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続けることの大切さがわかる京都3日間 #icc_kyoto2019

初めてICCに参加した。
所属する会社では毎回出ていて自分が参加するのは初。熱量が凄いだろうって、イベントの記事や行ったメンバーの話だけで感じられるイベントってそうそうない。だからこそ行って感じてみたかった思いが強かった。

写真は本題と関係ないけど最高においしかった中華料理屋さん。

ICCについて
Industry Co-Creation ® (ICC) サミットは、「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。毎回200名以上が登壇し、総勢800名以上が参加する。そして参加者同士が朝から晩まで真剣に議論し、学び合うためのエクストリーム・カンファレンスです。
https://industry-co-creation.com/events/icc-kyoto-2019

ある組織に関してのセッションでカルチャーの話があった。

そのセッション内での一言、

「このイベント(ICC)自体、強いカルチャーがありますよね。」

参加している誰もが全力で伝え、全力で聞き、全力で議論することがここのカルチャーだろうと解釈した。実際それはイベント後の各日の夜にも染み出していて、昼に感じたことをとにかく話してみたい気に駆られる。Slackでの同僚とのリアルタイムな会話もとても良かったが、少しの時間を経て内容が咀嚼された状態で自分たちの事業や組織に即して話す場は更に良かった。

その場でログはけっこう取ったんだけど、同僚のブログとかを見て改めてまとめたり解釈したい気持ちになったので書いてみる。

参加したセッション一覧

Session1: 「IDEO流デザイン思考・経営ワークショップ」
Session2: 「CXは経営に寄与するか。CXと経営の関係を議論する」
Session3: 「この時代にエンターテインメントはどう育てるのか?」
Session4: 「組織の「ウイニング・カルチャー」を作り上げるには?」
Session5: 「教えてほしい! 「アート」「教養」とは何か?」
Session6: 「CATAPULT GRAND PRIX(カタパルト・グランプリ)」
Session7: 「人のつながり とは何か?」
Session9: 「レジェンドが語り尽くす! メガベンチャーを創るための経営者の仕事とは?」
Session10: 「スタートアップのマーケティング・グロース全容解明」
Session12: 「今さら聞けない! AIテクノロジー最前線」

さすがに全部は長そうなので、書いても良さそうな範囲で心に残ってること中心。
プログラム一覧はICCサイト上にもリンクされていた。

【S1: IDEO流デザイン思考・経営ワークショップ】
デザインファームとして世界的に有名なIDEOのWS。朝一(09:00)のコマだったので目も覚めるし良かった。朝WS良い。

- ヒトから始める
大抵の企業で行われるアイデア創出はビジネスプランニングや技術シーズからスタートしてしまっている。それらを補強するためのユーザー分析ではなく、まずユーザーから始める。仮説を持ちすぎないことが大事ってハッとする。

- 大事なのはデザインシンキングではなくどうクリエイティビティを出せるか
共通していたのは考えすぎないこと。まず体験することやまず形にすることの重要性が何度も挙がった。プランニングって考えすぎになりがちだから、とりあえずやってみて、周りもそれを認めるって体験を一度でも積めたが大きそう。

- 制限があると人は発想しやすい
ワークは"Observation Activity"と"Vanishing Options"というものをやった。前者は流れる映像から気付けることをひたすら出して共有するもの、後者は日常のある当たり前のものが無くなったら、どんな代替を考えるかというもの。このときは「Google Mapなどの地図サービス」。この映像とか、この目的とか、1つ補助線が入ってかつそれが少しだけ非日常な状態だといろんなネタが飛び交いやすい。

【S2: CXは経営に寄与するか。CXと経営の関係を議論する】
プレイド(弊社)のスポンサードセッション。あまり人入らなかったけど、濃いいい時間だった。

- CXはいくつかあって目的によって異なる
それが利益を生み出すものなのか、ミッションそのものなのか。すぐに伝わりきるものでもないのでうまく使っていけばいい。元は利益ドリブンだったとしてもいつのまにかミッション足りうるかもしれないし。

- ダークサイドを考える
これもよかった。抽象的なこととかものを考える時って各々のイメージが合ってそうで実はズレてたりする。だから、これは違うよねってダークサイドを考える。「こんな接客はいやだ」的なやつ。

- その人の経験や今在る環境によって良いと思うCXは変わる
おすすめされるモノが変わるんじゃなくて、今自分がいる環境の方を自由に変えれたら生活はもっと楽しくなりそう。

【S4: 組織の「ウイニング・カルチャー」を作り上げるには?】
ユーザベース稲垣さん/メルカリ小泉さん/楽天小林正忠さん/日本ラグビーフットボール協会中竹さん/モデレーターがSFCの琴坂さん。
代表的な強いカルチャーを作ってきた人たちだから、自分たちの話をしてそれを議論するだけで相当質の高いセッション。

- 言葉にすることがカルチャーではない
大切なのは携わるみんながカルチャーを要素分解して自分に染み込ませていること。
そうすれば無意識にも行動に活かすことができる。メルカリでは入社直後のメンバーに創業からの最初の2年の歴史をすべて伝えているらしい。濃さの伝達ってきっと各企業で課題なんだろうけど、まだまだ色々科学がありそう。共通しているのは言い続けること

