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おやこ壁面制作への思い

みなさまこんばんは。
ましこと言います。

わたしはパラレルワーカーで、地域子育て支援拠点の専任職員として子育ての初動に関わりながら、17年目を迎えるベビーマッサージ教室の運営という2つの顔を持ちます。そのほかには、居宅訪問保育(産後ケア・一般保育・送迎・病児)、子育て支援者の相談室 、子育てサロンの経営相談なども行っています。

今日のテーマは「おやこ壁面制作への思い」です。

来月の支援センターのお便りを入稿しました。

そこに書き記せることは立場上限られるのですが、支援員としての自分の気持ちを綴れる貴重な300文字。年度末の大切な時期に保護者様に贈る言葉として、昨年と同じくテーマはおやこ壁面制作への思いとしました。

ここでは伸び伸びと自分の気持ちを書き残そうと思います。

わたしが入職した2年前に見た支援センターの景色は、けっこう衝撃的だったので、今でも鮮明によく覚えています。環境設定、安全管理、遊ぶ意欲、遊ばせる意欲、そして職員のやる気、どれも基準値に達していない状況に言葉を失いました。

子育ての経験しかない職員2名で頑張っていたとは思います。がしかし、ここは自治体直営の支援センター。民間以上に充実した支援を求められるのは当然です。ところが、子育て支援拠点の基本4事業である、場の提供、情報の提供、相談業務、講習会の開催という4事業のいずれも目を覆いたくなる状況だったのです。

そんな状況で事業形態(民間の乳幼児教室の運営者)が違うとはいえ実践経験者である入職したばかりの職員である自分が、どう変革させていくかは容易で、最初に取り組んだのが、親子遊びの会を崩し、日常でやってきた乳幼児教室の指導案に差し替えること。これは数字が作れる確信もあり、自分が得意としていることでしたので、まずはここから着手しました。

当時驚いたのが、親子遊びの会の申込者が1組とか2組という状況だったことで、他県他市の多くの支援拠点では、親子遊びの会は満員御礼の人気の講座のはずです。入職して1週間ほどたったころ、その親子遊びの会が開催され、内容を見たときのことも、今でもよく覚えていますが、演者である職員を見て、人が入らない理由はすぐにわかりました。

厳しいようですが、参加が決まってる利用者に忖度してあの子は電車が好きだから新幹線でゴーとかと内容を作る親子遊びが、万人に受けるわけはありません。

季節の歌、わらべ歌、絵本、パネルシアターやエプロンシアターを中心に、簡単に演じれるペープサートからはなるべく離れ、紙芝居にこだわる職員を説得し演目から外し、日々の利用者さんのお子様達の月齢、楽しいと思える親子の触れ合いを中心に演目とタイムテーブルを組みたいので、一度わたしに任せてもらえないかと一回り以上若い職員に頭を下げました。そしてわたしが強く半ば強引に決めたおやこ壁面制作を押し込むことになります。

一番最初に作ったのは、画用紙にシールを貼るだけの簡単なものでした。それをセンターの壁におやこ壁面コーナーを作り、1カ月間掲示させていただくという仕組みを作りました。

2年前の7月だったと思います。

おやこ様で簡単な制作をした作品を、センターに掲示する。それだけで、参加してくれた保護者様はみんな本当に喜んでくれていました。この時は職員が揃っていたので、制作したものをその場で掲示することができていたので、保護者様の喜びもひとしおだったのだと思います。みんなスマホを片手に、嬉しそうにわが子の作品を写真に収めていました。

わたしはその光景を今でもよく覚えています。
保護者様が笑ってる、その姿が本当に嬉しかったな。

そしてこれ以降、拠点の親子遊びの会は、毎月予約開始と共に満席となる人気講座となりました。現在は、製作が楽しみで12か月コンプリートしてくれる保護者様もいらっしゃるくらいの人気です。

保育園や幼稚園に入園すれば、子ども達が作った作品は毎月十分に見れるし、保管場所に困るほどご自宅にも持ち帰れます。ですが、親子で共同制作できるチャンスというのは、子どもが大きくなるまでの期間で思っている以上に少なく、口に入れそうになったり、思うように手が動かず親主導で作ったとしても、わが子と一緒に二人で作った思い出というのは、かけがえのない時間であり、思い出というストーリーのある作品だと思っています。

拠点では、毎月個性豊かでとても素敵な作品が掲示されています。

わたしは、そんな作品を見るたびに、子ども達の遊びの提供について考えます。自分で想像し、考え、今できる手つきで作る作品は、どれも躍動感があって、閉室後に消毒作業を一人行っているときに見上げる壁面を見るたびに明日も頑張ろう!という元気をもらいます。

子ども達の主体的な遊びは、スモールステップに見える時もあるかもしれませんが、月齢年齢関係なく、職員は参加の方法を工夫し、レジリエンスを支援センターで育めたらいいなと思っています。

3月は1年間の親子遊びの会で好評だったものをメドレーでやろうと思います。去年も今年も事情があり欠員で、一人で演じることになりそうですが、今からとっても楽しみです。1年前と現在の同じ演目の反応の違いを楽しんでくれたら本当に嬉しいな。

わたしのいる子育て支援センターは、特別なことは何もないけれど、何か暖かい風に包まれ、助け合い、譲り合い、思いやり、そして共助、ピアサポートが生まれているステキな地域の居場所だと確信しています。

ましこ


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