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なぜ生命に「水」が必要なのか?

前回、地球に水が誕生した経緯について新説を紹介しました。

ようは、新たな元素解析で、外部飛来でなく惑星生成過程でできたのではないか?という話でした。

で、そもそも論として気になったのが「なぜ水なのか?」という点です。

そもそも我々人体も、半分以上は「水」からできています。

で、関連書籍(巻末参照)をあたってみた結果、大きくは下記2つが優れているのが理由のようです。
・媒体力
・調達力

媒体力というのは、文字通り各細胞の出入りを助けている、ということです。
我々人類含めて生命は、外部から食物を体内に摂取してエネルギーに転化するサイクルを繰り返しているわけです。
その過程で様々な輸送と化学反応が行われますが、その媒体として「水」が都合がよいということです。

その1つが「溶かす力」です。ではさらに突っ込んでなぜそんな力があるかというと、その分子配置構造にあります。

水の分子構造を絵解きしたものを引用します。

出所:上記図
出所:同上(水素結合と共通結合)

化学式のH2Oで書くと読み解きにくいのですが、上記のようにY字型に配置されており、それが数珠つなぎになっています。

「H-O-H」が一直線でないがゆえに電子の配置が点対称でなくなります。
すると電荷に偏りが生じるわけです。

これによって「いろんな分子を溶かしやすい」という特性を獲得できているようです。(ようです、と書いているのは細かくミクロで解析すると上記記事ではまだ未解明なところもあるようで、少々気になります)

もう少し「水に溶ける」という言葉を砕いて書けば、
「対象の分子が水分子によってバラバラに引き離された状態になる」
という現象で、その力を上記のような偏った構造が提供しているということです。

分かりやすく絵解きしたサイトがあったので紹介しておきます。


大きな2つめの理由「調達力」ですが、これはシンプルです。

宇宙で、我々がおなじみの元素構成比率(宇宙組成比)を載せておきます。

出所:上記記事内の図

ようは、「水素」と「酸素」は宇宙に豊富にあるので作りやすい、ということです。

ただ、うがっていえば、確率的には「水」以外でも生命誕生に貢献しうる、という可能性もあります。

例えば、水が水、つまり液体として存在できるのはざっくり0度から100度です。

が、例えば生命に期待が集まる「火星」の平均温度ははるかに0度を下回ります。

上記記事でも触れている通り、過去には温度が違っていて液体の水が存在していたのだろう、という推測です。

ただ、これも推測にすぎないので、ほかの液体が生命誕生および育成に貢献した可能性もゼロではないわけです。
それによって誕生した生命体は、地球のそれとだいぶ異なりそうですね。また興味が出たら調べてみたいと思います。


<参考>

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