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アリストテレスがダブルチーズバーガーを食べたら絶賛するのだろうか

渋々免許

あと2か月で職業「学生」を卒業する。

そんな自分に新年早々、母親からこんなことを言われた。
「免許ぐらい取りなさい」

”ぐらい”という言葉が妙に引っかかる。もし免許が取れなかったとしたら、母親は一体どんな目で自分のことを見るのだろう。「車も運転できないバカ息子」と周りの人間に言いふらしている姿が容易に想像できてしまったため、考えるのをやめた。

そもそも自分は車なんて運転したくない。あんな鉄の塊を自由自在に操れたってカッコいいとも思わないし、何せ、もしものことを考えてしまうと怖くて手が震える。

しかし、将来地元(田舎)に戻らざるを得ない状況になったときに、車が運転できないというのはやはり不便なのかもしれない。費用は一旦払っていただけるということなので、渋々自動車学校に通うことにした。

結果、1か月で卒業できてしまった。(早期取得を目的としたプランに加入したことによる恩恵が9割を占めている)

印象に残っていることと言えば、自分が通う学校では学科教習をオンラインで受講する必要があったため、約50分間、席から離れずに真剣に画面を注視しなければいけなかったことだろうか。倍速再生中毒となってしまった自分には苦痛で仕方なかった。

後は、仮免許試験や卒業試験の試験合格者発表が試験を受けた全員の前で行われたことだろうか。各試験とも、1人だけが試験に落ちてしまうという状況に遭遇し、受かった人がその場で次の説明を聞くために残っている中、落ちてしまった人が、一刻も早くこの場から消え去りたいといわんばかりのスピードでその場を去る姿が忘れられない。自分だったら番号が張り出される前にクラウチングスタートの姿勢を取っていたいぐらいだ。

あっさりと卒業。まっ、AT限定なんですけどね。

特に何事も起きず卒業検定に合格することができた。

入学前にネットで見た「自動車学校で友達ができた!」というのはほぼ神話なのではないか、ということだけを強く実感できた1か月だった気がする。

というわけで合格発表後、独り身の男性は合格祝いの場としてマクドナルドに行くことにした。

個人的たまに行きたくなる場所ランキング第1位のマクドナルドだが、自分の選ぶメニューはほぼ決まっている。

「ダブルチーズバーガーのセットで、ポテトをLサイズに変更してもらって飲み物はスプライトでお願いします。あっ、あと単品でビックマックを1つお願いします。注文は以上です。」

「もしマクドナルドに入店したのなら、注文の際にこの台詞を言ってください」、とプログラミングでいうところのif文が、自分の脳に刻み込まれている可能性は否めない。

この注文の一番の肝はやはりダブルチーズバーガーだろう。チーズバーガーだとなんか物足りないが、かといってダブル以上にチーズやパティを重ねればくどすぎる。

皆さんも学生時代に倫理や哲学なんかの授業で、「中庸」というワードを聞いたことがあるのではないだろうか。ダブルチーズバーガーが至高の一品であるという事実は、既に古代の時代で証明されていたのかもしれない。

まだ肝心の本免許はこれから

自分で書いていて思ったのだが、運転免許証をまだ手に入れたわけではなかった。

ダブルチーズバーガーについてあれこれ語っている場合ではなかった。
もし、本免許学科試験に合格したら、「中庸」を貫いているダブルチーズバーガーを2つ食べたら、「中庸」の道を外してしまうのか検証してみたいと思う。

それでは。

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