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ブログ企画【繋】第100回「最終回」

毎月1日に全国各地のメンバーがひとつのテーマで文章を書くブログ企画【繋】。
本企画は今回で最終回を迎えました。
最後は本企画主催の内田さんより、最後を締めくくってほしいと「最終回」というテーマをいただきました。
毎月欠かさず更新することができなかった反省の意も込めて、ここは腕をまくってしっかりと書き終えて締めくくりたいと思います。

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最近、物事の終わり方や引き際というものを意識的に考えるようになった。

大学院で臨床心理学を学んでいる中で、カウンセリングは「終結の仕方」というものも考慮する大事な点であるということを知った。ドロップアウト(途中で来談が途絶えてしまうこと)がない限り、当初の来談目的やクライエントさんの困りごと、カウンセリングを通して解決していこうと決めた目標の達成度、今後クライエントさんがどのように生きていくかといった点を踏まえながら、慎重に終結の判断を下し、クライエントさんにも伝えながらそのタイミングをうかがっていく。

丁寧に準備や心づもりをしたうえで終わりを迎えるカウンセリングに対し、私は「終わり」をうまく受け入れることが苦手だと思う。

私は長年シャンプで「こち亀」を読んでいた。40年間にわたる長寿作品だったが、惜しまれながらも2016年9月17日に発売されたジャンプ42号で最終回を迎えた。リアルタイムで追って毎週欠かさず読んでいたが、好きだった作品が終わってしまう未練からか、最終回は今なお未読のままだったりする。いやいや、最終回までしっかり読んでこそのファンやろ、作者の秋元さんもそれを望んでるでしょって声も重々承知の上だが、だって最終回読んだら自分の中でも本当に終わっちゃうじゃん。私が読もうが読むまいが、もちろん作品に幕が閉じられた事実に変わりはないのだけれど、こうして「終わり」を受け入れる土壌を整える前に、日々のいろんなものに押し流されていってしまうことは結構あるように思う。

似たようなものとして、卒業式がある。私は中学2年生の頃から毎日日記を書いていたが、中学、高校、大学の卒業式の日のページだけは真っ白だ。もちろん卒業式には出席したし、みんなと卒アルにメッセージを書きあったり写真を撮ったり、打ち上げに参加したりといったことは普通にやってきた。けれども、その夜ひとり日記帳を開き、改めてその日を記しながら学生生活を振り返るということはしてこなかった。日記を書き続けていると、白紙のページにもその当時の自分を表すなんらかの意味があると思っているので、そのページだけ白紙のまま残してはあるけれど、ページは埋まることなくその後のページからは春休みの様子が綴られている。

卒業という「終わり」の後にすぐに次のステップが用意されていたからか、進学先での日々の方に意識が移ってしまい、卒業はひとつの通過点くらいの認識だったからだろうか。教育課程においては、ある程度流れに身を任せていても、向こうから卒業や入学といった節目がやってきたから、自ら率先して節目を意識づける必要がそれほどなかったのかもしれない。

けれど、大学院を卒業し社会人になるということは、自らの意思で「終わり」をつくっていくことになるのだと思う。どこかの会社へ入社するのも退社するのも、転職も休職も誰かに与えられるものではないだろう(いや、そもそも義務教育を終えた時点で厳密にはその自由意志が発生しているだろうけども)。
明確な「卒業」が設けられていない社会人生活の中で、私はどんなふうに組織の中での「終わり」、そして「始まり」を意識し選択していくのだろう。

「最終回」というテーマにもかかわらず、まとまりを得られぬ文章をだらだらと綴っていることからも、「終わり」へ対する苦手さがうかがえるだろう。

けれど、本企画にお誘いいただき、同じテーマに対する書き手のアプローチやカラーの違いを実感したり、自分にはなかった視点を得られたことは今後の人生を豊かにする糧となるような気がしている。特に、自分にない視点を得られたとき、それを面白がれることはおそらく自身の強みな気がしているので、それに改めて気づかせていただいたとことも貴重な機会となった。
「終わり」への向き合い方はいまだ自分の中で確立できていないけれど、これからもいろいろな視点を取り入れながら、これから訪れる「終わり」や「始まり」と向き合っていきたい。そして、その向き合い方が誰かにとっての新たな視点となって何かをもたらせたらいいなあ。

2017年8月からの3年5ヶ月間、【繋】メンバーの皆様、読んでくださった方々に感謝申し上げます。
今後も引き続きマイペースに更新を続けてまいりますので、また覗きにきていただけたら嬉しいです。ご愛読いただきありがとうございました。

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ブログ企画【繋】メンバー

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