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ダビデのたて琴

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ハープの世界で、最も大きな種類は「グランド・ハープ」といって、標準は47弦だそうです。

でも、ニューヨークの街には、もっともっと大きな "ハープ" があると、ボクはひそかに思っています。ブルックリン・ブリッジ・"ハープ"(1883年完成)とマンハッタン・ブリッジ・"ハープ"(1912年完成)です。その幾何学的な弦の重なりは、ほんとうに美しく、見ごたえがあります。

耳をすましてみてください。ハープの二重奏です。どんな音楽が聴こえてきますか?

今日は、JAZZの気分です。ハープでJAZZとは、なかなかアバンギャルドでしょ。そこへ、マンハッタン・ブリッジの上を通過する地下鉄の「ガタン、ゴトン」という響きのパーカッションが加われば文句なし。ビリー・ジョエルの名曲、 NEW YORK STATE OF MIND の世界に、ボクは首まで浸かってしまうのです。

ハープの歴史はおそろしく長いことを、バイブル(聖書)を読んで知りました。

イスラエルのダビデ王が弾いていたハープは「たて琴」と呼ばれ「最古の楽器」のひとつと言われています。少年時代、羊飼いをしていたダビデは、野原で番をしながら、たて琴を奏で、豊かな思考の海の中に身を置きました。空に広がる銀河の果てに宇宙を感じながら、きっと、自分がなぜ生きているのかを考えたと思うのです・・・。(このことは、「望遠鏡と シリウスと 微小なボクの ものがたり」の中で、ほんの少し触れました。)

さて、「たて琴」に関してですが、例えば聖書の一節にこうあります。

たて琴を弾いて*エホバに感謝せよ。 10弦の楽器を弾き,神を賛美して歌え。 (詩編 33 : 2,新世界訳聖書。*エホバとは聖書の神の名前。)

この節から、当時10弦のハープが存在していたことがわかります。何と3000年以上も前に。気が遠くなります。でも、これも、驚くには及びません。さらにさかのぼって、今から5千数百年以上前の歴史が、聖書巻頭の、創世記 4章に見つかります。

ヤバルの兄弟はユバルといった。ユバルは,たて琴と笛の演奏を最初に始めた人だった。(創世記4:21)

うーん、なるほど・・・そうなのか・・・。

音楽は人と共に在り、人は音楽と共に在り、というわけです。音楽は、遥か彼方からやって来る波のように、遠い過去から伝わって、今も、人の想いの岸辺に打ち寄せている・・・。

音楽の無い世界を想像できますか?人が生きていくのに不可欠かというと、そうではありません。でも、このコロナ禍の時代、朝 目が覚めて、気分が重い・・そんな時・・・傍らに音楽があることのありがたさを、最近ボクはよく感じます。

あなたは、どうですか?


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