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#15【マレーシア留学】ローカル学生の家にホームステイしたら、マレーシアがより大好きになった話。

マレーシア・・・
そうだな・・・マレーシア・・・
・・・クアンタンがいい。

呪術廻戦120話 by 七海建人

というわけで、呪術廻戦にわかの私は、せっかくマレーシアにいるのだから、七海建人の死の直前、彼が憧憬を抱いた「Kuantan クアンタン」に休み期間を活用してせっせと足を運んだ。

クアンタン出身のローカルの友人が何人かいたため、クアンタンに行く旨を伝えたところ、そのうちひとりが「ぜひうちに泊まりなよ!」と声をかけてくれて、ご厚意に甘えて彼の実家に宿泊することとなった。

Kuantanについて

東海岸に位置するクアンタンは、Pahang州の州都であり、東海岸では最大都市
https://fr.weather-forecast.com/locations/Kuantan/forecasts/latest

首都であるクアラルンプールからはバスで4時間ほどの距離で、最安で往復1500円未満で行ける。

観光地として有名なわけではなく、実際私もナナミンが教えてくれるまで一切知らなかった。訪れる際は、一般的に乾季とされる5月~9月あたりをおすすめする。

DAY1

初日は夕方に到着したわけだが、到着するや否や、友人と友人のお父さまが車でお迎えに来てくださり、おうちにまでご案内していただいた。おうちについてからは今度はお母さまが、ご夕食を準備して歓迎してくださり、初日から、底なしのホスピタリティと特級クラスの愛の力により、不浄な心にまみれている私は、危うく祓われて成仏するところであった。

さらには夕食に運命的な邂逅を果たす。

Murtabak (ムルタバ)と呼ばれる、マレーシアのお好み焼き
お店であまり見ることはないが、家庭料理としては定番

ムルタバ!!!
中東や東南アジアで食べられている料理であり、薄い生地にフィリングを包んで焼き上げられた料理で、中身のフィリングは地域や人によって差があるため、まさしく日本のお好み焼きである。
一般的には、スパイスなどで味付けされた玉ねぎ、ひき肉、卵、ニンニクがフィリングのベースとなるようであるが、私が食べたのは魚のすり身のような食感と風味を感じたため、海に近いクアンタンオリジナルムルタバだと考察した。

そしてこれが、まじでうまい。食感は韓国料理のチヂミにかなり近く、もちもちしており、玉ねぎの漬物たれと一緒に食べるとシャキもち食感が楽しい。ムルタバの生地の小麦の甘味、フィリングを満たすカレー風味のスパイス、玉ねぎ漬物たれの酸味は、「ごはん(甘味)・カレー(スパイス)・福神漬け(酸味)」の最強のうまみ方程式に見事に当てはまり、私の幸福度は最大値に達した。

マレーシアの他の地域でも食べることができるので、機会があればぜひ試して欲しい!


食事も済ませ、ゆったりしようかと思いきや、今度は友人(頭文字をとって以下ではBと呼ぶことにする)の友達2人とインド系の屋台(Mamak ママック)でご飯を食べることに。

「おいおいさっき食べたばかりだろう」と思うかもしれないが、マレーシアでは、ママックが夜遅くまでやっているため、夜に友達と一緒にママックに行く人が多く、これが文化になっている。私もすでに夜ご飯からのママックルート何度か経験しているため、疑うことなく「Let's goooo!!!」と返事をしたわけだが、この習慣がマレーシアの肥満度が東南アジアでダントツ肥満度が高い理由のひとつなんだろうなと感じた。(データによっては2人に1人が肥満というものも。)

「とにかく旅ではよく食べる!」をモットーにしている私はひとまず、肥満の不安はどこかに吹っ飛ばして、Char Kuey Teou(チャークイティオ)を注文。これもマレーシアに来たらぜひ試して欲しい料理のひとつだ。

クアンタンのChar Kuey Teou

基本的に中華系の料理であるChar Kuey Teouはスープがなく、焼きそばのような見た目をしているのだが、クアンタンでは、マレー系のスタイルで、スープに浸した状態で出される。とはいえ中身はいつものChar Kuey Teou。

