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#109 所作の美

 村の祭りは大きく変わった。コロナは祭りを変えた。今年も、密をさけるため、獅子舞などみんなが集まるイベントは中止となった。祭りは神事のみになった。

 祭りの当日は、境内は掃き清められ、拝殿は、神社の総代によって、祭事の幕が張られていた。
 
 日が暮れて、寒くなった拝殿で、宵宮の祭事が始まった。修祓に始まり、祝詞を奏上して、玉串奉奠、その後直会で終わった。神事の参列者を浄めるため、参列者の頭上を左右にふる大麻の、風を切る乾いたかすかな音が聞こえてきた。祝詞を奏上する、低く朗々とした宮司の声も、拝殿から聞こえてきた。

 次の日の午後から、本宮がはじまった。宵宮同様、修祓に始まり、祝詞奏上を経て、玉串奉奠、その後直会で終わった。
 
 粛々と祭りを執りしきる宮司の所作は、きれいだった。

 今年も神事中心の秋祭りになった。簡素な祭りになった。しかし、祭りを営む人々の、負担は軽減された。神事は、祭りの原点だ。私の地域でも、過疎化と高齢化が進んでいる。過疎化する地域での、今後の祭りの在り方を示唆しているようにも、私には思えた。  @地域 5

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