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XRISMがファーストライトに成功

昨日は、SNSは月着陸船SLIMの話題で溢れました。(もちろん私の好みに応じてるわけですが)

ただ、もう1つ忘れてはいけない存在があります。

SLIMと一緒にロケットに積まれていたX線天文衛星XRISM(クリズム)です。

過去にも触れたので引用しておきます。

XRISMは、X線を通じて宇宙のマクロ構造を解き明かします。

そのXRISMから初のちゃんとした画像(微調整や加工を施してデータ解析として活用できる水準。業界用語でファーストライトと呼ばれます)が今月届きました。

厳格には、画像衛星はこれをしてやっと胸を張って成功と言えます。
SLIMもやっと先日データ送信が完了して画像が届いたので、打ち上げ後半年を経て、同じ月に成功したということになりますね。

その画像を公開した公式サイトを載せておきます。

上記記事内の図

約7億7000万光年の距離にある銀河団Abell 2319の観測画像です。

もう1つがこちら。

上記記事内の図

図だけではなかなか何がどうなっているのかが分かりにくいので、解説をそのまま書き下します。

まず、2つ線がありますが上側が旧世代のSuzakuによる観測データです。縦軸はX線領域でのスペクトルの強さを表します。

XRISMはそれより細かい起伏で表現されており、まさにこれが細かいデータまで取れている証拠です。

これらのピークの中には、超新星の残骸も含まれています。

つまり、超新星の起源となった恒星内部や超新星爆発によって作り出されたもので、この観測データを解析することで、恒星や惑星、さらには生命の種となるかもしれないこれらの元素の生成過程について、新しい発見が期待できます。

ちなみに、超新星とは密度が重い天体が自重に立てきれずに一旦収縮して爆発(ばねを縮みて伸ばすイメージ)する天体現象で、あまりにも明るいので目視でも確認することができます。

ただ、レアな現象なので見れる確率は宝くじかそれ以下です。

なんと平安時代の日記にこの天体現象が記録されており貴重な文献となっています。以前にも紹介したので関心がある方はこちらを。

なかなか自然現象としての観測は難しいため、今は、AIの力も借りてこの現象をシミュレーションで解析しています。

こちらも以前にも紹介したので詳細は委ねます。

そして今、地上ではレントゲンとして我々の健康を管理する役割のX線が、宇宙の謎を解明すべく今も撮影を続けています。

これはXRISMだけでなく、X線を使った観測は世界で行われています。
過去の話題を載せておきます。

実は今回のXRISMの撮像は、まだ保護膜が付いたままで、それが解かれるのが2月からです。

2月には基幹ロケットH3の打ち上げも控えているので、宇宙開発の大きな進展が期待できる月になりそうですね。

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