Char Kuey Teouの最大の特徴は麺であり、米粉から作られた麺はきしめんのような薄く平べったい形をしている。コシが強く、エビからとった魚介スープとの相性抜群である。コショウが効いているものの、見た目ほどスパイシーではなく、マレーシア在住の日本人からの人気も高い料理の一つだ。

ご飯に大満足した後は市内中心部へ。

中心地にそびえるタワー 「Kuantan 188」
なぜかマレーシアのちょっと大きい都市には必ずタワーがある
特段大きな観光資源に恵まれなかったためかもしれない。

週末はメインストリートでナイトマーケットをやっているようで、かなり規模が大きく、服、食べ物、飲み物、雑貨などありとあらゆるものが売っている。

ナイトマーケットの様子

メインストリート周辺は、下北沢のようなおしゃれさとノスタルジーを併せ持つ雰囲気に包まれており、通りの左右の壁は遊び心にあふれたウォールアートで彩られている。

ウォールアートと子供たち
ビビットな色彩感と白い十字架のパターンが印象的な壁画

*Art Streetのナイトマーケットは週末のみなので注意!

マレーシアにはPenang(ペナン)を始めとして、至る地域にウォールアートがあることで有名なのだが、今のところアートの迫力や量、アートの種類の多様さという観点から、ここKuantan Art Streetが間違いなくベストである。中心街はこのストリートを中心とした集中的な都市開発が進められており、街全体的に都会過ぎず、少し離れれば海や森などの自然が広がるのがクアンタンの大きな魅力である。

ナイトマーケットを満喫した後、今日会ったばかりの見ず知らずのBの友達は私にデザートをおごってくれて、「また会おうぜ」といって颯爽と去っていった。

今日マレーシア人の見せたおもてなし精神は日本のそれとはわけが違うなと感じた。その根底には、人の接し方に対する考えに大きな違いがあると考える。一概にすべてを否定するわけではないが、たいていの場合、日本人は初めて会う人に対して疑いから入ることが多いと思う。明らかに疑いの意識が初対面に向けられるわけではなく、無意識下でそうなっていることが多い。例えば、会って間もない友人を家に泊めてあげたりはしないだろう。

だが、マレーシアでは、多民族国家なため、日々異なる文化に触れているせいか、基本的に人々に対して寛容であり、一度仲良くなった人に対してはものすごい。私はその他の東南アジアの国も旅したことがあるのだが、概して「無条件の信頼」の度合いが日本よりも圧倒的に多い。会ってその日に家に泊めてもらったこともあった。日本よりも治安の悪い国なのにも関わらず、互いに信頼を寄せあっている。
きっと愛って無条件の信頼何だろうな。ふとそんなことを思った。

家族や友人との関係性も深い。マレーシアで驚いたことのひとつとして、一人で行動する人がかなり少ないということが挙げられる。みんな何かしらコミュニティに属しており、学内の食堂で一人でご飯を食べてる人をほとんどみた記憶がない。家族に関してもだ。友人Bの場合は、週に1度は必ず電話を取っているらしく、休みになったら必ず大学から帰省し、家族との時間を過ごすという。他のマレーシア人にとってもかなりあたりまえのことで、概して家族関係が良好である。

互いに信頼を寄せあう依存先が多いこと。無条件にあなたの存在が肯定されること。それが精神的な充足につながっているため、マレーシアでは自殺率も低い。ウェブサイトによってばらつきがあるが、日本の約1/3以下といったところだ。

DAY2

朝から友人Bのお母さまが朝ごはんを準備してくださり、幸せに包まれた休日を迎える。そして、朝食にてまたしても運命の出会いが、、、

Kuih Seri Muka 「クエスリムカ」
https://malaysianfood.org/guide-kuihserimuka/より引用

Kuih Seri Muka(クエスリムカ)
食感もちもちでおいしい。マレーシアの伝統的なお米でできたお菓子。日本でいう餅のような立ち位置にあるデザートだ。以前も食したことがあったのだが、お母さまが買ってきたものはベスト スリムカ in Malaysiaだった。

特徴的な緑色の層はパンダンリーフと呼ばれる、東南アジアのデザートでよく用いられる甘い香りと鮮やかな緑色が特徴の葉の絞り汁が混ざっているためだ。南国デザート二大巨頭パであるパンダンしぼり汁とココナッツクミルクから作られたクリーム層はここでしか味わえない優しい甘みを引き出し、もっちり食感のお米と絶妙にマッチする。

