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通関士資格をメーカーでどう生かせているか?

通関士試験に合格したのが2020年。2年前の今頃、重い腰を上げて(笑)勉強に本腰を入れ始めた時期でとても懐かしく思います。
2020年11月末に合格発表があって1年半弱、これまで資格をどう生かせてきたのかの実際を書いてみたいと思います。

まず、私の勤め先はメーカー(社員数的には大企業)であり、輸出入の通関業務は取引先の通関業者へお願いをしています。また、会社全体として輸出入の件数は多くなく、基本的に日々の業務は(私)一人で回せる環境です。
通関業者や一部のメーカーですと評価の対象となり資格手当が出るようですが、通関士資格に対するそのような制度はウチの会社にはないため、直接的にいくら給与がアップした、ということは残念ながらありません。

  1. 判断力がついた

  2. EPAの知識によるコスト削減の実現

  1. 判断力がついた
    通関業者と日々やりとりをする上で全体として判断力が付いた、と感じます。通関業者(税関)のこの質問にはこういう事情があり、どのような情報・資料が求められているのか、ということを以前より理解することができているように感じます。その上で必要な情報を判断提供することで申告許可の一連の流れをスムーズに行え、納期遅延を未然に防げるようになっています。
    (以前は、分からないことがあると、ネットの知〇袋とかも見ながら情報をつなぎ合わせてこれでいいのかな。。と少々疑いながら回答していたものです 恥)逆に通関士が聞きたい内容に焦点を当てられるので、提供すべき情報の取捨選択もできているように感じます。

    2.EPAの知識によるコスト削減
    通関士試験には経済連携協定に関わる問題も出てきます。
    私が受けた2020年にも、第3科目目の実務で資料を見ながら原産性を満たすものはどれか、といった問題が出たように記憶しています。
    輸出入業務を担当している私の肌感覚にはなりますが、2020年後半より輸出先(ベトナム等)や社内より、「EPAの原産地証明書を取得してほしい」という問い合わせが増えてきております。背景としては、原油高等による物流コスト高の影響で少しでも関税を安くし、最終顧客にお得に売りたいということがあると想像します。
    また、逆に輸入者の立場ですと、輸入品目にかかる関税をEPAを活用して削減することができれば、輸入コストを安く抑え、低原価に繋げることができます。輸入時、税関へ必要書類を提出することで、削減撤廃することができますが、注意点としては、通関業者へ輸入申告を任せているからといって、通関業者が我々の輸入品へEPA適用可否をすべて把握しているとは限らないということです。
    輸入者である我々メーカー(または商社)がEPAの知識を持ち、積極的に活用をしたいという姿勢が必要です。
    前置きがとても長くなりましたが、通関士試験をきっかけにEPA制度に敏感になり、取引先や社内の要求に応えながら、制度を活用することができるようになっています。2021年に日英EPA、2022年にはRCEP協定が発効され貿易の活性化がされていること、また昨今の物流高を背景に、益々そのワードに触れる機会が増えてくるように感じます。

    余談ですが、「EPAビジネス実務検定C級」用のテキストはEPAの制度・活用が分かりやすくまとめられており、知識の整理にとても役に立ちました。

    以上となりますが、今後、定期的に「こういうことが役に立った」ということがあれば追加執筆する予定です。


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