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Jean Paul Hevinで自分を癒すバレンタインデー ー 私にとってのバレンタインデー

 今日は2月7日。一週間後はバレンタインデーだ。最近のバレンタインデーは、娘の友チョコを選んだり、夫への義理チョコを探したりする事で、過ごしている。しかし、数年前のバレンタインデーは、豪華に自分だけのために過ごした。

 当時は娘もまだ小さく、べったりの毎日。それはそれで可愛いのだが、たまには自分の時間も欲しい。そんなときに訪れたバレンタインデー。娘を母に預け、適当な言い訳をして外に出た。そして、一目散に東京ミッドタウンにあるJean Paul Hevinを目指す。

 店内にはカップルが多く、一人客はまれだ。そんな事は気にせず注文。ショコラフランボワーズケーキと紅茶を頼む。男性店員にしずしずと運ばれてきた品々。図々しくも写真撮影を要求。すっかり執事カフェのようだ。SNSにもアップして、優雅な日常を過ごす自分を演出した。

 ここでエネルギーを注入し、日常へと戻った。しばらくは理不尽な娘の態度や、家族の暴言も気にならない。

 以前は東京にはこれほど、高級ショコラトリーはなかったと思う。私がフランスから帰国した2002年以降、六本木ヒルズや東京ミッドタウンが出来た頃から、日本の高級ショコラトリーブームは始まったように思う。

 パリ滞在中には、サロン・ド・ショコラも訪れた。これは高級ショコラトリーの展示会、といったものだが、実際はパリ中心の会場で開かれる、ショコラのお祭りだ。たくさんの人が行列を作って入場を待つ。入り口で10ユーロ程の入場料を払い、様々なショコラの試食、シェフのデモンストレーション、ショコラの購入などが楽しめる。人々とショコラの強い結びつき、ショコラの歴史を感じさせるイベントだ。昔、「ショコラ」という映画もあったが、ショコラは人々を幸せにする一種、薬のような役割を果たしていると思った。

 という訳で、今のバレンタインデーは私にとって、若い時に経験したヤキモキするものではなく、自分を癒すものになっている。しかしたまに、昔チョコを送った相手をSNSで探すのは、やめたい習慣である。

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