みんな大キライ暴露反応妨害法


このページにたどり着いてくれた人はきっと、強迫に悩んでいて、なんとかしたいなぁと思っている人か、その家族なんじゃないかと思います。


そして、そんな人たちが一度は聞いたことがある治療法、


そう、


みんなが大ダイだいダイだ~~~い嫌いな、暴露反応妨害法

について、今回は書こうと思います。



「暴露反応妨害法」


そもそも、漢字の見た目がイカツイし、なんだか響きも恐ろしい感じがしますよね。

私も、バクロハンノウボウガイホウという音を聞くと、なんだか胸がバクバクしてきて落ち着かなくなります。


なんでかな~と考えると、


「暴露療法では、不潔恐怖の人には、トイレ便器に溜まっている水の中に手を突っ込んでもらうのが、治療です。」

と聞いたことがあって、


は? 


トイレの便器?



いやいや。

いやいやいやいやいや。

過激!!

過激すぎっす。イスラム過激派よりも過激っす。

ムリムリ。コワイコワイ。

いやいや、てか死ぬ。死ぬ死ぬ。そんなことしたら死ぬ。

ムリムリムリ。

そんなこと、普通の人でもしないしゃないか~~~
そんなことできたら、苦労しませんから~~~~


と拒否りまくった記憶がよみがえってきました。10年以上前の話です。


おおかれ少なかれ、む~~~~ちゃくちゃ嫌なことを過激にやって、ショック療法的に治すイメージ。過激なイメージ。非現実的なイメージを持っている人が多いのではないでしょうか。


そりゃ、みんなキライだよね。


ただ、最近、ちょっとしたきっかけがあって、久々に本を読んだりして、暴露療法を調べて見ると、トイレに手を突っ込むだけが、暴露療法じゃなさそうということがわかったんで、暴露療法嫌いなみんなにも情報をシェアしたいと思います。


暴露反応妨害法の本質はどうやら、

暴露して、その後に、反応するように強迫行為をするのを自分の意思で妨害すること

であるようです。

つまり、暴露といっても、不潔恐怖の人が、トイレの便器の水に手を突っ込むような過激なことではなく、つり革をつかむとか、そういう穏やかなことに暴露するのでも全然OKということだそうです。


①暴露

つり革をつかむ


するとどうなるかというと、

つり革なんて、私より前にどんな人が触っていたかわからない、汚い、気持ち悪い。という強迫観念が出てきて、不安になるわけです。


②反応

そして、そこで、ふだんはすぐに手を洗うか、除菌ティッシュで手を拭くかして、不安を和らげるわけですが、


③妨害

そこでスト~~~プ。

ちょっと待って! プレイバック!プレイバック!

つり革に触ったあと、何もせずに、しばらく(5分ぐらい)待ってみようという話です。




いやいや、5分待って、なんの意味があるんですか?どうせ5分後に、私、手を洗いますよ。という声が聞こえてきますね。


いいんです。洗ってください。ただし、5分後に。



なんでわざわざそんなことするかというと。

その5分間の自分の不安の変化を自分で観察するためのようです。


具体的には、5分間とか10分間で以下のような気分の変化が観察されると思います。まず、つり革にタッチした瞬間、汚いな~。いつもこんなことできるだけしないようにしてるのに~。不快だな~。イライラするな~という不安感が一気に上昇します。ただ、この不安感が無限に増えていく~~~と思ったら、ある程度のところで頭打ちになって、


「ん?気持ち悪いし、汚い感じはするけど、なんかイライラ感は、峠を越したような気もするなぁ。いや、汚いのは汚いと思っているには違いないんだけど。」となると思います。グラフに表すと以下のような感じですね。




1回目5分でやったら、次は、10分やってみると、さらに、その不快感、イライラ感として感じられる不安感は減っていくのがわかると思います。



そう!



もうみんなお分かりの通り、触った直後にめっちゃ不快になって、ずっと不快なままなのかと思いきや、時間とともに減少するということに気づくことじたいに、暴露反応妨害法の本質があったのです!!図中の青矢印を感じるためにやるといってもいいぐらいですね。





え。それなら、できそうじゃないか!じゃあ、なんで、僕たちみんな、あんなに暴露法って聞くだけでイライラし、ムカつき、大キライだったんでしょう。

それは、きっと、トイレの便器の水に手を突っ込むみたいな、過激な例の印象が強くて、

「そんなことしたら死んでしまう。そんなことできない。」

という治療法として、非現実的なイメージと、スーパー過激なイメージがあるから嫌いなんですね。きっと。

図のようにそれをやったら、死亡ラインを突き抜けた不安が脳を支配して、死んでしまうんじゃないかと思っているから恐ろしいんですね。






そうとわかれば、死亡ラインの遥かに下の方に位置する「つり革」ぐらいだったら、やってみてもいいんではないでしょうか。





だって、僕たち、暴露反応妨害法、大キライだけど、なんでこの治療法が頭から離れないって。

それ以外の治療法って聞いたこと無いし、うすうす気づいているんですよね、やるしかないって。



とはいえ、

あ~やるの嫌だな~~~。ブツブツ




どうでしたか?あ~いっしょいっしょ!とか、ここが参考になった。やってみたけど、こんな風にならなかったとか、コメントもらえると嬉しいです。

Eメール:  kokoronote119@gmail.com
ツイッター: @kokoro_positive
まで



強迫性障害から立ち直っていった先輩方のお話は、

「A. 実話 強迫性障害を克服 した」シリーズ  に

他にも

「B. 必ず間違うOCD家族」シリーズ
「C. 強迫のハゥトゥ 」シリーズ

などに記事があるので、よかったら、参考になさってください。




治療法とかの詳しい内容は強迫関連の本になら、けっこう載ってるけど、、シュウォーツのおっちゃんの本 https://www.amazon.co.jp/dp/4794222548
とか、
ランズマンのおっちゃんの本 https://www.amazon.co.jp/dp/4791109538
が、読み応えがあったかな。ご参照くださいませ。


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