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事業承継コラム第4回:親子間の現経営者と承継者のはじめの一歩

台風21号および北海道での地震で被災された皆様に心よりお見舞い申し上げます。

◆後を継ぐ気がなかったお子さんが渋々?

事業を立ち上げる人って、たいていは主張の強い頑固な人が多いと思います。

そんなお父さんの背中を見てきたお子さんは、「お父さんみたいには、なりたくない」って思う人もいて、中には全く違う業界に道を切り拓こうとします。

地方の優秀な進学校を卒業して、東京の大学に進学。大学4年間で東京が楽しくなって、そのまま東京で就活して、全然違う業界に入るパターンを多く目にしています。

中には、東京で結婚して所帯を持って、子供も生まれて、親とは違う道に進んでいたのに現経営者が急遽入院した、万が一のことがあった等で渋々事業を継承するというパターンにたまにあります。

東京の生活とか大企業での暮らしに慣れてしまい、実家の中小企業では面白みがないと感じてしまうのも致し方ない部分もあろうかと思います。

現経営者であるお父さんがまだまだ元気な例でも、とりあえず地元に戻るということで、取締役とか専務みたいな形で入ったお子さんは、大企業の考え方をそのままやろうとするということがあります。

中小企業と大企業では、もうお金の桁がまず違うわけだし、部下のマネージメントの仕方も全然違うので、息子は「全然ダメ、この会社」みたいになってしまう。

そんなお子さんに対して、お父さんは「なんぼのもんじゃい」と言い出し確執が生まれ、それを見たお母さんは頭抱えている。

従業員も、お父さんとお子さんの喧嘩に巻き込まれ、結局どちらにも従わないという最悪のパターンがあったりします。

◆コミュニケーション不足からおきる悲劇

お父さんは、言います。「うちの子どもは会社にいないで、会議所活動だ、ゴルフだと外に出歩いてばかりいる」と愚痴りだすのです。

お子さんは、「大事な仕事を任せてくれない。社長がやりたいなら、好きにさせたらいい。」と思い、本業が面白くなくて、身に入らなくなり、外に出かける。

お母さんはそれを見ながら「二人とも大丈夫かなぁ」と、やきもきしている。

30年以上務めている番頭さん、息子が生まれた時から知っていて、一緒にキャッチボールもして可愛がってきた。そんな番頭さんは「坊ちゃん、もうちょっと上手く社長と話をしたらいいんだけどなぁ」と思いながら、社長がいる反面、口を出せずに右往左往。

会社の中心にいる人達が「今後どうなるんだ?どうなっているんだ?」と疑心暗鬼になり、若手社員が
「次の社長で、本当にこの会社大丈夫なんですか?」みたいなことを言い出し、会社の雰囲気が悪くなってしまう。

それを見たお父さんは、余計に焦ってしまう。融資を受けて新規事業に手を出したり、自分の代で背負った借金は子どもに任せられないと、あくせく一生懸命働きます。

そうなると、どうなるかというと、会社はぐちゃぐちゃになってしまう。

この問題は、最初のボタンの掛け違いから起きています。

父親から息子に、最初に「一緒にやってくれないか、継いでくれないか」と目を合わせて伝え、本当の財務諸表を見ながら、膝を突き合わせて「うちの会社はこれだけ債務がある。今後、何年で返済して行かなきゃいけないんだ。」と全てをさらけだす。

お子さんは、お父さんの背中を見て育ってきているので「継ぐのは嫌だ」とは言いません。
基本的に、父親からちゃんと言ってくれた事のほうが嬉しいし、やる気を感じ、モチベーションを上げて
「じゃあ、会社頑張ろう!」という感じになります。

最初のコミュニケーションがいかに大切か、お分かりいだたけましたでしょうか?

㈱ポールスターコミュニケーションズ 



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