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月を生んだ惑星は地球と生命の成り立ちにも影響を?

月の成り立ちで有名なのは、「ジャイアントインパクト説」と呼ばれている、惑星との衝突残骸説です。

その仮説上の惑星は「テイア」と呼ばれますが、テイアが地球内部のマントルに影響を与えていた、という研究成果が発表されています。

ようは、
テイアの衝突で一部のマントルの密度が異なっている、
という話です。

今回はコンピュータシミュレーションによるもので、地震波などのデータを基礎としています。
地球の内部にはマントルがあり、そこでの地震波速度が異常に遅い2つの大きな領域を確認しました。
それを解析すると、この2つのマントル物質の密度は、周囲のマントルよりも2.0~3.5%高いということが計算によって導出した、という流れです。

これがテイアによるものだ、と証明されると月の「ジャイアントインパクト説」がさらに有力となり、もっといえばマントル不均一による地球史にも影響を与えるかもしれません。

上記の研究発表内では地球科学への言及はありませんでしたが、マントルの不均一が地球の生命をはぐくむ原因となった可能性はあります。

マントルの内部にはコア(核)があり、それが生命どころか人類のような知的生物にまで影響をあたえたかもしれない、とした過去の投稿記事を貼っておきます。

今までのマントルは主にマグマが冷え固まったもの、とみなされており、今回のある意味異物混入による不均一がどのような影響を与えたのかは興味深いです。
例えば、生命誕生は海の中(少なくとも水のような色んな物質をつなげる役割)が有力な説ですが、その海には地表から染み出した鉄(ミネラル)系の物質が重要な役割を担います。
マントルがマグマの冷却物質であるならば、地表に影響を受けた可能性は否定できません。

地球科学の新しい発見が、従来の地球史を大きく書き換える可能性はありそうですね。
何となく「地学」と聞くと暗記科目というイメージが学生の頃は強かったのですが(当時の生物と似ています)、生命や知能を創造するきっかけを与えたストーリーとして語るととても魅力的に感じます。

もっといえば、地球以外の惑星でも、生命誕生の環境条件は似ている可能性はあります。(といいますか、地球以外に参考情報がないのでそうせざるを得ない事情もあります)
特に磁気が宇宙線から守ってくれるということは、生命体にとっては重要な役割です。

したがって、他の惑星での生命探索にも今回の研究は生かせるかもしれませんね。

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