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「無農薬野菜」と野菜に書けない農家

こんにちは、ふぁーむふろっぐの小山です
6月になり順調に野菜が採れ始めました。シュンギク、パクチー、ルッコラ、、、などなど。
これらの野菜は収穫をした後も、次々に生えてくるのでどんどん収穫していかないといけません
つまり、野菜をどんどん売らなきゃいけないんです

4月からの新米農家である僕は抱えているお客さんはそれほどいません
利益率は悪いがスーパーや地元の直売所にちょこちょこ出すことにしています

直売所で野菜を売ろう


去年の夏・ミニトマト

直売所やスーパーの地場コーナーには地域の農家さんが野菜をもってきて出品しています

競争相手は地域のおじいちゃんおばあちゃんになるというわけです
そういったおじいちゃんたちとまともに価格で勝負することは、僕のような零細農家にはできません、かないません 
他の農家さんが100円、120円で野菜を出す中、僕のシュンギクは200円します
味に自信があるとか無農薬野菜だから高く売る!!
ということではなく、1袋200円はとらないと利益にならないからです

ほんとはもう少し高く売りたい
同じシュンギク150gでも他より高く売りたい

これが本音です

そうなるとやはり周りとの差別化をしないといけないわけです
せっかく無農薬で野菜を作っていいるのだからそれを売り出して、付加価値を付けて、高くても買ってもらえるように、しないといけないわけです

農園ステッカーを作ろう

そこで、農園のステッカーを作ろう!!という話になるわけです
「farm frog」「無農薬野菜」
と、陳列されている野菜にパッケージが付けば
それが付加価値の印になるので200円でも勝負ができるようになるわけです
ということで、遅くはなりましたがやっとステッカーを作成しようと重い腰をあげた訳です


そこでラベル屋さんというソフトを使って簡単にやっれみるわけです

ステッカー案1

・農園名
・ロゴ
・無能野菜
・インスタのQR
とまあ、素人ながらに必要な要素のみを入れ込んだステッカーの完成です

そこでぶち当たった壁が今回のタイトルでもあるように「無農薬野菜」という商品表示についてです

「無農薬」という表示ってOK??

農林水産省のリンクです

これはすごく簡単にいうと
無農薬
という商品表示はダメ
といったガイドラインです

僕なりに解釈してみましたので書いてみます
*注 農薬使用不使用についての安全の可否を指摘する意図は含みません。

食品の表示については「食品表示法」という消費者庁の所轄の法律があります
さらに、「JAS法」というのが農林水産省と消費者庁の管轄である法律があります

今回の無農薬の表記に関するのはこのJAS法です 
JASとは聞いたことある人も多いと思いますが

【日本農林規格(にほんのうりんきかく)とは、農林物資の規格化等に関する法律(JAS法、1950年公布)に基づく、農・林・水・畜産物およびその加工品の品質保証の規格である】
ウィキペディア【日本農林規格】から

ということで、JASとは農林水産省の定めた規格で食の安全を保証するものです
これを市場で確認できるのがJASマークであり、消費者は安全を判断できるようになっています
JASマーク、、、
これがポイントです

そして、そのJASの中に「有機JAS」というものがあります
有機JASを取得した生産物のみがこの有機JASマークを付けることができ、「有機栽培」「有機野菜」「オーガニック」という表示ができるようになります

有機JASの取得がない生産物はこれらの表示ができません。法令違反になってしまいます


では「無農薬」という表示についてはどうして
ダメなんでしょうか?

まず、無農薬という言葉を聞いた時に
「有機栽培」「無農薬栽培」が並んでいた場合、どちらが良い気がしますか?

多くの人は
どちらも身体や環境に良さそう、と思うでしょう

しかし、オーガニック畑の人なら「無農薬」という言葉のほうが安心出来る人が多いんじゃないでしょうか
それは、有機栽培(有機JAS)には使える農薬があるからです
有機JASでは有機JAS認定のある農薬は使用ができます
これは無農薬とは言えないでしょう

つまり、有機栽培よりも無農薬栽培のほうが優れている!といった論法が成立する訳です
そうなると
「有機栽培」「無農薬栽培」
という野菜が並んでいるときに消費者は無農薬がいいな〜ということになってしまうと

最初の農林水産省のガイドラインではこれを「優良誤認」と言っています

国の規格をクリアしたJASマークよりもそのへんのテキトーに栽培した無農薬野菜のほうが優れて安心だ!と多くの人に思わせてしまう可能性がある
ということが「優良誤認」だと言うのです

それはその通りです
有機JASの取得には大量の書類とお金と時間がかかります
「有機JAS」という規格の信頼を守るためにもこのガイドラインは必要なのです、、、

と、思った次第です

じゃあ、無農薬農家はどうしたらいいの?

差別化ができないとなると、無農薬で野菜を作っていても表示できなければその野菜は消費者から見ればただの野菜です


https://www.maff.go.jp/j/jas/jas_kikaku/pdf/tokusai_qa.pdf

農林水産省のガイドラインのQ&Aというものです
ここでは
(Q6)「無農薬」「減農薬」「無化学肥料」「減化学肥料」の語を表示してはならない のはなぜですか。 また、どのような表示なら許されるのですか。

6.なお、農薬を使用していない農産物には「農薬:栽培期間中不使用」と、節減対象農 薬を使用していない農産物には「節減対象農薬:栽培期間中不使用」と表示し、節減対 象農薬を節減した農産物には「節減対象農薬:当地比○割減」又は「節減対象農薬:○ ○地域比○割減」と節減割合を表示しなければなりません。

と上記の問答があります
つまり、無農薬の野菜の場合は
「農薬:栽培期間中不使用」
と表示すればいいわけです
そしてこのガイドラインに忠実にステッカーを作るとこんな感じになります


追加部分は拡大するとこんな感じ

んーん、、、
これはちょっと美しくない、、、、と思うわけです

これ書かなきゃいけないなら、書かなくてもいいかなーーーって

小山の結論

そして悩んだ末に完成(仮)したステッカーがこちら

完成(仮)

無農薬というの字を取り除きシンプルを求めた、この形になりました
空いたスペースには「シュンギク」とか「パクチー」とか書けばいいかなと思ったわけです

無農薬という表示をあきらめたのは、
「ふぁーむふろっぐ」=「無農薬」であることを認知してもらうことを頑張ろう!という 方向性で行こうという決意です
直売所でも販売するが、買い手はふぁーむふろっぐのファンである、
という状況を作りたいと思うわけです

野菜買ってね

ということで皆さん!
近くのスーパー
・デリシア桐店
・デリシア波田店
・わいわい広場(浅間温泉・玉の湯)
などで、このシールの貼ってある野菜を見たらぜひ買ってください
無農薬で作っていますので!!


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