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ワールドカップ・新海誠・野田洋次郎にみる「信」のちから

2022年12月5日現在、ワールドカップはいよいよ決勝トーナメントに入りました。ご存知のように日本代表はドイツ・スペインを破り、決勝トーナメントに進出しましたね。スペイン戦前の日本国内での論調はドイツを破った歓喜の空気から一転、コスタリカ戦の敗戦で最後の失点を招いたディフェンス陣の戦犯追求やら、事前予想ではコスタリカを7-0で下した強豪スペインには勝てないだろう、といった論調もある中、どんよりとしたムードが漂っていました。
毎日のそうしたマス報道やSNSが過熱する中、日本代表は大方の予想を裏切る形でスペインを2-1で下し見事に勝利しました。

決勝トーナメントへの進出を決め、報道された各選手のインタビューを聞く中で、なるほど!と思ったのはゴールを決めた堂安律選手、浅野拓磨選手、田中碧選手たちは「優勝するんだ」という明確な目標を持って今大会に臨んでいたことでした。
マスコミ報道では、初のベスト8を目指す森保ジャパンと言われていましたが、まだまだ若い先の3選手は「優勝」を目指している訳です。

これは強い「信」の力の結果なんだな、と思いました。
最後に、どこかの段階で負ける事が前提されているベスト◯◯という目標を持つのと、最後まで負けないことが前提である「優勝」とでは、目標設定次元がはっきりと違います。
同様に「優勝」を胸に秘めて臨んでいる他の選手もいるかも知れません。
これらチーム全体の「信念」がチーム全員に共有されて、強い集中力を持ってゲームに臨む時、勝利が引き寄せられてくる。そういう事なんじゃないかと思いました。
森保監督は予選の戦いの中で後半に堂安選手や三苫選手を投入する事が多々ありました。交代した選手たちが必ず結果を出すという事を信じる監督。最後まで負けない「優勝」を目標にする選手たち。
今大会の日本代表は「信」が生み出す力によって支えられている、そんな事を感じます。日本代表の「優勝」を信じ今後の決勝トーナメントの行方を見守りたいと思います。

そして「信」の力による達成の、また別の形をご紹介します。

12月4日放送の『関ジャム 完全燃SHOW』は新海誠作品の映画音楽特集でした。その中で映画『天気の子』について出演者から新海監督に以下のような質問が投げかけられました。

RADWIMPSのエンディング曲『大丈夫』が流れながらラストシーンの映像が展開する。

歌詞:「大丈夫?」ってさぁ君が気付いてさ聞くから 「大丈夫だよ」って僕は慌てて言うけど
セリフ:陽菜「帆高。どうしたの?大丈夫?」
帆高「うん、陽菜さん、僕たちはきっと…」
穂卓「大丈夫だ!」
歌詞:世界が君の小さな肩に

というようなエンディングに際して、新海監督は

「最初、この映画をどういうふうに、どういう言葉で、終わらせていいか、自分でわかってなくて、最後の言葉がまだ聞こえてなくて…。で、洋次郎さんが教えてくれるんじゃないかって、最初からアテにして空けておいたんです」と答えます。

野田洋次郎さんは「大丈夫」という言葉を携えて新海監督にプレゼンします。こうして監督ではなく、劇伴楽曲をつくる野田さんが生み出した歌詞から公開年になって最後のラストシーンが作られていって上のような映像と歌詞とがピタリと組み合わさった刺さるラストシーンが描写されたとの事でした。
これまでの映画づくりでパートナーシップを築いてきた野田洋次郎さんと新海監督のお二人の信頼関係に基づく驚きのアニメ映画づくりに関ジャム出演者一同、驚いていました。

この話を聞いて従来の映画づくりの枠組みや常識を超えた、新海監督と野田さんのクリエイティブプロセスと2022年FIFAワールドカップ日本代表のメンバーと監督が持つ「信じる」力というものは、とても近しいものがあると感じています。


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