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3月8日 寒の戻り

 今日は寒い一日だった。朝、散歩に出かけると甘雨と言えるような、柔らかくけぶる雨が降っていた。いつもは走ったり犬の散歩をしている人が多い道も今日は人が少なく静かだった。空気が澄んでいる気がした。聞こえるのは自分の足音と小さな川がちょろちょろ流れる音。いい時間だった。

 『雨の名前』という本がある。いつだったか古書店で見かけて買ったもので、150ページあまりに様々な季節の雨の名前や意味が記されている。風流なものだけでなく、おかしな名前もあり、面白い。こんなにも雨に名前をつけるなんて、昔の人は粋だね。何かに名前を与えるということは、大切なことなのかも知れない。

 寒い日ということもあり、少し長めに湯船に浸かって、あれこれ考えを巡らせていた。じっと水面を見つめていると、小さなさざなみが立っていた。一定のリズムで刻まれる鼓動が起こしている、ささやかな波だ。しばらく無心でその波を見ていると、なんとも心が落ち着いた。

 雨と言えばこのアルバム。ジャン&ディーンの『Save for a Rainy Day』(1966)。雨のコンセプト・アルバム。なんて素敵なのだろう。ビーチ・ボーイズとも影響を与えあった偉大なグループだけど、あまり知られていない気がする。雨の音が録音されているけど、この時代サンプリングとか苦労しただろうなぁ。


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