見出し画像

ブルーカーボンへの期待

おそらくタイトルの「ブルーカーボン」という言葉を聞いたことがある方は多くないのではないでしょうか?

ざっくりいうと、海洋内での吸収・貯蔵されているCO2のことです。
1つだけ定義を紹介したサイトを引用しておきますが、元々は2009年に国連環境計画の報告書で、海洋生態系に取り込まれた炭素を「ブルーカーボン」と命名されたことが発端です。
気候変動(地球温暖化)対策の新しい選択肢として提示され、世界的に注目されているようです。

上記2つ目の記事にもサイト管理団体による調査結果がありますが、海洋中でのCO2吸収量はまだ調査が進行中で、好意的に解釈するとこれから期待できます。

特に、生態系の調査は、陸海空それぞれの計測技術が進化しているため、科学技術の貢献しやすい領域です。

例えば、海だと「水中ドローン」が既に活躍しているようです。

通信キャリアのKDDIがなぜ取り組んでいるのが興味深いですが、結構本業と一見絡んでいない新規事業はよくみかけます。

下記の担当者インタビューを読むと、やはりある程度緩めに外と手を広げる方針のようです。

このKDDIの本業での競合にもあたるNTTで、ブルーカーボンに関する興味深い研究が発表されました。

ようは、
藻類のCO2吸収量向上に関わる遺伝子を特定し、今後のCO2吸収向上に期待が寄せられる、
という話です。

いきなり遺伝子編集が出てきてびっくりするかもしれませんが、これは元々リージョナルフィッシュという水産物にフォーカスした遺伝子編集ベンチャーとの協業によるものです。

遺伝子編集に触れる前に、上記記事になかなか衝撃の事実があるので書いておきます。

現状、海洋から大気へと排出されるCO2は、大気へのCO2排出量全体の33.7%にも及んでいて、人間の活動による排出量の7倍以上となっている。

出所:上記サイト内
出所:上記サイト内の関連図

海洋は大気のCO2を吸収してくれているだけと誤解していたので、この排出の数値にはびっくりしました。確かにここを改善できると地球全体での吸収量に貢献出来そうな感じはします。

話を遺伝子編集技術に戻します。

実験方法はあたりを付けた遺伝子を技術的に増強または喪失することによるインパクトから推察したようです。

この遺伝子編集ベンチャーのリージョナルフィッシュは、高蛋白質の魚介類を生産するのが本業で、すでに「鯛(たい)」や「ふぐ」はオンラインショップで購入できます。

どうしても、食の分野で「遺伝子編集」と聞くと抵抗する方はいるかもしれませんが、おそらくその根っこは「遺伝子組み換え」とごっちゃになっているケースもあるかもしれません。

以前にも書いたので引用しておくと、遺伝子編集は自然で起こっていることを人工的に発生させ、組み換えは自然では起こりえないことを人為的に交配させます。

既に、水産物よりも農作物には展開されています。農林水産省の解説サイトも参考までに紹介しておきます。

なかなか日本にいると実感が持ちにくい「食糧危機」だけでなく、日常でも目にするようになった「気候変動対策」にもなると、遺伝子編集というイメージがより正確に伝わるかもしれませんね。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?