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日記・自然と同調できた人々

こんにちわ、ここのこです。
秋風が肌寒く、この冷たさが心地よいと感じる季節。
感覚を表せるようになるため、言葉に多く触れてみようと、万葉集を手にとりました。

多くの詩で月や霧、雪、花々などがでてくる美しい表現があり、昔の日本は自然との境界がとても曖昧な人だったと思います。
その中でとてもお気に入りとなった詩は

君がいく 海辺の宿に 霧立たば 吾が立ち嘆く 息と知りませ

万葉集  巻15 3580

遣新羅使に加わった夫を見送る妻の歌で、
あなたが行く海辺の宿に霧が立っていたならば、それが私の立ち嘆く息だと知ってください、という意味です。

古来の日本人の信仰で、ため息が霧となると考えがあったそうです。
何度もつくため息が広がって、眼前に現れるーーー
心、魂が自然に影響を与えているようなこの詩が美しくて、魅了されました。

・・・・・・

霧の立つ静かな海辺
自分の魂が小さな粒子となって溶け出して
霧と共に広がっていく

粒子は風と共に広くひろく
葉にあたり、水に溶けて、気流にのって
空気の微細な振動を感じる

ああ、生きているんだ
土地も葉も、空も


・・・・・・

詩を読むと、過去の人たちの自然との溶け合う感覚が流れてきます。
自分という自我が、今よりも薄い古来の人々。
対して自分にも周囲にもたくさんのものに名前を付けて、区別が明確にされ、壁の厚い現代人。

自然と共生しよう、配慮しようなんて考えなくても、当たり前のように大切にしてする。
そんな感覚を私も得たいと思った、今日の日でした。

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