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Starship 統合Flightテスト#2が間近

火星を目指すSpaceX率いるStarshipが、二度目の統合Flightテストを近日中に行います。既に一度延期発表があり、投稿時点では11/18予定です。
この辺りは流動性が高いので、最新の情報はX公式チャンネルを確認ください。

1度目については、今年の4月に行われ、あいにく失敗に終わりました。当時の投稿を再掲しておきます。

今回のテスト内容は、公式サイトに載っていますので簡単に解説します。

上記公式サイト内の図

上図が示す通り、乗船部(厳密にはここがStarship)もエンジン部(Super Heavy)も両方地上に舞い戻ります。
本番では乗船部は宇宙に行くので、一番の注目ポイントはエンジンの着陸成功になってきます。前回はその前の分離で失敗しました。

テスト内容は前回と同じですが、ロケット自体は改善が施されています。このあたりは、上記サイトに書いているのでそのまま訳しておきます。
・パッド(打上げ台)基礎の強化や水冷鋼製Flame Deflactorなどの機能強化
・ラプターエンジン用のホットステージ分離システムと新しい電子推力ベクトル制御(TVC)システム

水冷鋼製Flame Delfactorは、動画を紹介します。ようは「消火システム」ですね。

「ラプターエンジン」とは、従来(Falconシリーズ)と異なる新規エンジンです。

そもそもですが、ロケットエンジンには大きく分けて4つのタイプがあり、分かり易く解説しているサイトを見つけたので紹介します。

上記サイト内の図

ラプターは上記のうち「二段燃焼サイクル」に相当します。ちなみに、日本の次世代基幹ロケット「H3」は、エキスパンダーブリードサイクルです。

ちなみに、SpaceXはStarship User Manualをこちらで公開しています。
ただ、2020年発刊ですので最新情報かは・・・です。

で、そのラプターエンジンのホットステージ、というのは二段階で分離する際に、従来より連続的なエンジン点火方式にしたということです。
リレーで前走者からバトンを受け取る際に、走りながら受け取るみたいなイメージでしょうか。(と書くといいことづくめですが、制御の難易度はあがりそうです)

SpaceX、もっと言えばイーロン・マスクは、早く失敗してガンガン改善することを重要視しています。このあたりは今年9月に出た自伝をお勧めしますが、関連投稿を貼っておきます。

ただ、試行錯誤とはこの超巨大構造物をこの短期間(たった半年!)でも実行しているのが、改めてSpaceXの凄さを思い知らされます。


最後に、今回のLIVE配信は冒頭のSpaceX公式サイト内に埋め込まれた動画と、XのSpaceXチャンネル(下記)によるものだけです。(一部サイトで報道もありそうですが、公式声明では2つと発言)

日本ではTOYOTAが、Youtubeを使って自身でメディアになる傾向にあります。確かに意図と異なる切り抜き・解釈をされるぐらいなら、知名度のある組織なら合理的な判断です。

SpaceXも知名度があり、しかも今回はYoutube配信すらやめたのが印象的でした。ここはX(旧Twitter)を所有したのが大きく、Xの位置づけはSNSや計画中の決済だけでなく、今後より重要性を増してくるかもしれません。

と、それはまた追って考察するとして、まずは人類史上最長(120mあり、日本では茨城県にある牛久大仏!)のロケットが無事打ちあがる様子をかたずをのんで見守りましょう。

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