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誰も置いて行かない

みなさまこんばんは。
ましこと言います。

わたしはパラレルワーカーで、地域子育て支援拠点の専任職員として子育ての初動に関わりながら、17年目を迎えるベビーマッサージ教室の運営という2つの顔を持ちます。そのほかには、居宅訪問保育(産後ケア・一般保育・送迎・病児)、子育て支援者の相談室 、子育てサロンの経営相談なども行っています。

今日のテーマは「誰も置いて行かない」です。

地域子育て支援センターという場所には、様々な年齢のお子様と保護者様が集います。わたしの配属先は0歳から未就学児までと幅が広いのが特徴で、その年齢の幅の広さがとても魅力で、小さな子は大きな子たちの遊び方を見て学び、大きな子たちは自分より小さな子たちの接し方を学びます。歩いている子ども達を見て、うつぶせの姿勢の赤ちゃんが興味を示し、ずりばいを始めたりすることもあります。

生まれたばかりの赤ちゃんをみんなで囲んで「かわいいね」と言いながら、足を触らせてもらったり手を触らせてもらったりしていると、赤ちゃんは新生児微笑で答えたりしてくれます。そうすると保護者様、周りを取り囲む子ども達やその保護者様も笑顔になります。

もちろん、異年齢の集う空間ですので、このようにいいことばかりではないときもあります。

一番多いのは物の取り合いです。

使いたい側のお子様にとっては、他のお友達が使っている物に興味を示すのは当然で、探求心と好奇心の表れであり、端的にそれが欲しい場合もあれば、他のお友達と関わり合いたいという心の成長である場合もあります。1~2歳児によくみられる光景です。

使っている側のお子様にとっては、あとから来た子に自分のおもちゃを取られたくない一心で拒否をします。これも成長の一段階「自己中心性」という特徴で、 これによって子どもは常に、自分の視点を中心にして周りの世界を見ています。

3歳前後の年齢の子どもに必要なのは、お友達に「おもちゃを“貸して”」と言われる経験をさせることだと思っています。

3歳頃の子どもは、自分のものという気持ちが強くなる一方で、「〜するべきだ」という周りの状況を見て考える力も育ってきます。

最初は自分の気持ちを優先しておもちゃを貸すことができなくても、周りの人の気持ちを知る機会を重ねることで、少しずつ「お友達に優しくしよう」「お友達に喜んでもらいたいな」という気持ちが高まっていきます。

では、それぞれのお子様の保護者様は、どうやってお子様に向き合い、どんな声かけをすればいいのでしょう。

双方の親子共に互いの成長のチャンス、機会損失にならないような働きかけができたら嬉しいなと思いながら仲裁に入っています。


先日、ある保護者様がお子様にこう諭していました。

「あのね、ここは支援センターなの。家のおもちゃとは違うんだよ。支援センターのおもちゃはみんなのものだから自分だけひとり占めできないんだよ。」

事実をありのままに伝えた保護者様のこの言葉に、支援センターの在り方が凝縮されていると思いました。

子育て支援センターは、誰か特定の利用者のための遊び場ではなく、そこには忖度もあってはならないと思っています。私達支援員がするべきことは、保護者様のご機嫌取りの接客や託児ではなく、保護者様やお子様達の成長のチャンスを公平に分配できる場づくりだと思っています。

歩くのが楽しくてふらふらしながらも自分の足で遊びとして歩いている。
お友達のものに興味を持って触ろうとする。
気に入らないことに癇癪を起す。
そして大泣きする。

これらは子どもの成長の正しい姿であり、暖かく優しく見守っていきたいと思っています。

歩いている子どもは危険ですか?
お友達の持っているおもちゃに興味を示すことは不自然ですか?
気に入らないと癇癪を起すことその場にいることは許されませんか?
思い通りにならなくて泣いている子どもは認められませんか?

そんなお母さんの気持ちわかりますか?

あなたならどうしますか?


みんなを許容と受容、包括するのが支援センターの役割だと思います。

わたしは16年の保護者支援の経験はあるとはいえ、支援員としてはまだ2年。使える時間の多くを支援員の学びに充ててきましたが、それでも自分の力不足を認識しています。

ですが、共存共助を絶対に諦めません。

わたしはプロフェッショナルでいたいから涙は流しませんでした。わたしの仕事は泣くことではなく、場づくりの見直しや、適切な声掛け、公平性を担保し、安心の場を考え続け実践していくことだと思っています。

誰も置いて行かない。
そう覚悟を決めています。

ましこ



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