発症するのか。
予防・パフォーマンスアップについて説明していきます。


■手・手関節障害

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野球選手で多く発症しやすい”有鉤骨骨折”
手根骨の中でも一番尺側に位置しておりグリップに衝突する骨です。


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バッティング動作の”インパクト”の際に有鉤骨に応力が上昇して怪我する
リスクが高まると言われています。
手関節が掌屈した状態では上記の画像のように骨折を起こしやすいです。

特にアウトコースのボールを無理に打ちにいくと手関節掌屈がより強まります。

非常にわずかな動作の違いではありますが、このようなスイング動作の特徴を
有する選手が再発を繰り返すことがあることからも、
外傷発生との関連性が高いと推察されます。


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第4•5指の屈筋筋力低下することで、バットのグリップ力を低下させ、
手関節掌屈を起こしやすくなります。

この結果、上記の左絵のように手関節へのストレスが強く、
有鉤骨骨折やTFCC (三角線維軟骨)損傷などの障害を生じやすい、
いわゆる「ヘッドが下がった」スイング動作を呈しやすくなります。

そこで、第4•5指の屈筋トレーニングを行い、前腕内側筋の筋力強化
実施しましょう。


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インパクト時の手関節背屈を起こし、ボールへ反発力を加えフォロースルーの打球の質を高めていきましょう。



■バッティング動作での肩甲帯の働き


より、バッティングの下肢・体幹・上肢への伝達を高めスイング向上に
つなげるためには、肩甲骨と共同して働く胸郭が動くことで、
上体の回転の深さが必要です。

”最短距離”のバットスイングとは、着地を合図に始まるスイング始動時から、
肩のリードを含んだ上体の回転動作によって、『トップ』にあるバットを
引き出すことで実現します。

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フォワードスイング〜フォロースルーにかけて、肩甲骨を背中側に引く動作により上体の回転動作が良く働くことで、骨盤ごと体幹全体が早く開かなくなり『割れ』を作ることができると言うことです。



■肩甲帯Pullトレーニング

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|目的

左打者の場合、右フォワードスイング〜フォロースルーにかけての
肩甲骨の引く動作の獲得
「右菱形筋・右僧帽筋中部」「上部体幹と下部体幹の分離」
対側上肢のPush同側上肢のPullを意識して行いましょう。

|注意

右肩甲骨のPull時に骨盤・下部体幹の回旋動作や胸腰椎による後弯代償
気をつけましょう。
左肩甲骨は翼状肩甲(翼がはえたように肩甲骨が浮上がないよう)に
Pushしましょう。



■肩甲帯Pushトレーニング

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|目的

左打者の場合、左テイクバック〜フォワードスイングにかけての
肩甲骨の引く動作の獲得 ”トップ”を作ることや、
その後の左フォワードスイング以降の ”押し込み”の獲得
「左菱形筋・左僧帽筋中部、左前鋸筋」「上部体幹と下部体幹の分離」
同側上肢のPull・Pushを意識して行いましょう。

|注意

左Push時に胸郭のリブフレアや腰椎過剰伸展代償がないように
肩甲骨と腹部の協調性高めましょう。



■アクティベーショントレーニング

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|目的

上部体幹と下部体幹の分離運動共同収縮による身体操作性を高めます。
「肩甲骨・胸郭の可動性(操作性)」「腹斜筋のconcentricに剛性の向上」

|注意

上部体幹の回旋時に下部体幹が同側へ回旋(骨盤回旋)してしまうことや
体幹側屈代償に注意して行っていきましょう。



■まとめ


下肢・体幹からのエネルギー伝達を上半身へ上手く伝えるためには、上半身自体の土台が必要と思われます。

今回の”最短距離”のバットスイング獲得のため、肩のリードを含んだ
上体の回転動作によって、『トップ』にあるバットを引き出し、

フォワードスイング〜フォロースルーにかけて、肩甲骨を背中側に引く動作により上体の回転動作が良く働くことで、骨盤ごと体幹全体が早く開かなくなり『割れ』を作ることを意識して行ってみてください。


今以上のパフォーマンスupを!!


次回からの体幹・下半身もバッティングで重要となる部分も発信がありますので、ご参考にしていただけますと幸いです。



■おわりに


最後までご購読いただきありがとうございました。
いかがでしたでしょうか?

今回のnoteに書いた内容はほんの一部ではありますが、選手は予防とともに
パフォーマンスを上げていきたい
と考えています。

その際に私達が理解を深めることで、選手の気持ちに立って向き合って行くことができ、正しい道を歩むサポートを広げていくことができるのではないでしょうか。

このnoteを購読頂いた方々が、バッティングのパフォーマンスを向上させ
野球選手として、
今以上に素晴らしい選手となることの役に立つことの一助になれれば幸いです!

今後も野球に関連する動作を紐解いて、情報発信していきたいと思いますので、
どうぞ宜しくお願い致します!!


〜過去の記事はこちら☟〜

【投球障害予防に必要な体幹機能の改善】

【投球パフォーマンスUPトレーニング−Cocking期〜Acceleration期−】

【野球選手のためのテーピング−腰部−】


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