- みんなで事業に向かう
「経営者が間接部門とかバックオフィスっていう切り分けをしていたら勝てない」という話があった。
間接部門をなくすというのは本質的。たぶん間接でしかない仕事はなくて、これが何に繋がりそうか?をどれだけイメージ、妄想できることが大事なんだと思う。必要だと思ったことを越境して動ける環境や雰囲気は大切だし、いろんなことに効くと思った。個々人の心の健康とかにも。

【S5: 教えてほしい! 「アート」「教養」とは何か?】
アートについて解説ではなく、どういったものがアートを捉えているのか、どういう考えがアートらしいのかを話すセッション。内容でも出てくるけどこのセッションの問い自体が妙だと思った。

- アートは意味を作る
役に立つだと1つしか(生き)残れない。アートとは見方を発明するもの、みんなで解きたくなるような大きな問いを見つけること。すごいしっくり来る。ブランドやプロダクトも一緒だと思った。安さや便利さだけではない、どれだけそこに問いとなるメッセージが込められるかが分岐点になる。人間関係も似てそう。便利なだけだときっといい関係にならない。

- 教養は過去から来るもので、アートは未来から来るもの
博報堂ケトルの嶋さんが名言出してた。過去には事実があるから、因果関係や構造を整理して体系だった知識にできるんだと思う。アートは直感的に感じる部分が多いから予測することに近い。

- 限りなく言語化してから最後の最後に言語化できないものを加える
コルクの佐渡島さんが漫画家を育成する時に言ってた話。実際これは漫画以外のアウトプット全般もそうだと思う。最初から抽象度を上げるよりもいい問いが生まれそう。

【S7: 人のつながり とは何か?】
個人的には今回のベストセッション。Campus for Hの石川さんとモデレータやってたLinkedin村上さんが特に印象的。

- 異なる2人が混ざるから革新が生まれる
幾つかの対比があった。メモだけ。Big Pictureを描くこととDetailを詰めること、経験豊富なベテランとカッティングエッジな若手、一緒にプロジェクトをやれる150人と越境した弱いつながりの人。やっぱり衝突するくらい多様な人たちがいる環境は大事。

- 自分の中に多様性をつくる
個の中の多様性をプロノバ岡島さんはIntrapersonnal Diversityと言ってた。必要なことが"2-2-2-2"。(最低)2つの国、2つの事業サイクル、2つの会社、異なる2つのロールを最低でも経験することが自分の多様性をつくる。

記事もあったので貼っておく。

番外編

一緒に行ったメンバーと話してたこととか行ったところとか。

必要なのはwell-doingとwell-being
自分の成長をサポートしてもらえる感覚と自分の個性が認められている感覚。「自分」は中心的になりすぎないようにする前提は必要だろうけど腹落ちした。Campas for Hの石川さん、ICCではもう有名人物らしいけどさすがだった。めっちゃ難しい研究をものすごく柔らかく説明してくれてる感じ。

銭湯
サウナ最高だった。
うちの会社には銭湯部という銭湯を愛してやまない人たちがいて、さすがに影響されてきた気がする。サウナと水風呂を3往復したら達成感に溢れて、いやーよかったって言い合うだけなのに満足度高い体験になった。
滞在中は2日連続で行ってこれも「続けて」みた。同僚は3日全部行ってた。

全体的に感じたこと
完璧を目指さずまずやってみる。
合意形成より大切な実行があることをいろんなセッションで見つけられた。

何人かのすばらしいモデレーターもいた。
言葉や熱量の引き出し方が丁寧だから、名言も出る。
パラフレーズって大事。飛び交った言葉を一度まとめることで登壇側も聴衆もそうそうってなりやすい。そこでまたみんなに思考するタイミングができる。同じ話を何度してても、その時々で感じることが全然違う感覚ってある。バスケ好きな人がスラダン読み通すたびに違う学びを得るのと似ている。パラフレーズにはそんな効果があった。

リアルタイムにセッションの構成は変わっていった。
元の予定割振りよりも会場やスピーカーの盛り上がりを優先して変化していくのは、会話中に相手に合わせて話が連なっていくのと似ていて。当たり前なんだけど難しいすごいことだと思った。スタッフの皆さんお疲れ様でした。

信じることが大切だという話

信じられる良いことをする、そのための動きを作ることが大事だと思えた。
続けないと残らないから、やり続ける言い続ける信じ続けるような感じで。
少なからず今の組織や個人ではそんなことができてて、これうちでやってるじゃん!って思えることもけっこうあった。でも足りてない。直感で大切だと思えることができているのはとても喜ばしい。だけど、自らがどうやったらこの京都のような場で熱を発せるくらいになれるだろうとかはまだまだ考えようがある。

自画自賛だけどうちの会社はいいミッションでやれていると思った。
これも言い続けることが大事。
もっと届けたい人たちにまで伝わればいいんだけどね。


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