本当に必要な「行動力」は1つしかないと感じた話
こんにちは。採用広報事業をやっているhypex代表の河合幸太です。
このnoteでは、主に採用分野・人材業界に興味のある人に向けて、僕の考えや経験、最新の業界動向などを月1回のペースでお伝えしています。
今回のテーマは「行動力」。
「頑張っても頑張っても、成果が出ずに苦労している……」もし今こんな悩みがあるとしたら、その原因の一つは、努力の方向がズレているからかもしれません。
頑張りを成果に結び付けるために必要なのが、正しい行動力です。そして僕は、行動力=周りに助けを求められることなのではと思っています。
今回はこのテーマについて、僕なりの考えをまとめてみます。特に、20代の若手の人に読んでいただけると嬉しいです。
行動力とは「Say“HELP!”」できること
「行動力がある」というと、例えば以下のような人をイメージするかもしれません。
部活やアルバイトでリーダーになる
大学在学中に会計士の資格を取る
海外で働く
独立して起業する
原付で日本一周をする
エベレスト登山に挑戦する
つまり、人が大変だと思うような行動をサクッとしてしまう、あるいは他の人が成し遂げていないことをパッとできる、これがよく言われる「行動力」ではないでしょうか。
海外で働くことも、日本を原付で一周することも、やろうと思えばできなくはないはず。でも、実現に至るまでにはたくさんの問題があり、それらを乗り越える人が少ないからです。
また、多くの人は、行動力=自分自身で問題を解決していく力、と捉えている気がします。
学生の頃から、宿題をやってきましょう、テストに向けて勉強しましょう、忘れ物がないように確認しましょう……と、基本的には「自分のことは自分で」という個人勝負の面が強いですよね。
だから、自分で知識やスキルをつけて解決しようと考えるし、難しいことを自力で突破できる=行動力がある、と評価されるのも当然かもしれません。
しかし、僕の考えは少し違います。
行動力とは「Say“HELP!”」できることじゃないかなと。
自分が何かにつまずいた時に、周りにすぐ助けを求められるか。難しい問題でも、他の人に頼ったり聞いたりして乗り越えていく、これが行動力だと考えているのです。
前回のnoteでは「個」の時代だからこそ「チーム力」が重要だという話を書きました。
今回のテーマである「行動力」も、今の時代だから意識した方がいいと思っています。
昔よりもアクセスできる情報が増えた分、「ちゃんと自分で調べてから聞いてね?」「ネットで検索すれば分かるよね?」という風潮が強くなり、結果的に何も聞けない人が増えていると感じるからです。
また、自分で調べること・聞くべきことの線引きができていない人も多い印象です。ざっくり言えば、これらは正解があるかどうかで区別できます。
自分で調べること=正解があるもの
聞くべきこと=正解がないもの
例えば、Google Meetの画面共有の方法が分からない時には、必ず正解がある問題なので、自分で調べて解決できますよね。
一方で、Google Meetのようなサービスを開発したい時には、正解がありません。仮に同じようなものを目指しても、実際にZoomやTeamsが生まれているわけで、答えがないものは周りに聞いたり相談したりしながら進めていいもの、と考えられます。
こうした境界線を知ることも、「Say“HELP!”」できるようになる第一歩です。
周りに助けを求められない人は多い
hypexでは、創業当初から「Say“HELP!”(投げ出さず頼ろう)」を会社のValuesに採用しています。その理由は、お互いに助け合うチームを作りたかったからです。
大抵の人は、誰かに頼られたら拒まずに助けるのではないでしょうか。どちらかと言えば助けを求める方がハードルが高いし、いいチームワークのためには「頼る」ことを意識してほしいという考えがありました。
周りに助けを求められない人は(僕を含めて)多いと思います。
その理由の一つは、助けを求める=テイクから始まるからかもしれません。
全世界でベストセラーになった書籍『GIVE & TAKE「与える人」こそ成功する時代』(アダム・グラント著)によると、人は以下の3つのタイプに分けられるそうです。
そして、半分以上の人(全体の56%)はマッチャーに分類されるといいます。
つまり、何かを受け取ったら何かを返すという等価交換が前提にあるため、「向こうにメリットがあるかな」「自分は何も返せないのに」と考えてしまい、相手に頼るのをためらってしまうのではと考えています。
また、どんな人にも、助けを求めやすいものと求めにくいものがあると思います。
仕事はできなくても、友達から多額のお金を借りている人(無利子で借り入れる力はある意味すごい!)
