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僕と酒匂ふみさんの往復書簡

彼女との出会いは、今回の出店者でもある城さんや川井田さんと同じく2015年のash。しかも、同じく出店者の「すすむ屋茶店」から程近い、「indubitably」というセンスの良い物達が集まったアンティークショップが展示場所だった。

そこに置かれていた、彫りのある飴色の角皿に僕は目を奪われた。そのときは購入こそしなかったが、ずっと心のどこかにその器を見たときの感情があった。その後、名古屋や岡山でオギープラザというイベントを開催した際、様々な鹿児島の作家さんに声をかけた。でも、候補に上げていた彼女には声をかけなかった。かけなかったというよりもかけられなかった、というのが自然かもしれない。

当時、彼女と会ったのはそれきりだったし、それ以外の彼女の作品や作風、活動の仕方など、ほぼ知らないことばかりだったことが最大の理由だった。今回声をかけることができたのは、「実際に会って話す機会が増えたから」ただそれだけ。鹿児島でのイベントで偶然会って話したり、出店しているイベントを訪れたり、そうしていくうちに彼女の人となりがなんとなく分かってきた。そんなとき、今回のイベントの話を頂いて「声をかけるなら今だろうな」「声をかけたい」と思ったのだ。

そういう直感は、やっぱり当たるというか、良い方向に転ぶような気がしている。

つい先日、「こんな豆皿ができました!予定に無かった金彩を使ってしまったので少し値段があがっちゃいます、すみません!」とメッセージが来て、笑ってしまった。送られてきた画像を見ると、今までの彼女の作品とは趣が少し違っていて、「おぉ!!良い!!」と思わず僕も声を出してしまったほどだ。僕のイベントがきっかけと言うのはおこがましいかもしれないが、新しいイメージが湧いたり、それが作品に反映されていくのは嬉しい。

少し語弊があるかもしれないが、自分が企画するイベントや展示に、知り合いや友人の作品をお願いをするのは本当に難しい。できるだけ、それぞれの作家活動に負担にならないようにしたいし、僕の至らなさにやきもきしたりむずむずしたりすることもきっとあるはず。何度やっても慣れないし、自分の不甲斐なさには落胆する。イベントをする前も後も、あのときもっとこうしていれば…という気持ちはなくならない。それでも、自分自身、企画したイベントを良いものにしたいと思いながら行動しているし、作家さんもイベントのために新しいものを作ってくれたり、楽しんでくれている姿を見ると本当に嬉しい。僕自身、もっと頑張らないとと背筋が伸びる思いだ。

とはいえ、この豆皿は一体全体どれくらい値段が上がるのだろうか。少しだけ不安ではある。(冗談です)

instagram:@mouhitoaji

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「僕とみんなの往復書簡」
月日:4/11 wed.-4/15 sun.
時間:14:00-22:00 (sat & sun 12:00-22:00)
場所:杉並 海の家(〒168-0063 東京都杉並区和泉1-5-12)

face bookイベントページはコチラ。
https://www.facebook.com/events/168393760635817/

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