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ライクア恋愛映画

恋愛映画のように、
恋ははじまるものだと
ぼくは思っている。


友達に無理矢理連れションさせられて、遅れ気味に次の教室に向かっていると、
声をかけられた。17号館のエスカレーター。
「そうぶん生だよね?ずっと話してみたいって、思っていたんだよ」
かわいいねそれ、ってヘアバンドをひっぱられた。11月の終わり。年が明けてすぐ付き合った。
そんなひともいたね。いい思い出であるが、ぼくは彼女にだけは負けたくないのだ。

「谷川俊太郎の本貸してください」
2日前に友達が飲み会に連れてきた女の子からそんなメッセージが来た。
Twitterには、明らかにぼくにインスパイアをうけた文章を投稿している。
これも11月なかば。ぼくは11月に強いのかも。
それから1ヶ月もたたないうちに、
好きですと言って、
深夜の浜辺で、キスをした。

最後はうまくいかなかったが、
最高であり、伝説であり、
ロマンチックなぼくの恋愛史のなかでも
ひときわロマンチックなラブだったように思う。
ゼミの打ち上げで料理を作っていたぼくら。後輩が、女の子を連れて来た。こいつも文章書くから、話してみてくださいよ。
そう言って。
背の高くアラビアンな顔立ちの美しい女の子。
ぼくの友達や付き合ったひとはみんな顔がかわいかったが、
美しいひととは接したこともないから、
ぼくは「おれがせーたかけりゃ好きになってただろーナ」
と思った。
ただそんな美しい女の子とぼくはほとんど脳ミソの構造が似ていて、
ぼくはデレデレだった。
後輩が言った。
「頑張ってくださいよ」
デートについては何度も話しているので割愛するけれど
やっぱり11月の話。


いまこの環境じゃ、
恋愛映画みたいなことは起きない。
同じコミニティーのひとと付き合うのは、
なんだか動物っぽくて、
ぼくがやるのはキモチワルイ。

東京大神宮のお守りを信じて、
デートに誘うしかないんだな。


#エッセイ #日記 #恋愛映画 #恋愛 #悩み #ポエム


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