見出し画像

意外と知らない!?中国の車市場ってどうなってるの?

近年、めざましい経済成長を遂げている中国。
最新テクノロジーの領域やスマホ、家電などの分野においてはすっかり世界をリードしているイメージが定着した。

しかし、そんな中でも意外と知られていないのが自動車産業である。
そこで今回は中国の自動車事情についてまとめてみた。

■世界における中国車のシェアは?

まず、昨年(2020年)の世界の自動車メーカー販売台数ランキングベスト3は以下の通り。

1位 トヨタ自動車(日本)952万8,438台

2位 フォルクスワーゲン(ドイツ)930万5,400台

3位 日産・ルノー・三菱グループ(日本・フランス)779万8,919台

2019年まで4年連続1位の座に君臨していたフォルクスワーゲンが首位陥落 し、トヨタ自動車が5年ぶりに首位に返り咲いたことが話題となりました。

画像8


TOP3の顔ぶれからは、改めて日本と欧州の自動車メーカーの力を確認することが出来ます。

しかし、その前年(2019年)の販売台数ランキングTOP20を見てみると...

画像1

意外かもしれないが、20社中5社は中国企業。
現在、世界全体の自動車販売台数に占める中国車の割合は33%にまで拡大している。

なお、昨年1~10月、世界の主要な自動車市場である米国や日本、スペインでは、コロナの影響もあって販売台数が前年同期比でそれぞれ17.3%、14.7%、37%減少したが、同じ時期、中国の自動車販売台数の減少率は4.7%にとどまった。
中国自動車工業協会の予測では、中国の自動車市場は今年はゆるやかに成長し、今後5年、安定を維持、2025年の生産・販売台数は3000万台に達する見込みという。

画像9

日本ではあまり知られていないとはいえ、自動車市場においても中国の注目度は増すばかりなのである。

■実は自動車メーカー数が世界一!?

これも意外かも知れないが、現在中国には100社以上の自動車メーカーがあると言われている。

ちなみに、その他の主要な自動車生産国における自動車メーカー数は以下の通り。

日本:36社
アメリカ:38社
イギリス:46社
ドイツ:35社
イタリア:19社
フランス:12社

画像10

いかに中国に自動車メーカーが多いかがお分かり頂けるだろう。

ただ、実際にはライセンスのみ取得して、販売に至っていない会社も多いのが実情。実態に関しては国内の専門家ですら把握できておらず、業界再編が今後の課題とされている。

■主流は外国メーカーとの合弁会社

中国では輸入車には高い関税がかけられてしまうため、中国国内で自動車を販売したいのなら現地生産が現実的である。

ただし、中国の政策上、現地生産したい他国の自動車メーカーは中国メーカーとの合弁(複数の企業や国家がお互いに出資し、事業を起こすこと)が条件である為、現在のように数多くの合弁自動車メーカーが乱立することとなった。

一方で、それらの合弁会社を通じて得た技術力を使って、中国国内の独立したメーカーもどんどん力をつけている。
最近では、政府主導で電気自動車の普及を目指していることもあり、電気自動車を製造するベンチャー企業の数も増えつつある。
日本では、電気自動車といえば、テスラもしくは日産のリーフが有名だが、世界で一番売れている電気自動車は中国メーカーが製造している車なのである。

■中国の自動車メーカーBIG3

数多ある中国の自動車メーカーだが、その中でも【BIG3】と呼ばれる以下の3社が業界をリードしている。

第一汽車(FAW)

画像5

1953年設立の国営自動車メーカー。
中国で最初に創業された自動車メーカーでもあり、グループにトヨタ、マツダ、VWなどとの合弁会社がある。
2018年ロールス・ロイスの元チーフデザイナー、ジャイルズ・テーラー氏が副社長に就任。

画像2



上海汽車(SAIC)

画像6

グループ企業にGMとの合弁会社「上海通用」、VWとの合弁会社「上海VW」がある。現在、中国の大手自動車メーカーは自社開発の車種投入に熱心だが、上海汽車は慎重な姿勢を示している。

画像3


東風汽車(DFM)

画像7

1969年に設立された中国の自動車メーカーBIG3の国有企業。
ルノー日産、ホンダ、PSAプジョーシトロエン、起亜との合弁会社がある。2014年の資本提携により、プジョー家・フランス政府・東風3者の持株比率が同等となった。

画像4


上記3社に以下2社を加えてBIG5と呼ばれることもある。

奇瑞汽車(CHERY)
「きずいきしゃ」と読む。1997年設立とBIG5の中では新興メーカーと見なされるが、自主ブランドの開発や海外輸出に早くから取り組んできた。ジャガーランドローバーとの合弁事業がある。

長安汽車(CHANGAN)
マツダ、スズキ、フォードなどと合弁事業を行っていたが、2018年9月スズキは合弁会社「長安鈴木」の持ち株を長安汽車へ譲渡し、中国市場から撤退することに。


いかがでしたでしょうか?
日本ではあまり話題になることの多くない中国の自動車市場ですが、世界的に見れば他の業界同様に注目が集まる世界最大のマーケットとなっています。

今後は中国メーカーの自動車が世界を席巻していくのか?
それともトヨタを中心とした日本車が首位を堅持するのか?
はたまたアメリカやヨーロッパの巻き返しがあるかの?

今後の動向にも注目していきたいと思います。

━━━━━━━━━━
翻訳からSNS開設・運用、インフルエンサー活用まで。
中国進出のサポートなら弊社にご相談ください。

KOL株式会社 (KOL Co.,LTD)
https://kol-inc.com/
info@kol-inc.com
━━━━━━━━━━

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?