見出し画像

あれだけ本の虫だったのに

いつから私は、虫じゃなくなったんだっけな。

本を読むのが好きだったのは事実。
物心ついた時から中学生まで、約10年以上。
絵本を含め、物語を中心に読むのが大変好きな子どもだった。
だけど高校に上がってから、めっきり読まなくなった。

覚えている。
ハードカバーの、少し大きめの文字サイズで書かれた本から、青い鳥文庫くらいの文字サイズで書かれた本に移行して。
そこから今の、新書くらいの文字サイズで書かれた本に移行していった。
どんどん読める文字量が増えていったのが、単純に楽しかったんだと思う。

何を読んできたっけ。
『マジックツリーハウス』。兄妹が冒険する物語にワクワクしながら読み進めた。
『若おかみは小学生!』。話の展開が面白くて、それで読み続けた覚えがある。
『黒魔女さんが通る!!』。魔法の世界が大好きで、その世界で成長していくおっちょこちょいな主人公に惹かれた。
『パスワード』シリーズ。ミステリーに惹かれたのはこの本がきっかけだった。
『ダレン・シャン』。あの世界観、あの登場人物たち、全部大好きだった! 小説から入って漫画を読む流れがあったのは、後にも先にもこれしかなかった気がする。
『十二国記』。シリーズ全部を読めているわけではないけど、1巻目にはどんどんのめりこんだ。

他にも色々読んだ。『創竜伝』『しにがみのバラッド』『ニック・シャドウの真夜中の図書館』。
とにかく色々。広く浅く、つまみ食いするかのように。
自分の興味が赴くままに、好き勝手に読んでいた。
あの頃が懐かしい。
あの頃に戻りたい。
自由気ままに物語の世界に入り込んでいった、あの頃に。

大人になったら、入り込んでいく余裕がなくなった。
読むにしても、実用的なもの、自己啓発的なもの。
そんなものばかりになってしまった。
たまに、あの頃に戻りたくて物語を手に取るのだけど。
なかなか没頭できなくて、入り込めなくて。
それがつらくて、途中で読むのをやめるようになった。

私のアイデンティティだったのだろうか、「本の虫」は。
そうだったのかもしれない。

知識を得る目的以外に、心のどこかではあの頃みたいに、たくさん本を読む自分に戻りたくて。
今の私は、本を読む習慣を取り戻そうとしているのかもしれない。

投げ銭感覚でサポートぜひよろしくお願いします。 これからも、読んでみたい!と思える記事を書いていきます。