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ちょっと似てると 思わない?

クリスマスには、ケンタッキーを食べたい。
年上の女性は賢く、やさしい。
喫茶店ではクリームソーダ。
デートには新しいシャツを着ていく。

ぼくの頭の中には、いろいろな勝手なイメージがある。そのなかのひとつ、デザインの学校に通う女の子、そのイメージにぴったり当てはまる女の子が現れた。
現れたといっても、お話をするわけではない。高校生のころ、他クラスの、イケメンサッカー部と付き合っているダンス部の女の子をかわいいなとちら見するくらいの、一方的な関係だ。
ぼくはいつも、その女の子が、なんでそういう作品をつくるのか、なんでそういう言葉を書けるのか。そして、なんでこんなところにいるのか不思議だった。新横浜の風は、君の切りっぱなしのボブをどうなびかせているのか。
見かけるたびに気になった。

気になっていたら、なんとまさか。彼女が「若者の力になりたい」という願いを最高の形で叶えてくれた。

卒業制作でサウンドスケープに関する作品を作っていた彼女。サウンドスケープといえば、大学時代にお世話になった先生が第一人者だよね。
笑ってしまうくらいよくできた話だ。

アイドルの先輩が友達をたくさん紹介してくれて以来、そういうことをぼくもしたいなとずっとずっと思っている。
アイドルの先輩が卒業のお祝いに花束をくれたから、ぼくも後輩の卒業を祝いたかった。
それはきっと叶わないと思っていたどころか、もうそんなことを考える時間も減ってしまっていたね。
ほんとは、愛の物語についてずっと考えていたいのに、現実はそうもいかない。

今回のお話は、現実を生きてつながった「愛の物語」、なんだよ。よく思い出してみると。
いまはなくなってしまった渋谷の公園でオシレー・タカハシと出会う。On Airに参加できる。サウンドスケープ先生に感想を言う。ラボに誘われる。相棒のおかげで先生とよく飲みに行った。
オシレーとの奇跡的な出会いや、アイドルの先輩との再会なんて、もう何度もした話だ。だけど、つづきがあるなんて、夢にも思わなかったでしょ?
こういうことがあるとぼくはやっぱりNowhere Manを聴きたくなるんだ。
Leave It All,Somebody Else Lends You A Hand.
ひとりでできることはあんまりないけど、誰かが手を貸してくれたら、なんでもできそうな気がするね。

神様が「まだ愛の物語は終わっていないんじゃないの?」と教えてくれたようなできごとだった。
ありがとう。君のおかげで、なんの未練もなく、新横浜を出ることができます。
もう会うことはないんだろうなと思う。それでいい。だって愛の物語とか自己実現と自己満足だから。それでいいのになんかさみしいぼくもいる。もしまた会えたら、「でも君はいつも マヌケヅラをしたマッチョマンとキスしてる」とか、「いま何時か知ることより 時計の中をあけてみてみたいから」とか、フリッパーズギターを聴いてどう思ったか、話してみたい。

この春グラフィックデザイナーになるという夢を叶えたすてきな女の子によせて
同じ時間を過ごしてくれる親愛なる仲間たちによせて

Your Friend ダイスケオカモト

#エッセイ #日記



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