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【国宝語り】関西地方3・兵庫県・和歌山県・三重県の国宝

関西地方の国宝の中から、今回は兵庫県・和歌山県・三重県の国宝を紹介します。
 まず、三重県は国宝の数も少ない(6件)のですが、伊勢神宮とその近くにある金剛證寺の国宝は公開されることも少なく、未だに見ることができていません。唯一、津にある専修寺の国宝は建築も典籍も全部(4件)見ています。専修寺は浄土真宗のお寺で、国宝の如来堂、御影堂は他の浄土真宗のお寺と同様に大きなものです。国宝の2件の典籍はどちらも親鸞が書いたものです。

専修寺

兵庫県の国宝は姫路城が有名だと思います。分野としては建築が多いのですが、姫路城以外は交通の便があまり良くないと感じました。特に加東市の朝光寺はどうやって行くか数年間考えた末、駅からバスとタクシーを乗り継いでならなんとか行けそうということで、ようやく訪ねることができました。また、浄土寺も駅から離れていて、片道は歩きましたが、帰りはタクシーを呼びました。しかし、浄土堂は重源が建てた大仏様建築として有名で、一見の価値があります。

浄土寺浄土堂
一乗寺三重塔

和歌山県には高野山があるので、高野山に関連する国宝が多いです。
中でも特に好きなのが八大童子立像です。運慶が制作に関わったもので、玉眼が嵌められた目やリアルな表現が秀逸です。童子というだけあって、凛とした表情の中にかわいらしさも感じます。

高野山以外では岩出市の根来寺の多宝塔は大塔とも呼ばれ、その名の通りの巨大さで有名です。

根来寺多宝塔

和歌山県には他にも長保寺(海南市)と高野山の金剛三昧院に国宝の多宝塔があり、国宝の多宝塔のうち半分が和歌山県にあることになります。大阪府の慈眼院の多宝塔と合わせて、まとめて4基の国宝の多宝塔を見たのですが、それぞれ個性がありました。

長保寺多宝塔
金剛三昧院多宝塔

兵庫県の国宝も和歌山県の国宝も、東京から見に行くには不便なところが多いのですが、その不便さも含めて、印象に残った国宝が多いです。

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