Pandan Leaf パンダンリーフ
https://lifestylinglog.com/pandan-leaf/より引用

スリムカを秒で消した後、昨日会った友人Bの友達がなんと結婚前の両親の挨拶に行くということで、それに友人Bも誘われたので、私もちゃっかり同行させていただくことに。

「え?友人の結婚前の両親への挨拶に同行?どゆこと?気まずくないか?」と思う人もいるだろうが、私も同感だったため、質問攻めをしたところ、どうやらマレーシアの少なくともマレー系においては、結婚(Marriage)の前に、Engagement(エンゲージメント)と呼ばれるものがあるらしい。
日本語に無理矢理直すと「結婚前の両親への挨拶」をするのが一般的らしく、なんとその挨拶において、家の内装を豪華絢爛に装飾し、親戚一同と親しい友人を招集し、宴会を開くことが一般的であるそう。Engagementは婚約予定者の両方の実家でやるそうで、どちらか一方を盛大にやるのが慣習なようだ。結婚式になったらさらに大規模で、数百人単位の人がやってくるそう。

宴会でふるまわれたご飯
特別に装飾された実家
マレーシアキッズと遊んだ。無邪気な姿勢は学ぶことが本当に多い。

なお、気になったので、結婚する前の付き合うフェーズについて、日本との文化的差異や、イスラム教において何か特別な制約があるのかについて偏見にまみれた質問をぶつけてみたところ、大きな違いはないらしく、デートして告白して付き合うことが一般的らしい

お祝いの言葉を述べて、今度は念願のクアンタンビーチに行くことに!
まずはクアンタン地域の中でも人気のある「Teluk Cempedak」と呼ばれるビーチへ足を運んだ。

水面が鏡のように反射し、ウユニ塩湖のような写真がとれる

決して水質がきれいなわけではなく、波もおだやかなわけではないが、クアンタンのビーチの最大の魅力は自然をそのまま感じるところにある

まず、人が少ない。伺った日が中国の旧正月の最中だったので、マレーシアでは祝日であるから、もちろん人はそこそこいる。だが、それでも混雑はしておらず、ゆったりビーチでくつろぐことができた。

そして、風がここちいい。通常の砂浜よりも海風がすこし強く、あたたかい。その日の天候にもよると思うが、私が訪れたときは、ほんのりあたたかい人の手の温もりのような風が、優しく体の輪郭をなぞった。その場に腰掛けて、じっと風に集中する。目でも耳でも感じられない優しさに触れ、ふと感覚機能が視覚と聴覚に依存しきっていることに気づく人間の感覚機能はもっと複雑で、もっと多様だ。ありとあらゆる感受性を高めるために、感覚を平等に扱うことを、ときおり、意識を自分のうちに集中することによって挑戦してみようかと思った。

また、干潟が形成されており、多様な浜辺の生態系を覗くことができる。砂浜の植物やカニ、ヤドカリ、小さな魚など、人が少ないからこそ見せる自然が息づいて、それらを観察しているのも楽しい。


先ほどのEngagementを行った友人も合流し、今度は彼らが子供時代から遊んでいた、Google Mapにすら載っていない名もなき砂浜へ。

名もなき砂浜で。海の音、海の匂い、自然の偉大さを知る。
赤い丸をつけたこのあたり。

マレーシア国内でも何度か名もなき砂浜に足を踏み入れることがある。Mapに乗っているビーチは人がたくさんあつまるが、Mapにないようなところに行くと、ゆったり砂浜を眺めることができる。人の家の敷地に入らないようにだけは注意してほしい。

友人たちと海を眺めているとき、彼らは僕にLepak(れぱっ)というマレー語を教えてくれた。Lepakの意味は「特に目的も手段もなくただ友達とのんびり時間を過ごすこと」が一番適切な訳かもしれない。「Hang out」ほどしっかり遊ぶ意味合いはないし、かといって「だべる」のように話すことを中心に捉えているわけではない。ただ、友人とのんびり時間を過ごすことを表す翻訳できない世界の言葉だ。のんびりな気質のマレーシア人にぴったりの、私の大好きな言葉である。

