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11月20日(曜変天目茶碗かっけー)

起きた。今日はなんと7時に。2人きりだと会話に困る友達が朝ごはんを誘ってきたので一緒に行った。(1人になるのが嫌らしい)私はパンはトースターで焼く派なので焼かない派の彼女を待たせてしまう。先に帰ってもらった。

昨日届いた花柄のスカートにベロアのジャケット、白タイツ、スニーカーを合わせた。まつ毛は黄色のマスカラを塗った。鏡の中の私は久々に普通のかわいいを超えてた。めっちゃくちゃ可愛かった。街中歩いて大丈夫?ってくらいに。またまた買ったハートのバックに読まない本2冊、飲みかけのお茶、財布、携帯電話を入れてバスに乗った。Spotifyでお気に入りの曲を聴きながら国宝の事を考えた。
今日は曜変天目茶碗という国宝を見るのが目的の外出なのだ。あの青のきらめく幻のような陶器を見れるんですねぇ。ずっとそわそわしていた。国宝を見るのだから、とちょっと意識してフォーマルぶった。電車の時間がうまく合わず時間を持て余していたのでスタバで飲み物を買った。私、あわあわの飲み物好きじゃないんだよね。

丸の内線で丸の内サディスティックの事を考えてた。中1から高3にかけて必ずはまりますよね、この曲って。私の友達もずっとこの曲を歌っていた時があって少し鬱陶しかった。毎晩絶頂に達しているだけ〜うぅんって横で唐突にこのフレーズだけ歌われるのは鬱陶しい。今、その子はサウダージにハマってる。横で寂しい…大丈夫…寂しいのフレーズをずっと歌われるのもなかなかに不快である。
大手町で降りて乗り換え、二重橋前駅で降りた。セレブの風が吹いていた(ように感じた)。
「この展示を見にきたんですけど」警備員のおじさんに尋ねた。最近はわからないことはすぐ聞くことにしている。「あー、それはその扉で一階に行くとありますよ」指した指はエレベーターを向いてた。なかなか独特だ、エレベーターを扉と言うのは。しかし、ここは一階だ。私は既に一階にいる。聞き間違えたかな、と思って2階に上がってみる。嘘を教えられていた。普通にさっきのおじさんの横を通ったら会場に着いた。
入場を待つ客はカメラを持つ大学生か貴婦人、古物好きのおじいさんで溢れていて私は逆に嬉しかった。ありふれたくないからだ。
他の展示物はほとんど見てない。曜変天目茶碗だけを10分くらい見つめた。私は期待を膨らませすぎた。やっぱり実物は素晴らしい。きらきらだし、かっこいいし、吸い込まれる感覚。
だけど思ったよりサイズ小さいなーとか、人間が作れるものの範疇だよねーとかそういう事を思ってしまった。他に展示では黄色の虎の皿がイカしてた。
私は性格が悪いから、(これを免罪符にしようとすぐ使ってしまう。言い切りの形は怖い。いつ火がつくかわからないから自分を下げて逃げる。)国宝とか昔の人が書いた本とか本当に技術や発想、作品自体が良い事もあるけど古いくせに状態がいいから評価されちゃってるだけの物もある気がするって私は思うな。

「皇居っつったらやっぱりラン(run)っしょ」と言う若者の後ろを歩いて皇居をちょっと覗いた。人ん家の庭に入るのはどうなんだ、許可されてるとしても、という気持ちになって入らなかった。

神保町の喫茶店に行きたかった。さぼうるとかラドリオとかミロンガ・ヌオーバとか、でも大体休みだった。仕方なく全然違う喫茶店に行った。階段を降りて狭い店内でレモンケーキとコーヒーを飲んだ。カウンター席で、ウェイターさんに私の挙動が丸見えで普通よりぎこちなさが増した。人に食べるとこ見られると食べにくいんですね。最近知りました。
神保町のもう一つの目的は展示を見る事だ。女の子たちが集まってそれぞれの表現を展示していた。主催の子と友達が友達だったので話しかけてみた。話しかけるのにすごく緊張したけど話しかけてよかった。またその子と話してみたいなって思った。優しい子だった。

なんだかんだスクールバスには間に合わない時間になっていたのでいっそのんびりすることにした。世界堂でインクとペンを買った。漫画家さんが使うようなGペンとか丸ペンとか。昨日漫画を描いたからその清書に使いたいなーと思って。
それからコンビニにお金を降ろしに行った。雨の中人と傘がぶつかり合って歩いた。冷たい。悲しい。この時から怪しかったんだな、私の気持ちは。
なんとかコンビニにたどり着いたらイートインコーナーが満席になっていた。なぜかそれが気持ち悪かった。すぐに出た。
寄り道せず寮に帰るための電車に乗った。隣の海外の人が物音がするたびにキョロキョロする。そのくせスマホはピロン、ブー、ぽぴんっ。様々な音を出してる。ずっと隣の席でキョロキョロ、ブー、ぽぴんっ、キョロキョロ、ゴソゴソ。私は視線が怖かった。
自分の何かを気になられてるのはなんとなく分かったから。スマホを見て忙しいフリをした。自意識過剰なのは事実だ。しかし、話しかけられやすいのも事実だ。
駅に着いてダイソーにだけ寄った。絵の道具を買った。「うっすらやまびこ、呼びましたー?」店員が店員にこう言った。うっすらやまびこというニックネーム?!すごい!と思ったけど多分内線みたいなので応援を呼ぶ声がやまびこみたいにこだましてたんだろう。
あのダイソーの店員さんはなぜだか苦手だ。好きになれない。なんでだろう。

急にお腹が痛くなってきた。動きたくない。寮監さんに迎えにきて欲しいと言う旨のLINEを送る。なんとかバスには乗ってバス停まで迎えにきてくれた。車の中では「むかし、寮の子がアライグマ拾ってきたことがあったのよ〜。緊急ミーティングが開かれてね、1日だけなら保護していいわよって風になったのよ〜」と衝撃な事が飛び出してきた。すごい。素晴らしい。楽しい。寮でアライグマを保護するなんて夢の中の話みたい。

寮に着き腹痛の原因について話した。緊張、寒暖差、食生活。「緊張するようなとこ行かないで」と言われてしまった。なんだそりゃ。と思った。
お風呂でたまたま一緒になった子の話を聞いていた。私の心配していた事はやっぱりそうだった。あー、それは嫌だよね、うんうん。と話を聞く。私は聞き上手だと思う。痒いところに手が届く事を言えてしまう。だからよく「ここだけだよ、こんな事言うの」とか「ここしかいない」と言われる。それはポジティブな意味でもすごくストレスだ。のしかかられてる苦しみを同じ苦しみを他者に与える事ですっきりしないで。
多分私はみんなにとって自慰の道具でゴミ箱で焼却炉なんだと思う。私、あんまり秘密にはできないよ。苦しくなっちゃうから適度にみんなの秘密を漏らしてるよ。そこんところよろしくお願いしたい。

そして色々考えてたらホームシックになってきた。帰りたいよー

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