ダイエット6 ―栄養より大切なもの―

(読了目安10分)


マスターの父の話の続きと、「日本の栄養学では説明できないすごい人たち」の写真などです。


「ダイエット」の話から少しそれるところもありますが、内容は「愛をそそぐための話」で一貫していますから安心してください。
また、今後みなさんが人生最後のダイエットを成功させ、愛を発信できる人になるための大切な内容でもあります。



では始まりです。



◎栄養より大切なもの


マスターの父は、玄米菜食を中心とした食生活と、水泳、ジョギング、自転車、登山を趣味として、身体を鍛えていました。
フルマラソンをいくつも走り、ハーフトライアスロンにも参加し、日本の著名な山々にも登りました。
その後「さらに高い山に登りたい・エベレストを見たい」と、ネパールに旅立ちました。


やる気満々でネパールに乗り込んだ父が見たものは・・・自分より重い荷物を背負って歩くネパール人たちの姿でした。
しかも自分より身体は細く、年輩の人もいました。


彼らは、父が日本で学んだような食事法や運動法などは、全く実践していませんでした。
質素な食事をとり、日々の生活をしている普通の人たちだったんです。


彼らの生活を観察した父は、ただ驚くばかりでした・・・



以下、ネパールの父から届いた手紙の続きです。


それでちょっと観察したんですよ。
そしたら、日本で勉強した栄養学にはない素晴らしい栄養素が見えてきたんです。

その栄養素は、


「おいしい空気、よく働きよく笑いストレスがないこと」

これです、こうとしか説明ができないんです。

彼ら、ストレスがないんですよ。
ストレスがない身体は、効率よく栄養を吸収できるんじゃないかと思います。
たとえば、これはぼくのイメージですけど、空腹のときは、身体中の細胞が両手を広げて食べ物が入ってくるのを待っているわけです。
そして、食べ物が入ってきたら、一つ一つの細胞が、よってたかってその中の栄養を全部吸収するような感じです。

重い荷物を背負ってるのに裸足で歩いているんですよ。
重さ50キロですよ50キロ、それで何時間も・・・すごい人は、100キロの荷物を背負って1時間歩くんです。
マスターに彼らの写真送りますよ、ほんとにすごい人たちがいるもんですね。

それでぼく、いろいろあってネパールが好きになりました。
ネパールに住もうと思います。



こんな感じで、父はネパールに住んでしまいました。
2022年現在、ネパールに住んで30年になろうとしています。


ここで興味深いことがあります。


ネパールの山奥に住むからには、日本で実践していた「玄米菜食」なんて不可能ですよね。
お金があればできるかもしれませんが、父は、ネパールに住むことを決心した時、玄米菜食をやめ、ネパール人と同じ食事を摂ることを決めました。
白米と菜っ葉とチャイを中心にした、油、塩、砂糖をたくさん使った食事です。


ネパールに住み、ネパール式の食事に切り替えた父ですが、食事のせいで体力が落ちたと思います?


彼は80歳を過ぎた2022年現在、山奥に住みながら今もNGO活動をしています。
日本からのスタディーツアーの団体を、年間10から20ほど受け入れていますが、同行者の日本人の話によると、今も山道をスタスタと歩けるんだそうです。
(70代のときは体育大学の学生よりも速く歩くときがあったそうです)
これは、日本で学んだ栄養学では「落第」のネパール式の食事を摂り続けても、食事が原因で体力が落ちることはなかった、ということの証明と言えます。


では、「栄養学もいいけど、楽しくやろうぜ!」という彼らの写真を見てください。
写真の父は60~65歳です。


日本で実践した栄養学では説明できない体力の人たち

赤いシャツが父




ごはんとおかず (真ん中のおかずには油が浮いています)
これは日本人向けに出された高級バージョンです 
普段、動物性蛋白はほとんど食べず、特別な日に食べるだけだそうです

