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科学者としてのダヴィンチ

前回、レオナルド・ダ・ヴィンチが、ニュートンの重力加速度(引力定数)や、アインシュタインの等価原理に相当する発見を(15世紀に!)していたかもしれない、という話をしました。

芸術に本格的に科学的なアプローチを導入した方、というほうが無難ですが(初めてというわけではないです)、なかには「いやいやもうそれ科学者でしょ?」という研究も行っています。

そんな科学者としてのダ・ヴィンチの研究について紹介します。
ちなみに、レオナルド・ダ・ビンチ(1452-1519)という名前ですが、ダ・ビンチは「レオナルド村の」という意味ですが、分かりやすさ重視で「ダ・ヴィンチ」という表記を便宜的に採用しています。

1.飛行機

まず、実績で言えば飛行機は1903年にライト兄弟が初飛行に成功しました。

20世紀になって実現した飛行機ですが、ダヴィンチはこの空飛ぶ機械を夢見ていました。
1つだけ、それを紹介しているサイトを紹介します。

上記から図を引用しておきます。

出所:上記記事内の図

① ヘリコプター (左上)
② パラシュート (右上)
③ 羽ばたき飛行機(オニソプター) (左下)
④ ハングライダー (右下)

もう図を見るだけで圧倒されませんか?

なぜか「飛行する」ことに並々ならぬ情熱を注いでいたようです。この時点でもう科学者ですね。本人は全くそんなラベルには興味がないでしょうが。

で、実はこの数年に「①のヘリコプター」を実現した、というニュースも流れています。

図を見ればわかりますが、いわゆるドローンですね。

そう見たら、ダ・ヴィンチの設計図もドローンっぽいです。

で、記事を読むと、(別に肩を持ちたいわけではないですが)当時足りなかったのは、素材と「エネルギー」源、だそうです。
つまり、それだけ当時の設計思想は素晴らしかったということです。まさに早すぎた天才、ですね。

2.永久機関

実は、この「エネルギー」についても一時期研究をしていました。
よく無限にエネルギーを供給できる仕組みを「永久機関」と呼びます。

前回はニュートンの第二法則(力は慣性質量×加速度)を発見していたのでは?という話をしました。
実は第一法則、別名「慣性の法則」もたどり着いていたかも、と言われています。

ようは、「外部から力を受けない限りずっとその運動をし続ける」、ということです。

と、いうことはその力を与えないように工夫すれば永久に動くのでは?
と考えて1490年代に検討した跡が手記からわかります。

そして紀元前のアルキメデスが考案したとされる永久機関を実現しようとします。

出所:Wiki「永久機関(アルキメデスの無限螺旋)」内の図

ダ・ヴィンチは阻害するものは「摩擦」と見極め、これをゼロにすべく今でいうベアリングや合金(減耗剤相当)など試行錯誤しましたが、「これは不可能」、と早々に判断して撤退します。

「永久機関」はその後、有象無象の挑戦が続きますが、現代にいたるまで実現に至っていません。

今回は代表的な2つに絞りましたが、15世紀に活動したとは思えない時代を超越したこの天才に改めて舌を巻いた次第です。

<主な参考文献>下記の「第十二章 機械工学の研究者」

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