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酸素が宇宙誕生5億年後に急増していた!?

宇宙関連がニュースになるのは、有人旅行が多いですが、久しぶりに宇宙のロマンが一般メディアでも広く取り上げられました。

ようは、
酸素は宇宙誕生わずか5億年後に急増している痕跡をみつけた、
という話です。

日本の国立天文台を中心とした研究チームによる成果です。

今回使ったのは、ファーストスター探索を目的としたジェイムズウェッブ宇宙望遠鏡(JSWT)です。参考のため過去記事を貼っておきます。

今回は、宇宙誕生5-7億年前に存在していた銀河の水素と酸素の存在比が大きく変わったことから判明したものです。今回は結果だけの報道でしたが、近いうちに専門誌にも掲載される予定らしいのでもう少し深堀したいところです。

そもそもですが、酸素がこの時期に存在しており、しかも銀河も思ったより成長していたことは、2018年と2022年に相次いで発表されていました。

参考までに、過去取り上げた記事を引用します。

この急増については、なかなか想像を掻き立てられます。

地球でも酸素が急増していますが、それはある光合成をおこなえるシアノバクテリアのおかげです。(その生存を助ける外部環境含めて)

が、今回の宇宙という大舞台では微生物の生存は期待できません。なにがしかの化学反応が銀河内で起こったことが予想されます。

以前に、鉄より重い重元素がどのように生成されたのかを解明する話を書きました。

上記記事では、鉄より軽い元素は核融合プロセスで生成される、と丸めました。
もし、同じプロセスで酸素が生成されたとすれば、何かそれを誘発する天体現象が起こったことが考えられます。

素朴に考えると、銀河を構成する比較的重い恒星が活発に新陳代謝していた、のかなと考えました。
砕いて書くと、重い重量を持つ光る星が、その光るエネルギーにあたる核融合反応を進める過程で酸素など重い元素が誕生し、その後に自分の重さに耐えきれば爆発する現象を通じて自身を構成する元素群が周囲に散らばった、などが想像できます。

いずれにしても、宇宙初期は思っていた以上にダイナミックであったことは想像しやすいので、従来の宇宙物理の説を書き換える可能性は高まったのかなと思います。

ただ、今回酸素の急増を確かめたということは、上記のプロセスとすると、窒素など重さが近い元素も急増しているはずなので、その計測でもう少し解像度があがるかもしれません。

もうしばらく関連する報道が続きそうなので、このあたりはもう少し調査したいと思います。

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