彼氏が待つバンコクへ

そういえば美形クンに出会う直前まで
私は彼氏にベタベタだった

あのとき彼氏は
何週間も先に他のメンバーと旅をしていて

ちょうどバンコクに戻ってきたときに
日本からの私と数日合流

空港のバスが
宿のある街に着く時

私の姿を
探している彼氏が
バスの中から見えたんだけど

彼はいつも感情をあまり見せない
クールな表情なはずが
私に会いたい感情が強く分かる目をしていて

私はとにかく驚いた
あんなに愛されてるとは気づかなかった

彼は　
私が乗っているバスに気づいたら
いつものクールな表情に変わり

気づかれる前に
こっそり見れてよかった

あの目を見ちゃったから
私がバスから降りたときの
冷めたような第一声

「おう」

ぶっきらぼうな言い方が、すごく温かく感じ

大好きで
心が苦しくなった

手をつないで宿まで歩いていたら
彼の友達グループに出くわして冷やかされて
恥ずかしくなるくらいなウブ期

部屋に入ったら
彼氏に強く求められ
何時間が経過しただろう

言葉は無いけど
たくさんのHの合間も離れず
ずっと
抱きしめてくれた腕はそのままに

ただHがしたいだけでは無いってことが
よくわかる行動

彼の茶色くて透き通る
大好きな瞳に
私はどんどん惹き込まれていった

そんな状態だったのに
その直後に
美形クンに出会って
ふわふわ恋心

再びバンコクで私の帰りを待つ彼氏のもとに戻った時は

日本から会いに行った時のような感動はなくて、
彼氏への後ろめたさと、
もう美形クンが側に居なくて恋しい気持ちと...

さすがに彼氏には
私が美形クンに
特別な感情があったとか
キスを我慢したなんて言えなくて

その気持ちを日記に綴っては
楽しかった3人の日々を思い出して...

私がそんな状態だからか？

彼氏がニュートラルに暗めな人だからか？

その後の2人旅は
バリ島リゾート地に行ったものの
彼氏が瞑想状態に入ることが多くなっちゃって、私はつまらなくなってきてしまった

なんどひとりで
クタビーチの夕日を眺めていたことだろう
彼氏は食事以外に
部屋から出てこない日が多かった

ここに
未来の話を先に書いてしまおう

今思うと

美形クンと
さっさとHしてたら
恋心が消えて気にならなくて
良かったのにと思う

でも早々にHしてたら
プラトニックに過ごした
あの楽しい時間は生まれなかったかもしれない

でも仮に
早々にHをしたとしたら

実は美形クンのアレが史上最長で
私とはカラダの相性が
完全に合わないことが分かって

スッキリ
仲良くなれたかもしれないし

いや美形クンを
傷つけてしまって
先は無かったかもしれない

傷といえば
彼氏がブチギレて
もう許してくれなくなって
縁を切られてしまったかもしれない

今みたいに男慣れしていたら
Hせずとも
アレに触るだけで
サイズを確認できただろうけど...

当時そんな技はなかった

美形クンには
あれからも
律儀に
どこにも触れることなく
何年も友達付き合いを続け

5年くらい経過して
お互い大人になってから
Hをした

あの夜　

美形クンは酔い過ぎてるし
旅先では3人同室とはいえ
何もなかった安心感もあり
わたしの部屋に泊めることに

美形クンは　
ときたまに
お姉な話し方もするし
美容に興味があったから
ゲイかもしれないとも思うくらい

ベッドでゴロゴロしながら
カミングアウト（ゲイ）してもいいんだよと遠回しに表現したところ

「僕はゲイじゃありませんよ」

予想が外れて
突然
襲われた

酔った勢いなんてイヤや
って思ったけど

かなり力が強くて

止めようと思えば止められたんだけど、この人どんな感じなんだろうって私の興味が出てきてしまって...

実行へ

ところが
アレの丈が長すぎて
お腹に突き刺さってくる

とにかく
痛さしかなくて

奥まで入れないで
入り口で出し入れしてくれたら
良かったのに

それも伝えたのに

酔っ払ってるからか
無視されて

奥まで突っ込んでくるから
突き放したら

ふてくされて
「はいはい、ごめんなさい、寝ますから、はいはい」と

心の無い謝りを繰り返しながら
酔っ払いは、寝てしまった

ちなみに美形クンの名前
その漢字は
「果てしなく長く」的な
意味が感じられるもので...
しかも3文字とも…

そんなところに
ヒントがあったとは...

何はともあれ
5年位が経過してから
複雑な気持ちになったのだった