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リュウグウから帰った「浦島太郎」のほうが年をとっていた!

最先端物理と童話の「浦島太郎」の共通点、と聞くと何を想像するでしょうか?勿論答えは1つとは限りませんが、1つは「時間の進み方」です。

竜宮城から帰ってきた浦島太郎は、はるか未来になっていることに愕然とし、最後は禁断の玉手箱を開けてしまいます。
その後の結末は諸説あるようですが、私が子供のころ聞いたのは鶴になって飛び立つ、というものです。(野暮なので、正しいかどうかは調べないで置きます)

それと最先端物理がどう関係するのか?

ある程度物理ファンならすぐに連想すると思いますが、時空が歪む相対性理論のことです。

その2つの交差点で意外なことが分かりました。

ようは、
地球の外から帰ってきたはやぶさ2号は、地球に留まるよりもやや時間が早くなっていた
という話です。

意外、というのはこういうことです。

相対性理論(特殊・一般ありますが文脈上丸めます)に従うと、
1.「高速に動けば動くほど時間の進みが遅くなる」
2.「重力が弱いと時間は早く進む」
と予言されます。

はやぶさ2号が向かったのは小惑星「リュウグウ」です。まさに浦島太郎状態だったわけですが、意外なのは、その計算結果が「童話の逆」になったことです。

ざっくりポイントを言うと、ハヤブサ2号のほうが地球よりゆっくりと動き、重力が弱い場所にいた、ということのようです。

地球よりゆっくり動いていた、というのがしっくりこないと思いますが、地球はその上にいると気づきませんが、太陽の周りを時速11万km(秒速約30m !)で動いています。

記事後半では、今も地球の上にいるISS(国際宇宙ステーション)に滞在したときの時間効果も計算しており、こちらは逆にややISSのほうが早く動いているため、(重力効果を加味しても)時間が遅くなるとのことです。

今、丁度若田さんが船外活動を行って、話題になっています。

今回は、太陽電池パネル設置作業で、実に6時間41分も作業をしていたのですから、作業内容とは裏腹に大変な作業だったのだろうと想像します。

豆知識ですが、日本人で初めて船外活動したのは土井孝雄さんです。

1997年にコロンビア号で搭乗し、ISSで日本むけ実験棟「きぼう」設置作業に関わりました。

実は、丁度これを書いている前日の2月11日に、土井孝雄さんもホスト側の一人として、NASA長官が京都大学で学生と交流を持つイベントがあったようです。

タイトル画像だけで見てもほっこりしますね。

実はこのネルソン長官は、NASA歴史上唯一「法律家」出身で宇宙にとびだった宇宙飛行士でもありました。

講演内容を見る限り、文理も国境も宗教も垣根なく、皆にとっての宇宙を目指して教育にも熱心な方のようです。

まさに今の痛ましい国際情勢を意識せざるを得ませんが、宇宙を通じた平和を実現できる日が来てほしいと思います。

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