見出し画像

あの「クイーン」も支援した小惑星プロジェクトでやっとカプセルが開封!

ハヤブサ2が小惑星からサンプルを持ち帰って数年後に、米国で行われた小惑星サンプルリターンが成功しました。

プロジェクト名「オシリス・レックス」です。

以前の投稿記事を載せておきます。

今でも、サンプル採取時の動画は見ることができます。なかなか臨場感がありますね。

映像では、そこそこ平坦な場所に見えますが、大半がごつごつしています。

こちらが小惑星全体の画像(合成)です。

画像クレジット: DPA Picture Alliance、Alamy


同上

つまり、事前に着陸地点を見定めたわけですが、これには事前に精巧な画像解析が求められます。

それを担当したのが、なんとクイーンのギタリスト「ブライアン・メイ」さんです。これは帰還後になって発表されびっくりしました。

私も知らなかったのですが、この方宇宙物理学者でもあったそうです!

最後の帰還中はツアーリハーサルでLIVEで見れなかったのが残念、というコメントがやや面白かったです。(しかし改めて凄い才能)

重さを測ると当初目標より大量のサンプルが封入されていることは確認でき、気運は高まりました。

が、その後に思いもかけぬトラブルが起きます。



なんと「その容器の蓋があかない」という珍事が発生します。

初め聞いたときはフェイクニュースだと思いましたが本当でした。
色々と長い旅の結果、留め具個所が変形して固着していたようです・・・

いずれにしても長い旅路(64億km)を経て連れかえったサンプル君の奇妙な救出作戦が繰り広げられます。

数週間の作戦会議の結果、新しく開封用ツールを開発することになりました。

日常なら何か代行品を、と思うところですが、相手は地球環境と接したことがない物質で、出来る限り維持するためにはそのツール自体が安全であることが重要です。
(なので元々特定の工具だけが承認されていた。がそれが使えなくなっていた・・・)

と、ドタバタがありましたが、ついに2024年1月11日に、無事開封されたことをNASAが発表しました。

下図が新しく開発したツールです。

上記記事内の図

あくまで開封報告だけなので、サンプル分析はこれからです。

既にカプセル周辺にこぼれていた個所からは有機物が検出されており、期待は高まります。
ハヤブサ2が採取したのは5g(それでも期待値以上)でしたが、今回は250g以上もあり、多くの研究者が多様な解析を行えると思います。

ベンヌがサンプル採取に選ばれた理由の1つは、確認された天体の中で最も地球に衝突する可能性が高いからです。

具体的には、2182 年に地球に衝突する確率は 2,700 分の 1。
衝突したら相当な打撃であることを考えると、決して低くはない数値です。

ハヤブサシリーズも実はその衝突回避のための調査も目的にふくまれていました。

衝突の可能性はまだだいぶ先ですが、まずはこのサンプルから何が飛び出てくるか続報を待ちたいと思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?