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記念写真


家庭の事情なんかがあって幼い頃から家族や友達と撮る記念写真がほぼ残ってない。そのぶん記念写真への憧憬と渇望が深い。

私は文章が好きで子どものころから小説やらエッセイやら書いていたけど、そうした作品より小学校の頃の日記とか、銀行員のころ行ったお店なんかをメモった手帳のほうが今、はるかに大事だったりする。良子と初デートの待ち合わせのメモなんかが残ってるんだからね。

写真もそうじゃないかな、と気づいたんだ。自分にとっては。

だからそんな写真を撮りたいな、と思ってる。

有名人でもインフルエンサーでもない私の、限りなく私事の私写真だからモデルさんにとってはPRの助けとかにはならないと思う。だけど、それでもそういうことを一切気にしないところで撮る写真って、モデルさんにとっても後々振り返ったとき何か残せる写真になるんじゃないかなって楽観してる。何年も経ってふと写真を見返したときにもし、そこに何かが残っていたら、心の中でそっと一つだけいいね!を押してもらえれば最高だ。そんな写真を撮りたいと思ってる。

だからやっぱり楽しくお会いするついでに、楽しく撮りましょう。

写ってくれる人 鎌田ありさ/Arisa Kamata


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