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アンチ「とろろ」の私が「とろろ」と和解するまで

 こんにちねぎねぎ。ここのやさいです。
 すっかり新潟市も春の雰囲気ですね~。私は「春陽(はるひ)」というバチゴリに春生まれの陽キャみたいな名前でいながら、春が少し苦手です。ていうかアンチ春。新しいことに進む浮足立った感じとか、新生活しんど~とか、そんな感じでアンチ春(根拠薄い)。陰湿な性格がよく出てるよね。

 さてさて、私、八百屋さんなんですけどね、「嫌いな野菜はありますか?」とよく聞かれることが多くてね。いつも「アボカドと銀杏です」と答えています。どちらもたぶんだけど果物だよね。
 そんな私ですが、もうひとつ苦手なもの(正確には苦手だったもの)があって。それが「とろろ」。ええ、あれです。長芋をすりおろしたアイツ。あれの良さがずっと分からなくて、時々食べてみてはやっぱり無理を繰り返していました。

 が、この仕事をするようになって、長芋を取り扱うようになりました。ごぼうを作っている農家さん(「米山米雄」さんっていう、お米を作るために生まれてきたサラブレッドのような人)が長芋も作っていて、この規格外品がとにかくたくさん出る。根菜は掘ってみないとどんな形か分からないのと、長芋ができる環境はしっかりめの「土」の畑。砂とは違って栄養を蓄えられるからおいしい長芋ができる一方で、まっすぐに育つかはちょっと微妙なのが土の畑。

豊作〜!でもこの形は売れないそうです

 

おててみたいだけど1本指詰められてる🫨

 今シーズンは、長芋がたくさん採れました。で、私はことごとく「とろろ」の調理法を避けて食べていたわけです。刻んで生で食べたり、焼き浸しにしてみたり。とろろ以外ならおいしく食べられたから。

長芋とネギと油揚げを焼いて、白だしと酢に漬けて焼き浸しにするのがおいしい

 でも、長芋をおやさい定期便に入れるときに、やっぱりみんな「とろろ」で食べるよなぁと思うようになって。そんな時に、実家に持って行った長芋が「とろろ」として出てきたのです。味付けは、無印良品の練り梅。これめちゃくちゃ手軽なのに梅の香りがよくて、野菜の料理にとっても合います!一家に一台(?)ぜひ。

 そうしてシンプルな味付けで突如登場した「とろろ」。こんな機会がないときっと挑戦しないだろうと思い、ごはんにかけてみたら、え、ふつうにうま~~~~。たぶん嫌いな人だけが敏感に察知する「嫌な臭み」が全然なくて、みずみずしくておいしい。梅があったから食べられたんだろうとは思うけど、今では梅味なしでも食べられるようになりました。かけぽんというおいしいポン酢で食べてます。

 じつは、定期的に嫌いな食べ物には挑戦している私です。この間も、超苦手な食べ物「レバー」を、スパイスカレーでちょっとだけ食べられるようになりました(たぶん焼き鳥とかだと全然むり)。でも、先述したアボカドと銀杏は年イチくらいで挑んでるけど毎回普通に吐きそうになる。まだ先は長いけど、残り50年くらいで克服できればいいかなと思ってる。
 自分のお店で扱うようになったからなのか、米雄の長芋が特別おいしいのか、何が原因なのかは分からないけれど、私は今空前のとろろブームを迎えています。さあ、今週の定期便はもちろん長芋。元アンチとろろの私でもおいしく食べられる、掘りたての長芋をぜひ、「とろろ」にしてめしあがれ!おあとがよろしいようで。じゃ、また。

ぎゅうぎゅうのとろろ丼。みそ汁にもとろろ入れると超うまいよ

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