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アルテミス計画、SLSエンジントラブルで打ち上げ延期へ

日本時間29日深夜に予定されていたアルテミス計画の第一歩「無人宇宙船打ち上げ」が、SLS(Space Launch System)のエンジントラブルで延期となりました。
(タイトル画像Credit: : NASA/Joel Kowsky)

私含めて期待していた方にとっては残念だったと思いますが、ぜひ次回を待ちましょう。

以前にも、アルテミス計画については何度も投稿しましたが、改めて。
今回の計画は「アルテミス I 」と呼ばれ、宇宙飛行士が搭乗するアルテミス II ミッションの前に、NASA のSLSによって無人の宇宙線「オリオン」月軌道上に打ち上げるための試験飛行です。

この無人宇宙船には月着陸を目指した日本小型衛星「オモテナシ」も搭載されています。

下記のサイトでは、29日に打ち上げられていたら着陸確率が(他の日だと60%だったのが)30%に落ちると書いており、事実だとすると不幸中の幸いなのかもしれません。

現時点では、早くても9月2日以降の予定だそうです。
時間も出来たので、今回トラブルに見舞われたSLSについて触れてみようと思います。

まず、SLSはNASA主導で開発された、正式なスペースシャトルの後継にあたるロケットです。

まず、NASAサイト掲載の、SLS開発の変容を引用します。

出所:NASA - http://www.nasa.gov/exploration/systems/sls/multimedia/gallery/SLS_Concepts.html?id=372149, パブリック・ドメイン, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=45928110

大きさだけで見ると、SpaceXが開発中のSpaceshipよりやや小さいサイズですね。

メインエンジン4発と、補助にあたるブースターからなり、燃料は液体酸素/水素です。
今回は、このうちメインの3発目で計画通り冷却できずに中止になりました。

下記のサイトに気になる記述がありました。

該当箇所を抄訳すると、以下の通りです。

・4つのエンジンはすべてスペースシャトルで利用されたもの(筆者注:すべての部品まで再利用したわけではさすがにないと思います)
・今回のエラー箇所は6月のテストで予定していたが実行できなかった
(According to NASA spokesperson Derrol Nail, the engine conditioning was not something that the team was able to verify during the "wet dress rehearsal" process that concluded in June.
“This is something they wanted to test during Wet Dress 4 but were unable to,” Nail said. “So this was the first opportunity for the team to see this live in action. It’s a particularly tricky issue even going in to get that temperature dialed in, according to engineers.”)

う〰ん、これだけ読むとテストしきれなかった箇所が本番ぶっつけでダメだった、というちょっといまいちな印象を与えてしまいます。

それなりの理由はあろうかと思うのでそれ以上の深堀は避けますが、まずは前を向いて、次回に期待したいです。
(スペースシャトル計画のとん挫も、偶発的な事故だけでなく、NASAの官僚体質も問題視されていました)

今後については、「米国東部標準時間」30日午後6時に、NASAから発表があります。下記で誰でもアクセスできますので、興味ある方はどうぞ。

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