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Web3.0大臣より夜警国家を

今回は、Web3.0について触れてみたいと思います。

以前に、緊迫する国際情勢を受けて、暗号資産の取り扱いが注目されている投稿をしました。

その直後に、デジタル資産などへの米国大統領令に署名がなされ、日本政府へも波及を見せています。

要は、
米国がデジタル資産への検討を国家的に指示(180日以内に政策提示)した米国大統領令を受けて、日本でも「Web3.0大臣を置くべき」との発言が財務金融委員会であった、
という話です。

ちなみに、今年2月に既に自民党内に「NFT特別担当」はおり、正式な場でも話題としては出ていました。

暗号資産・NFTなど上記記事タイトルにもある”Web3.0”の意味合いについて触れてみたいと思います。

元々この言葉は、2014年にコンピュータ科学者ギャビン・ウッドが考案したものです。
この方は、現時点でも時価総額2位(1位はビットコイン)を誇るイーサリアム創設で開発にかかわっている方として有名です。

暗号資産(旧名仮想通貨)と聞くと過去はビットコイン一色でしたし、文字通りこれがパイオニアといっても過言ではないです。

ただし、ビットコインは非中央集権型という思想として出来たものの、数字の移動しかできなかったり、1回の取引に数十分かかるなどいくつかの問題点が指摘されています。

そういった課題を背景に、根幹のブロックチェーン技術を応用して、ギャビンも途中参画して開発されたのが今話題のイーサリアムです。

考案者は、2013年で当時18歳(!)大学生のヴィタリック・ブテリンです。
つい最近Times誌でも特集されてます。

ビットコインよりも処理が早く(現時点で15秒)、そして開発の自由度があるブロックチェーンを使ったインフラ環境を志向しました。

一般的には「スマートコントラクト」と呼ばれますが、契約と直訳するとちょっと誤解を招きそうです。
要は、数字だけでなく処理手続きまでブロック内に管理出来ると思ってください。
これによって、通貨だけでなくいろんなデジタル資産を個人レベルで所有・管理することが可能になりました。

こういった唯一性を保証するデジタル資産のことをNFT(非代替性トークン)と呼ばれて今では冒頭のように、政府に担当がつくほど使われるようになっています。

NFTはアートの世界で先行して使われて、特に2021年に75億円で落札されて世界を驚かせました。

ポイントなのは、このスマートコントラクトが持つ柔軟性にあり、本質的には「個人が簡単に価値を創って管理出来る」ことにあります。

その社会実装例として注目されているのが、新しい組織の在り方で、DAO(分散型自律組織)と呼ばれます。

シンプルに言うと、個々人が意思決定に直接的に関われる透明な組織です。

そんなの当たり前では?と思うかもしれませんが、企業に勤めているなかでは極めて限定的な意思決定しかできないのも事実ですし、ある程度固定的な指示系統が存在します。
そして「組織の論理」という妖怪めいたものはどこでも起こりがちです。

DAOは意思決定やその実行による報酬を全て透明かつ処理をトークンで実行できる組織形態です。

イーサリアム開発で資金調達する手法もDAOでオープンに募集して運営したことでも知られています。(残念ながら漏洩が起こり断念しました)

ただ、こういった一連の背景は全て「価値の権利を個人に委ねる」という想いが詰まったものです。

丁度同じく話題になっている「メタバース」も、より視聴覚が豊かな仮想空間として盛り上がってますが、これらと相性が良いですし、既にメタバース内でNFT交換は日本でも進み始めています。(下記は一例)


今では、このメタバースも含めてWeb3.0と総称されてます。

繰り返しですが、流行の技術自体が重要なのではなく、個々の価値の在り方が見直されているのがポイントです。

ということで、それに対して国家という中央集権的存在で「Web3.0大臣」をフロントに置くのは正直うなってしまいます。

出来れば、「夜警国家」のように、金融やサイバー犯罪防止といった法制度整備に絞って、個々の幸福感を最大限後押しする存在に割り切ってもらいたいと個人的には思います。

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