↓おすすめの絵本


「僕らはここでよくLepakしてた。思い出の場所だよ。」
幼少期からの思い出の場所らしい。幼い頃から、この僕ら以外、付近にはだれもいない秘密基地のような場所で、友人と過ごしてきた思い出がある彼らは、今日も砂浜に腰掛け、のんびりと波の往来を眺めている。
この時間を私も共有できたこと。何にも代えがたい有難さであった。

友人とわかれ、家に戻ると、お母さまがご飯を支度して待っていてくれた。しかもお母さまの得意料理「Hainanese Chicken Rice(ハイナンチキンライス)」で、私の大好物だったこともあって、歓喜の極みに達した。何とかこの感情をお母さまに伝えたくて、「Thank you」と「Terima Kasih(マレー語でありがとう)」をジャパニーズお辞儀カルチャーとあわせて連発し、逆に当惑させてしまった笑

Hainanese Chicken Rice

ハイナンチキンライスはマレーシアとシンガポールでよく食べられる中華系の料理であり、鶏肉のだしで炊いたご飯を、蒸したチキンもしくは焼いたチキンと一緒に食べる料理である。言わずもがなうまい。めちゃくちゃうまい。観光客は、チキンライスを専門的に扱うマレーシアのファミレス「The Chicken Rice Shop」で気軽に食べることができるので、ぜひ試して欲しい。

食事のときに一緒に出された、Air Bandung(アイ バンドン)という飲み物がこれまた衝撃的だったので紹介する。

Air Bandung
写真:https://www.womensweekly.com.sg/recipe/food/asian-recipes/air-bandung-soda/

Air bandungも東南アジアではよく飲まれる飲み物で、ローズシロップ+エバミルクでできている。エバミルクとは、水分を蒸発して、濃縮した牛乳のことで、通常より濃厚でコクがあるミルクである。エバミルクはコンデンスミルクと製法はほぼ同じだが、コンデンスミルクはエバミルクに砂糖が加えられているため、相当甘い。

Air Bandangの味自体はほとんど牛乳なのだが、飲んでいるとバラの上品な香りが鼻に抜ける不思議な体験ができるので、マレーシアに来た時にはぜひ飲んでみて欲しい。見た目もかわいいので、インスタ映えまちがいなし!

DAY3

今日は友達Bのご家族と一緒に市内を観光した。その中でも、とりわけおすすめできるマレーシア東海岸最大級のモスク「Masjid Negeri Pahang (Sultan Ahmad 1) Kuantan(マスジット ネガリ パハン)」を紹介する。

写真はhttps://ms.wikipedia.org/wiki/Masjid_Sultan_Ahmad_Iより引用
礼拝堂の様子

クアンタンのモスクは、コバルトブルーのステンドグラスとエメラルドグリーンを基調とした天井が鮮やかな色彩感を生み出しているところにあり、美しい砂浜と広大な空から色のデザインの影響を受けているのではと考察した。

どのモスクにも共通していることだが、壁面には幾何学的パターンの連続したデザインが見られ、左右対称の計算美が息をのむほど美しかった。礼拝堂内部は当然静まり返っており、お祈りをする方がちらほらいるため、神聖な雰囲気を強く感じ取ることができる。
左右のステンドグラスしたの壁面に刻まれているアラビア語はアッラーの別名のようで、友人Bの話によれば、アッラーは「強さ」や「やさしさ」などの99の別名を持つそうである。

1日5回のお祈りをこなす際には、自身の内面に向き合い、湧き出る欲望をコントロールする側面があるそうで、仏教との類似性も感じた。

礼拝堂に入るときの注意点は以下にまとめてあるので、行く前にチェックしよう!

