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思い出ゲーム「ENTER THE MATRIX」編

マトリックスの新作が出ると聞いてpythonでこんなの(↓)を作っているときにふと思い出しました。マトリックスのゲームがあったな、と。

個人的には結構遊んだ思い出のゲームなのですが、あまり知られていない気もするこのゲーム。つらつらと当時を思い出しながら書いていきたいと思います。

「マトリックス」と僕と金ロー

マトリックスといえばキアヌ・リーヴス主演のSF映画。仮想現実を舞台に派手なカンフーアクションと、特殊効果を使った超人的な動きが魅力です。
僕が初めてマトリックスを見たのは小学生の時の金曜ロードショー。2作目のリローデッドが公開間近ということでやっていたんだと思います。小学生男子にはぶっ刺さりの黒ずくめグラサン集団がいけてるアクションを行うこの映画。しっかりはまってしまいました。特にエージェントがかっこよくて好きだったのを覚えています。なんだろう、子供心にきっとスーツでクールに戦うのがよかったんじゃないですかね、たぶん。

マトリックスのゲームという先入観

そんなこんなでマトリックスに魅了されていた僕にどんぴしゃりで朗報です。
PS2でマトリックスのゲームが出るんだって!
クリスマスプレゼントとしてこの「ENTER THE MATRIX」を買ってもらったのを覚えています。マトリックスのゲームということは「当然」プレイヤーはネオを操作して、エージェントとかと戦う…。疑うことなくそうと思い込み特に調べもせず購入。
まあこの文章の流れからするとそりゃそうなのですが、このゲームの主人公はネオではございません。モーフィアス?トリニティ?違います。ナイオビゴーストです。リローデッドもその次のレボリューションも見てマトリックスの世界についてある程度は理解が進んだ今からすると、これはこれで渋くて良い人選であることは分かります。その理由は後ほど書くとして、小学生の僕はへこみました。「なんか思ってたのと違う」と。

映画と合わせて楽しさ2倍

よくわからない主人公ナイオビとゴースト。こいつらはいったい何なのか、ゲームオリジナルキャラクター?
ここら辺を語るには、マトリックスのストーリーにも少し言及せねばなりません。マトリックスはものすごい雑に言ってしまうと機械と人間の戦争のお話です。マトリックスという仮想現実に入ったり、出たり、はたまた現実世界で戦ったりといろいろありますが、まあとりあえず「機械と人間の戦争」だと。それで基本的には機械側優勢です。人間の方は反乱軍みたいなのを結成して抵抗してます。その反乱軍の中にも「船」という形での行動単位があって「○○号」、「△△号」みたいに1つのチームとなっています。映画の主人公ネオ、そして仲間のトリニティとかモーフィアスは「ネブカデネザル号」の乗組員、そしてゲームの主人公ナイオビ・ゴーストは「ロゴス号」の乗組員です。基本的にこの船単位で行動してるので、この時点で映画組とはお別れ。
映画を原作にしたゲームだと基本的には「映画の追体験をする(映画のキャラクターを動かせる)」というのを売りにしているかと思いますが、このゲームは「映画とは無関係ではないけど、別の物語を体験する」という形で進みます。サブストーリー的というか「映画のあの場面の同時刻、こんなことが裏で起きてました」的な感じですね。今作はリローデッドと同時に売り出されたので、時系列的にはリローデッドの裏での話となります。ここは映画をきちんと見た後だと面白いのですが、単に「マトリックスしたかった」、「ネオを動かしたかった」小学生男児にはちょっとハードルが高かったというところでしょうか。

ゲーム自体はめちゃくちゃ良い

そんなこんなで出鼻をくじかれた僕ですが、このゲーム、出来はかなり良いと思います。
基本的にはサードパーソンというんでしょうか、操作キャラクターの背後をカメラが追従する形で進み、格闘と銃撃で敵を倒していきます。
そしてこのゲームをしっかりマトリックスにしているのが「フォーカス」というシステム。映画本編にもありますが、スローモーションになって超人的な動きをする場面、これをゲームシステムとして落とし込んだものになります。具体的に言うと「フォーカスゲージ」というものがあり、これがある限りは世界がスローモーションになるというものです。確かR1かL1で発動だったと思います。フォーカスしている間はありえない格闘(壁を蹴ってのキック、相手を打ち上げて飛び蹴りで追撃、足払いした相手がこける前にパンチで追撃、等々)ができたり、敵の銃弾を宙返りでよけたりすさまじい距離をジャンプしたりとやりたい放題できます。ただしゲージは有限なので使いどころは考えなければいけません。このフォーカスを適度に組み込むと、まさしく映画さながらの動きができます。普通の格闘コンボから最後にフォーカスをかけて大技で締めるとかすると良い感じ。ゲージは時間経過か敵を格闘で倒すと回復したはずです。

「映画のゲーム化」ではなくて「映画と肩をならべるゲーム」を

このゲーム、製作には映画と同じくウォシャウスキー兄弟が携わっています。リローデッドのDVDに特典でついていたメイキング映像が好きで、何度も見ていた記憶があるのですが、単なる映画のゲーム化ではなく、マトリックスの世界を構成する物語として映画と同等のものを作りたいという情熱が印象的でした。
映画と同じキャストのフェイスキャプチャーや、実写カットシーンの新規撮影、カーアクションやシューティング要素の取り込みなど、かなり力が入っています。マップや目標がわかりにくかったり、ユーザーインターフェースがちょっと不親切だったり、なんか同じことの繰り返しじゃね?っていうステージがあったりと欠点もあるにはありますが、個人的には隠れた名作ではないかと思っています。
おまけでついているハッキングモードも世界観にあっていて◎です。マトリックスはコンピュータープログラムの世界なので、ハッキングすることでいじくりまわすことができます。武器を開放したり、隠しステージを出したり、まあ公式に用意されているチートコード的なものでしょうか。DOSコマンドみたいなやつを打ち込んでハッキングしていくんですが、小学生の時には全く分からず、攻略を見てただぽちぽちしていただけでした。今やったら印象がまた違うかも。
※調べてみたら「DIR」とか使うのでやっぱりDOSコマンドがベースみたいですね。きちんと階層をたどるとムービーやコンセプトアートが見れたり、なんか結構面白そうじゃない?

おわりに

マトリックスの新作のニュースにつられて昔の思い出をつらつらと書いてしまいました。書きながら思ったのですがやっぱり「マトリックス」っていうコンテンツ自体子供には難しかったのかもしれないですね。プログラミングやら仕事関係でIT系の勉強をした後だと「よくできてるなあ、よく考えたなあ」って感じですけど、当時は設定よりはもっぱらアクションとかに目が行っていたように思います。マトリックスの世界そのもの、「マトリックス」というプログラム自体については詳しく解説・考察されている方がいっぱいいらっしゃいますので、調べてみると結構面白いかと思います。

今回はここまで。
読んでいただきありがとうございました。

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