プライドが高くて周りに頼れなくても、Yahoo! 知恵袋などオンラインの知恵を借りている人
どこに心理的ハードルがあるかは、人によって違います。いつでも全方位に助けを求めることはできなくても、自分の中のハードルを少しずつ下げていけば、周りの力を借りて物事がもっと楽に進むようになるでしょう。
まずは困っていることを自分の言葉で伝えよう
周りに助けを求める際には、聞き方・頼り方も大切です。
例えば、テレアポの仕事に困っている新入社員をイメージしてみてください。
NG「テレアポの仕方を教えてください」
OK「1日2~3件アポを獲得したいのですが、意識していることはありますか?」
上のNG例では、最初からテイカーのような聞き方をしています。たとえ本人に悪気はなくても、先輩や上司が積み上げてきた知識や経験を、平気で「丸ごともらおう」としているようにも思えます。
そうではなく、自分の目的や課題に対して、何が知りたいのかを具体的に投げかけてみる。OK例のように聞いてみれば、先輩や上司も力になってくれるはずです。
聞き方に自信が無い人は、いきなり質問をするよりも、自分の課題(今困っていること)を自分の言葉で伝えることから始めてはどうでしょうか。
的外れな質問を考えるより、“等身大の課題”を伝えた方が、周りも手を差し伸べやすいと思います。解決したいことが分からなければ、聞かれた方も的確に答えられませんしね。
そしてできれば、自分の課題に対して一番詳しそうな人に聞くこと。
社内の人でも、社外の人でも、堀江(ホリエモン)さんでも、ひろゆきさんでも、国会議員の人でも、聞いてみたらいいんじゃない?と、個人的には思います。答えてくれたら大感謝、答えてもらえなくても当然、という心持ちで。
僕も昔、Amazonファッションが登場した時に、ZOZOTOWNがなくなるのでは?(失礼ですね 笑)と気になって、当時社長だった前澤さんにX(Twitter)で直接聞いたことがありました。すると、ちゃんと回答してもらえたんです。ありがたかったし、すごく納得できました。
ぜひ自分が想像できる、一番聞くべき相手に聞いてみてください。今は頼れる人を見つけやすく、つながりやすい時代でもありますから。
たとえ多少失礼になっても、怒られる可能性があっても、本当に聞きたいことや助けてほしいことを誰かに相談して吸収する経験は、早いうちにした方がいいと僕は思います。
人に頼ってみたら、すごくストレスフリーに物事が前に進む。この感覚を知り、自分の行動力として発揮できれば、仕事に限らず全てがうまく回っていきそうです。
助けを求めた後は、行動&変化がお礼になる
「Say“HELP!”」した場合、忘れてはいけないのが相手への「お礼」です。といっても、お金を払う、物を渡すという意味ではありません。
「こういう学びがありました」と伝える
提案されたことを実践してみる
自分の変化をアウトプットする
頼られた側は、自分の手助けが「ちゃんとその人の役に立ったのか」を知りたいものです。そのため、受け取ったアドバイスを実践して伝えることがお礼になります。
こうした姿勢のある人は、長期的に周りのサポートを得られるでしょう。逆に、周りの信頼や誠意を“消費”し続ける人は、どんどん縁が薄くなっていくかもしれません。
ちなみに、部下や後輩の「Say“HELP!”」力を高めるには、頼ろうとする姿勢があれば、まずは行動を称賛し評価することが大切です。内容はその後アップデートしていきましょう。
……と、色々書きましたが、そもそも僕自身がすごく周りを頼れているわけではありません(以前のnoteにも書きました)。そして常に100%周りに頼れる人もいないと思います。
だから、目の前のちょっと困ったことから1つ、2つと周りに頼ってみる。そうした小さな「Say“HELP!”」の積み重ねが、少しずつ自分の行動力を高めてくれると考えています。
もし、どうしても頼る人がいない時は、僕に聞いてもらえれば何かしらのサジェスチョンを出せると思います!お困りの場合は、どうぞお声がけください。
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