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:妄想歳時記:アッチャコッチャの天王寺詣り

暑さ寒さも彼岸まで。
上方落語「天王寺詣り」では
お彼岸に、黒犬の供養のついでに親の供養もする
アッチャコッチャの男が出てくる。
善男善女で溢れかえるこの時期。
調子よくしゃべる落語を観光案内にして、
今も残る風景を手がかりに、
四天王寺さんでタイムスリップ。

昼と夜の長さが同じになる春分、秋分は、
真西に当たる西門石島居の真ん中に太陽は沈む。
はるか昔、人々はきれいな夕陽に手を合わせ、
西門の彼方に浄上をイメージしていた。
そして浄上側の東門を、その西門とみなした。

そこは祖先が往った過去なのか、これから往く未来なのか。
それとも今と地続きなのか、
分からないから立ち止まっては、
アッチャコッチャの思いで満たされる。
どっちみち、いい時候になったから、
しばらく此岸で、アッチコッチをウロウロ迷う。

月刊誌「大阪人」/2009年3月号 掲載
おおさか絵暦
イラストレーション&文⚫︎中田弘司

発行:大阪都市工学情報センター

暑さ寒さも彼岸までというが、今年ははまだ寒い。ただ日の出、日の入りはゆったりしてきた。もう少しで暖かくなり、すぐに暑いという季節が来る。暑いの寒いのと文句を言いながらでも、ウロウロできることを楽しもうと思う。

天王寺詣りは、単純なストーリーはであるが、彼岸の四天王寺境内のにぎわいをスケッチした落語で、旅行気分が味わえる。

自身の不注意から愛犬を死なせてしまった喜六、知り合いの甚兵衛に「今日は彼岸やさかいに」と言われ、犬の供養のため二人で四天王寺に行く。境内は露店が店を並べ賑わっている。

Wikipediaより





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