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事業承継第6回:コスト重視?それとも…優先すべきものは?

先代の経営を、代が変わり経営方針をコロッと変えちゃう人がいます。

先代は人情派みたいな人で、お客様が喜ぶことが第一。そのために取引先を巻き込んで商売をして、多少自分が割を食ったとしても、「まあ長年の付き合いだからさ」と、売り上げが上がらなくても辛抱する。
そんな人情で経営をしてきたので、いざという時に助けてくれる人、応援してくれる人が多い。

次の社長、代替わりをした瞬間に、コスト優先に変わってしまった。何十年と付き合った取引先を切って、もっと安くて品質いいところを探し、入札をおこなって買い叩いていく。

確かに売上や利益は上がりますけど、取引先からは「先代はこうだったのに」って言われちゃうわけですよね。

ビジネスの基本は、売上を上げて利益上げることでしょ?
安く仕入れて高く売るのがビジネスの基本だろう?
という意識を後継者は持っているから、周囲とのギャップにストレスを抱えます。

実は、私も会社員時代はそう思っていた一人です。
どこかの会社をもし継ぐことになったら、社員全員解雇くらいしないと血の入れ替えはできないと思っていました。

文句ばっかり、ブスっとしてる、売上は上げられないし、使えない。そんな使えない社員は辞めさせるべきだと思っていました。

しかし、それができるかって言ったら、絶対に出来ないわけですよ。たとえ、使えない50過ぎたおじさんでも、定年まであと10年、ここでもしクビを切ってしまったら、満足な退職金も渡してあげられないし、その人の人生はもう崩壊です。

となると、今の給料の中で、どれだけ効果を発揮してもらおうか、健康を害さずに毎日出勤してもらって、気持ちよく働いてもらうとか、彼にできる役割を見つけるところをしなければいけません。

この仕事に就かせてもらって、いろいろな企業さんのお話を伺わせてもらって、会社というものを客観的に見ることができる立場になって良く分かります。

そして、自分が経営者になると見えてくる景色がまるで変ってくることに気がつきました。

話を戻しますが、事業承継をするときのうまくいかない原因はズバリ「コミュニケーション不足」がです。

明文化されていて、理解しやすい会社の資産とか帳簿だけでなく、目に見えない企業文化だったり、創業時の想い、会社の社会的意義みたいなものを継承し、社員全員に対して伝えていかなければいけません。

上辺だけの事業承継だと、コスト優先・利益優先の内外に巻き込み力を備えていない後継者を増やすことになってしまいます。

株式会社ポールスターコミュニケーションズ http://www.pole-star.me

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