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セッション定番曲その87:It's a Sin to Tell a Lie (嘘は罪)

ジャズの歌ものセッション定番曲、こういう小唄ものって少し軽視されがちですが、レポートリーに入っていると素敵だなと思います。
(歌詞は最下段に掲載)

和訳したものはあちこちのWebサイトに掲載されているので、ここではポイントだけ説明します。


ポイント1:It's a Sin to Tell a Lie

「嘘は罪」・・・分かり切っていることですね。
まして好きな人につかれる嘘。

Be sure it's true when you say I love you

軽々しく「愛してるよ」なんて言ってはダメ。
でも、そういう口の軽いヤツの方がモテるんですよね。あちこちで色々な女性に「素敵だね」「可愛いね」「もう愛してるよ」なんて言ってまわる。数撃ちゃ当たる、って。

ポイント2:Millions of hearts have been broken

Millions of hearts have been broken
Just because these words were spoken

世界中にそういう奴は沢山いて、何百万人ものハートが傷つけられている。
「I love you」の数だけ嘘と悲劇がつきまとうのかもしれません。

「愛してるよ」なんて言わなきゃいいのに。

ポイント3:I love you, yes I do, I love you

作詞家がアイディアに詰まって苦し紛れに描いたフレーズみたいですが、この前後の流れがあるのでとても効果的になっています。

発音のポイントとしては「L」を絶対にちゃんと出すこと。「I Rub You」は気持ち悪いので。「You」も丁寧に唇を尖られせて発音しましよう。
「I love you」はパートナーがいたら毎日言う(言わなくちゃいけない)言葉なので、練習しましょう。

ポイント4:If you break my heart I'll die

ほら「死んじゃう」って言ってる。大袈裟だけど。
嘘はダメ、嘘は罪。

ポイント5:1936年に書かれたポピュラーソング

もともとはジャズというよりは当時の流行歌として書かれた曲。この時代のダンス音楽でもあるので、ワルツで書かれて演奏されています。

シンプルな歌詞のキャッチーさと軽さと哀愁が混じったメロディがウケたのか、スイングジャズになったりジプシージャズになったり、女性歌手が可愛く歌ったりと様々にアレンジされていきます。

Fats Waller

最近のものですが

Bourbon Street Jazzband


ポイント6:ジャズ歌手による歌唱

Billie Holiday

Tony Bennett

Frank Nagai

市原ひかり(歌とトランペット)

憂歌団



ポイント7:ポピュラー歌手による歌唱

Bobby Rydell

Pat Boone

John Denver

意外と男性歌手が多いですね。
歌詞の内容的には女性がつく嘘の方が罪が深そうです。

ポイント8:I'm Gonna Sit Right Down and Write Myself a Letter
これも古い小唄でジャズの定番曲になっていますが、コード進行がほとんど「It's a Sin to Tell a Lie」と同じです。こっちは1935年に書かれたようなので、こっちが先ということになりますが、細かい事情は謎。
どちらもFats Wallerが初期に歌っていますね。

Paul McCartney


◾️歌詞


Be sure it's true when you say I love you
It's a sin to tell a lie
Millions of hearts have been broken
Just because these words were spoken

I love you, yes I do, I love you
If you break my heart I'll die
So be sure it's true
When you say I love you
It's a sin to tell a lie

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