モスクを満喫した後、夕ご飯を食べに、地元の人気海鮮レストラン「Restoran Ana Ikan Bakar Petai」に連れてっていただいた。

写真はGoogle Mapより引用
新鮮な魚介類をそのままピックアップし、調理法を伝えて作ってもらうスタイル
ご家族と一緒に撮った写真。プライバシー保護のためご家族のお顔は伏せています。

好きな魚介類をピックアップして、店員さんに調理方法を伝えて作ってもらう方式。ご家族は誕生日など特別な日にここによく来るそうで、そんな場所にご案内していただいたことに涙が出そうになりつつ、自分が今できる最大限の恩返しはもてなしを心から楽しむことだろうと思ったため、胃がはちきれそうになるまでたらふく食べた。

何の魚をたべているかはよくわからなかったが、ふっくら脂ののった焼き魚は口に含むとじわっと脂がとけだすものの、柑橘系のさわやかな酸味とレモングラスの香りが全体をさっぱりとまとめあげ、非常に食べやすく、箸が止まらなかった。

かねてから飲みたいと思っていた、マレーシア人大好きココナッツシェイクも飲むことができ、この先とんでもない不運と不幸に襲われるのではと心配になるほど幸せだった。(杞憂となることを願う)

ココナッツシェイク

ココナッツジュース、ココナッツの実とバニラアイス、氷をミキサーにかけたココナッツ尽くしのスイーツ系ドリンク。ココナッツ好きにはたまらない。

LAST DAY

最終日の朝、本当にありがたいことに、お母さまがKuantanのローカル料理である「Mee Calong(ミーチャロン)」をふるまってくださった。

Mee Calong

海鮮だしとしょうゆがベースのスープに中太麺がよく絡む。まさしくラーメンのような味わいで、具として入っている海鮮のつみれがめちゃくちゃうまい。暖かいスープが全身にしみわたり、徐々に目が覚めていく感覚が心地よかった。フライドオニオンとフライドガーリックも食欲をそそり、朝ラーメンという罪悪感を忘れて、無我夢中にかっこんだ。これはクアラルンプールに戻っても食べたかったが、Mee Calongを扱うお店がほとんどないらしい。Kuantanに足を運んだ際、ぜひとも食べていただきたい一品だ。

友人おすすめのMee Calong屋台↓ 

朝食を済ませ、バスターミナルまで、お見送りしていただいたことは感謝しかない。たくさんのおもてなしを受け、ふと考えたことだが、お金では返せないほどのたくさんの恩義を受けたときにとても申し訳なく思った。
この旅行中、かたじけなさと自分の不甲斐なさ、いたたまれなさに何度切腹しようと考えたことか、、、

だが、この感覚を友人Bに表現したところ、彼はその気持ちを全く理解していなかった。日本人は謝りすぎだという話は有名だが、こういう時に感じる申し訳なさも日本人特有なのだろうか。

ただ受け取るだけで、何も生み出していないような非生産的な状態のとき、我々の生きる現代社会では価値のないというレッテルが無意識のうちに張られてしまうような気がする。当然、ご家族の方は「おもてなしを受けるだけ受けるやつなんて価値のない人間だな」とラベルをしているはずがない。上記でした無条件の信頼の話に戻るが、マレーシアではその人が存在するそのこと自体に価値を感じている傾向が日本よりはあると思う。無条件の信頼は無条件の存在の肯定であり、愛である。それを感じ取れず、申し訳なさを感じてしまったのは、私たちに愛が不足してるからなのか?それとも愛をあまりふりまかない文化を持つ人間が集合した社会の結果なのか?真実はよくわからないが、人に愛を振りまき優しくできる人間になろうと思った。

また、料理をごちそうしていただいた時に、本来払うべきはずだった額を、マレーシアの平均給与も考えて、日本円に換算して計算し、「こんなに出してくれてたのか、、、」と、定量的に計算した恩の大きさに感動と感謝を覚えていたのだが、同時に、恩の大きさをわかりやすい価値の判断基準であるお金に換算している自分に気づき、嫌気がさした。資本主義のせいとは言わぬが、お金が思想に自然と介入する状態に少し恐怖を覚えた。
定量化して、同量かそれ以上返さなきゃなと思った私は本当に大馬鹿ものである。恩は金じゃない。返すのは金ではなく思いだ。最高のもてなしを頭の中で考えよう。日本に来た時に、不定量に自分が感じた思いを表現して、感動させてあげよう。それが自分のできることだ。


本当に学ぶことが多かったホームステイであった。ホームステイでなくても、Kuantanは本当に素敵な場所なので、ナナミンが見たかった風景、過ごしたかった日々を追体験したい人はぜひぜひKuantanへ!!

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