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第4回「ユーミンとクレイジーキャッツ」

2005年11月10日「渡辺プロダクション創立50周年記念パーティ」が東京プリンスホテルパークタワーで開催されました。冒頭、クレイジーキャッツとユーミンの共演ソング「STILL CRAZY for YOU」のレコーディング風景がスクリーンに映し出され、ステージに登場した植木等さんが「50年たった。うれしいですね。僕らがあんまり喜んでも・・いっか!?」と言って乾杯の音頭をとりました。
渡辺プロ創立50周年テーマソングを渡辺美佐会長がユーミンに依頼したところ松任谷正隆さんがクレイジーキャッツとの共演を提案し、松任谷由実作詞作曲、松任谷正隆プロデュースで誕生、2006年4月に発売されたのが「STILL CRAZY for YOU」です。谷啓さんとユーミンによるデュエット曲で植木さんが間奏のセリフ、犬塚弘さん(ベース)、桜井センリさん(ピアノ)が演奏に参加していますが、クレイジーファンにとって嬉しかったのは、既に鬼籍に入っていたハナ肇さん(ドラム)、安田伸さん(サックス)、石橋エータローさん(ピアノ)、渡辺プロ創業者の渡辺晋さん(ベース)の演奏を最新の技術により過去の音源からサンプリング使用、全員参加のかたちになっていることです。
クレイジーキャッツの楽曲としては、1986年の「実年行進曲」依頼20年ぶり、これが最後の曲(オリコン週間ランキング14位)となりましたが、植木さんの間奏のセリフ「いやぁ、待たせてゴメン」は、長い間待ち望んでいた我々ファンへのメッセージとも受け取れます。

ユーミンは、2017年8月26日にNHK総合テレビで放映された「植木等の時代の魅力に迫る!」の中のインタビューで、植木さん、クレイジーキャッツの魅力について次のように語っています。
「ハイそれまでョ」は、ムーディーに始まって途中でいきなり、ああなるじゃないですか。子供の頃にめちゃ笑った覚えがあります。かっこよかったんですよね。ジャジーで。ジャズミュージシャンとしてのスキルがすごい高い方たちで、ミュージシャン用語でグルーヴとかテンポとか、それがスカッと決まると笑いのツボに入ってくるんじゃないでしょうか。
そこが0.0何秒ずれても違うんですよね。おかしくない。だからああいう笑いができたのかなと思います。植木さんと初めてお会いした時に、恋しているような、時間を超えてときめくような感じがしました。日本が一番上を向いていた時に万人を巻き込んだ笑いを提供したその姿というのは、残されている映像やYouTubeなどで映像を見られるかもしれませんけれども、それは永遠だと思います。



創立50周年記念パーティには私も参加。加山雄三さん、ザ・ドリフターズ、中尾ミエさん、伊東ゆかりさん、梓みちよさん、小松政夫さんなど渡辺プロ出身やゆかりの芸能人の方々が歌やトークで祝福。渡辺プロがかって制作したテレビ番組「ザ・ヒットパレード」形式のステージにみんなが上がり、最後はミッキー・カーチスさんや内田裕也さんらがロックメドレーを披露、芸能・政財界関係者ら2500人が参加する超豪華な内容でした。

2005年12月23日から2006年1月15日まで、渡辺プロ創立50周年企画「数えきれない夢〜日本のエンターテイメントの50年」が東京駅前の丸ビルで開催され、私も展示を観覧し、クレイジーキャッツ関連グッズを購入しました。

このnoteの表紙のイラストは、「STILL CRAZY for YOU」のジャケットデザインをもとに草薙祐里さんが作成してくれました。

#松任谷正隆

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