ネパールの食事




こんな場所を、こんな荷物を背負って、何時間もサンダルで歩いています

バランスをとって歩きます




左の父より細くて小柄ですが10~15キロの箱を5つ(合計60キロ以上)背負って歩きます
本人の体重より重い荷物です

ひとつ10キロ以上の荷物を5個




車が通れないので長時間の移動です (中央が父)

細くて小柄な人たちですが体力があります



参考までに、ネパール人の平均寿命は日本より短いです。
理由は、急病や大ケガの対処が遅れることにより、子供の死亡率が高いことと、医療制度の問題、たとえば保険制度がなくて治療費が払えないため病院へ行かなかったり、行ったとしても設備不足や医療行為のレベルの低さにより死亡するからです。
健康な成人は写真のように強靭で、健康なまま80歳を超える人も普通にいるようです。
そして、食べる物は、一生、上にあるような白米と菜っ葉と豆のスープです。



実はマスターも、「栄養」や「体力」に関しては、栄養学では説明できない以下のような経験をしています。



◎マスターの夏


マスターの仕事は、夫婦で経営する飲食業で、マスターは調理を担当しています。
観光地で経営しているため、夏休み、特に8月の1ヶ月間は、年間を通して最も忙しく、食事を摂るヒマがないほどです。
そのため、一番忙しかった年は、1ヶ月間で体重が4キロ落ちました。


食べるヒマがないほど働き、1ヶ月で4キロの体重減・・・この状態だと、お腹がすいて体調が悪くなると思いますか?
それが、お腹はすきませんし、体調は悪くならないんです。
忙しくて空腹に気付かないのと、気が張っているためか、体調の悪化もありません。


夏の間は厨房の中だけでしか動きませんから、運動不足になります。
夜中の12時を過ぎても片付けや仕込みなどが続き、もちろん寝不足になります。
食事も不規則で簡単なものしか食べません。
当時、まだ乳児の子供たちの世話をしながらの経営だったので、睡眠時間は5時間がいいところで、ミルクやオムツの関係で断続睡眠になります。
しかもマスターは、国で指定された消化器系の難病で、安静推奨です。
栄養学・医学的には100%落第ですが、それでも体調を崩すことなく夏が過ぎていきます。


一方で、マスターより若く健康体のスタッフ(泊り込み)でも、1日8時間の仕事で疲れてしまう人がほとんどです。


マスターより睡眠時間は長く、食事(栄養)も摂っているんです。
休憩時間もあるし、散歩の時間もあるし、夜中に何度も起きて子供の世話をしなくていいんです。
条件的にはスタッフの方が圧倒的に健康的な生活ですが、連日忙しい日が続くと、だんだん声も小さくなり、笑顔も少なくなり、「疲れ」オーラが出てきます。


まとめると以下のような感じです。


<マスター>
15時間労働 5時間断続睡眠 不規則な2食の少食 難病 中年 体重4キロ減


<スタッフ>
8時間労働 7時間以上睡眠 規則正しい3食 健康 若い 体重変わらず



このデータだけ見たら、間違いなく「マスター」の身体の方が厳しいはずですが、事実として、マスターの方が元気でいられます。


マスターとスタッフ、なにが違うか、わかりますか?


簡単に言えば、「人生を楽しんでいるかいないか」の差なんです。
「目的意識の差」と言ってもいいかもしれません。


マスターが悪条件でも働けるのは、好きな仕事で利益が上がる喜びや、家族のために仕事をしているという喜び、入院もせず働けることに対する感謝の気持ちなど、ポジティブな感情が動力源になっているからです。


スタッフの中にも、目的意識の高い人はいますが、多くは、「生きる意味を模索中」の若い人たちなので、「幸せをもらおうとしている人」がほとんどです。

「こんなにがんばったんだからご褒美が欲しい」
「こんなにがんばったのに誰も褒めてくれない」
「なんでこんなに忙しいの?」

という感覚です。

「こんなにがんばれた健康がありがたい」という感覚になれないわけです。
ですから、自分の意識で自分を追い込んでしまっていると言えます。
「自分で自分を幸せにできない・自分の幸せに責任が持てない」ということです。


