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OpenAIの新たなAI用データセンター「Stargate」計画

今の生成AIを震源地とした産業へのインパクトは相当広いものになります。

その中でも組織単位で見たら注目すべきは「Microsoft」。そこが最大出資元となっているOpenAIが開発したChatGPTそしてリリース予定の動画生成SORAは、もはや社会現象にもなっています。

ただ、あえて弱点を上げるとそのAI処理を担うGPUは依然NVIDIAに依存しています。つい最近のイベントで発表した次世代AIチップ「Blackwell」も注目されています。

それに対してMicrosoftは自社でAIチップ開発を宣言し(他のGAFAM系も同様の動き)、OpenAI CEOサムアルトマンもその開発に向けた資金調達に動いています。

過去の関連ニュースを載せておきます。

で、この注目の2社ですが、新しいAI用のインフラ施設を計画しているという情報が米国メディアで報道されています。

あくまで、匿名ですが今までの提携経緯を見れば起こっても不思議ではないです。

簡単に内容のポイントです。

・数百万個のAIチップで構成されたスパコンで、「Stargate」と呼称
・1000億ドルの予算で、現状の最大データセンターの100倍規模相当
・2028年までにはこの施設の立ち上げを期待

現時点でそれに対してOpenAIはノーコメントとのことですが、むしろこういった動きをしていないほうが不自然かなと思います。

2023年11月に、サム・アルトマン解任騒動があり、Microsoft CEOがAIチームを立ち上げるので向かい入れるよ、というコメントがありました。(あくまでX上でのやりとりです)

その時は、サム・アルトマンを社員に組み込むための作り話と思っていましたが、3/19に正式に新部門”Microsft AI”を立ち上げると発表しました。

上記記事にある通り、トップは直前までInflectionAIの設立者(DeepMind共同創業者)で業界の有名人ムスタファ・スレイマンです。

このInflection AIはLinkedIn創業者リード・ホフマンが作ったことで話題になりました。ムスタファ以外にも異動希望者がいるようなので、おそらくはInflection AIのコア人材は新部門にシフトすると思われます。

今回のインフラ施設はOpenAIが設計しそれに対してMicrosoftが出資する形態のようです。が、現時点でもMicrosoftのAzure上でOpenAIのサービスは実装されている(契約の縛り)ので、Microsoftも自社のAIチップおよびCopilotなどのAIサービスを載せる可能性は高いと思います。
気になるのは、その電力エネルギー源に原子炉を組み入れるかどうか、です。これもサム・アルトマンが投資する関心領域の1つです。

最後に人事ネタでもう1つ。

OpenAIはサム・アルトマンを経営陣に復帰&再任命しました。
振り返ると、昨年末の解任騒動で一石を投じた(本人が首謀したかどうかは不明。直後に後悔のコメントも)は、イリヤ・サツケヴァーです。

彼がこの騒動以降すっかりと表に出なくなりました。自身のXでも昨年末で投稿が止まっています。

業界に強い影響を持つイリヤがOpenAIにとどまるのか否か、可能性としては今の過渡期で他の企業に移籍する可能性もあります。

今のAI業界の特徴として、インフラ合戦で資本が巨大化しているだけでなく、限られた人材が命運を握っています。

冒頭の新AIインフラ設立はほぼ予定調和で動いていくと思いますが、イリヤの挙動がこの業界バランスにどう影響を与えるのか注目しています。

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