では話を戻しましょう。

父が日本で学んだ栄養学を実践し、マラソンやトライアスロンに挑戦するほど身体を鍛えても、文字も読めないネパールの山奥の人たちよりも体力がなかったこと。
そして、よく寝てよく食べる若者よりも、寝る時間も食べる時間も少ない中年難病オヤジのマスターの方が体力が続くこと。


これらの事実からわかることは、普通の生活をしている人にとって、「栄養学はほとんど関係ない」ということです。


関係あるのは、「心」です。
「目的意識」と書きましたが、「前向きな気持ち・感謝・愛」など、「前向きでストレスのない心の状態で生きているかどうか」ということが、人が元気でいられるかどうかに大きく関係しています。


「〇〇に含まれる〇〇という成分が〇〇に効く・・・」という話はよく聞きます。
「元気が出ないときは血糖値を上げてカフェインを」というのは代表的な話で、たしかにその通りかもしれませんが、たとえば大切な人の死の直後に、カフェインや健康食品で、人は元気になれるはずなどありません。
場合によっては、ショックで食べることができなくなり、後を追う人だっています。
逆に、恋愛初期の高揚感を味わっている時や、「ゲームで盛り上がっている+攻略したい大切なところ」なら、人は食事を抜いてでもそれらを楽しみます。
人の心の状態は、良くも悪くも栄養学を超えているわけです。


ダイエットにまつわるもののほとんどは、それに関わるビジネスや、論文やコメントを書くことによって収入を得ている関係者たちが、ある意味「目先の利益」のために作り上げたものです。


何度も書きますが、太った内科医や太った栄養学者は後を絶ちませんし、自分で書いた論文の通りに栄養を摂っている医師や学者なんて一握りです。


・・・


ということで、「ダイエット」にまつわる栄養学や常識とされるものが、いかに「利害」のからんだものであり、その多くが本質からずれたものか・・・
その一例として、ネパール人、そしてマスターの夏の仕事などを例に挙げてみました。


◎まとめ


父は、日本で学んだ栄養学を元に自分を鍛え、体力に自信をつけてネパールに行きましたが、ネパール人の体力は父のさらに上をいくものでした。
しかも、ネパール人の食生活は、栄養学とは無関係のものでした。
父がネパール人の生活を観察した結果、出した答えは「ストレスがないこと」でした。
ダイエットや体調維持に大切なものは、もちろん「栄養」でもありますが、さらに大切なものは、栄養ではなく、「目的意識・ストレスがないこと」なんです。


「〇〇を食べると痩せる・脂肪が燃えやすい」などの情報は実際にそうであっても、目的意識が低く、ストレスに負け、その食事方法を続けられないなら、栄養学は全く意味がなくなります。
また、世界には、文字も読めない人達が、栄養学に関係なく、細い体型と強い肉体を維持しているという事実があります。


「ダイエットや健康維持という視点から考えた場合、栄養学にはほとんど意味がなく、仮に意味があっても、ストレスがあったら意味がなくなる。
こだわりなくなんでも食べ、ストレスなく生きていくことが大切」


これが本質です。


ダイエットにとって、「栄養」も大切かもしれません。
しかし第一に大切なものは、「心」の状態です。


これを忘れないでください。


とは言え・・・

「でもマスター、〇〇が効いて痩せた人、実際にいるわよ!」
「私なんか〇〇で本当に痩せたもん!マスター、やっぱり栄養も大切よ!」

と言う人もいますよね?
もっともですが、そのあたりについては説明できますので、また次回書こうと思います。



時間がある人は、もう一度「本質的な努力をすれば」を読んでみてください。
大人の思考があれば、ダイエットは成功するということが確認できます。

・・・

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